
タンバリン湿原の妖怪
音楽が好きな達男は、演奏部に入ったけれど、どの楽器もうまくできない。
結局タンバリンをすることになったが、リズム感もなく、皆と合わせることができない。
達男は、度々村はずれの湿原に行って一人で練習した。
ところが達男がタンバリンを鳴らすと、どこからか同じようにタンバリンの音が聞こえる。
ぱん
パン
ぱんぱん
パンパン
実はこの湿原、音マネ妖怪のコダマロが住んでいた。
そんなことを知らない達男は、不思議に思いながら、それを楽しんでいた。
一方コダマロは、タンバリンが欲しくなり、ある日達男の前に姿を現した。
コダマロは
タンバリンをくれたら、代わりにリズム感をあげるよ
と言った。
達男は、喜んでタンバリンをあげた。
以降この湿原で叫ぶと、タンバリンの音が戻ってくるようになり、タンバリン湿原と言われるようになった。
一方達男は、急にタンバリンが上手になって、皆を驚かせた。
タンバリン湿原では、時折達男とコダマロのタンバリンのセッションが聞けるとか。
本文ここまで 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
の企画に参加したものです。
今回は裏お題【タンバリン湿原】
実は初め、かなり長くなってしまって、410文字に削るのがとても大変でした。
達男は、楽器をやってみたけど、どれもうまくできませんでした。
タンバリンも、隣の男の子に、せーのっ
と言ってもらえないと、いいタイミングで叩くことができなかったのです。
それでも、そこに立って演奏する友達の中に居たかった。
そんな音楽好きの男の子でした。
コダマロがどんな姿だったのか?
達男がどう思ったのか…そう言ったことも書いていたのですが、削りました。
ので、ご想像にお任せします。
好きだけど、うまくできない
ってことありますよね。
なんでもいい。
下手でもいい。
楽しもう‼️
そしたらもしかしたらいつの日か…???