北風と太陽
北風と太陽のお話、知ってるだろう。
無理やりやらせようとしても、やるわけじゃない。
暖かく見守っていれば、そのうち自らやるようになる。
そんな話を聞いて、私は子供に、もう勉強しなさいと言うのはやめた。
親が勉強している姿を見せるといいよ。
そういう話を聞いたので、子供の受験に合わせて自分も資格試験の勉強に励んだ。
母親がリビングで必死に勉強していて、何も言われないのをいいことに、息子は部屋でゲームや漫画を存分に楽しんだ。
母親は無事資格試験に合格した。
しかし息子は…
この話をすると友人が
私もそうだったの…と。
立派な教育者が、あれこれと色々いうけれど、それを、バイプルのようにしてその通りに実行することがいいこととは限らないと思った。
なぜなら、同じことをしても、子供によって全く異なる結果になるから。
何も言わなくてもやる子はやる。
多少葉っぱかけないと、やらない子もいる。
褒めて伸びる子もいれば、厳しくされて頑張れる子もいる。
一歩間違うと、図にのってやりたい放題になったり、はたまた萎縮してしまったり。
そしてこれは、会社内でも同じだと感じる。
パワハラモラハラを恐れるあまり、大切なことも教えられなかったりしてるのではないか?
と感じることもある。
言われなくてもしっかりやる人、抜け道を探すことや、やりたくないことはなんとしてもやらない方法をうまく探すのが上手い人、やりすぎて無理してしまう人、たいしてやらずに大きな顔をしている人。
いろんな人がいますよね。
時に会社の将来を、彼らに任せて大丈夫なのか?と心配になることさえある。
北風も必要
太陽も必要
ちゃんと相手を見て、どうすることが相手本人にちゃんと伝わるのか?見極める手腕が必要なんじゃないかな。
そしてそれは、相手に対する愛情や、相手を思いやる心なしではできない。
ただ甘やかすのも、ただ厳しくしたり、自分の考えや気持ちを押し付けたりするのも、そのどちらもが、独りよがりで、相手ファーストになっていないから。
だけどそれって、いざやってみるととっても難しい。
1人として同じ人間がいない中で、誰もが初心者。
良かれと思ってやっていても、ずいぶん後にならないと結果がわからないことも多いから。
正解がない中で、常に自問自答しながら、自ら考え、より良い方向と信じた道を、進んでいくしかない。
今日は日差しは暖かいのに、冷たい北風がビュンビュン吹く寒い日でした。
天気がいいからとうっかり薄着で出かけると、寒さと乾燥で、風邪をひいたり喉をやられたりしそうだ。
でも、北風が黒い雲を飛ばしてくれて、暖かい日差しを浴びることができている。
気温が下がることで紅葉が色づくし、冬の北風があるからこそ、人々は春風を待ちわびる。
北風も太陽も、厳しさも暖かい愛情も、
どちらも大切で、必要なもの。
それらと間違わずに付き合っていきたい。
そんなふうに思います。
これは、小牧さんのシロクマ文芸部の企画に参加したものです。