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藤枝大祭り
先日、藤枝の大祭りを見に行ってきました。
藤枝大祭りは、周辺の14の地区が、それぞれの屋台を出して、旧東海道藤枝の宿あたりを曳き回すお祭りだそうです。
藤枝の大祭りは、「日本一の長唄による地踊り」なんだよ。見においで!
と叔母が言った。
この地域の人は、3年に一度のこの祭りをすごく楽しみにしていて、ものすごく盛り上がるという。
そんなお祭りがあるなら、ぜひ一度みてみたい!
ということで、先日行ってきました。
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藤枝宿は、東海道五十三次のうち、品川から数えて22番目の宿場町です。
駿府城と大井川の間にあります。
このお祭りは、江戸時代、田中城の鬼門を守る青山八幡宮の大祭で、藤枝宿の屋台が神輿行列に付き添い、田中城内で屋台と踊りが披露されたのが始まりだそうです。
田中城とは、以前記事にしましたが、家康公が鷹狩りでよく来ていたという田中城です。
(この記事の最後につけてます)
明治になって、田中藩が解体されると、藤枝宿の総社飽波神社の大祭でこの屋台の曳き回しを行うようになりました。
飽波神社大祭は、寅・巳・申・亥の年なので、この大祭は、3年に一度行われるということらしいです。
実はお祭りは昨年でしたが、コ口ナで延期になり、今年は卯年だけど、行われたとのことです。
昼頃、叔母の家の外からお囃子が聞こえます。
そろそろ行ってみようか‥
この日は、あいにくの小雨でしたが、お祭りは決行とのことで、行ってみました。
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屋台の高さは、見た感じ4〜5mくらいでしょうか?
この屋台には、長唄を歌う人と、三味線、囃子方と、フルメンバーで乗っていています。
屋台の前方に乗っている人が、二人一組で
それやれやれよー
それやれやれよー
をはじめ、さまざまな掛け声で盛り上げます。
この掛け声、リズムか良くて、見ている人までつい身体が動いてしまうような、ノリノリのテンポです。
数日頭から抜けませんでした。
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屋台の上には、屋根方と言われる人たちが乗っていて、踊っています。
電線に引っかかるのではないかとヒヤヒヤしますが、ちゃんと頭を下げて避けています。
屋台の前には、太くて長い梃子棒が取り付けてあり、その棒で進行方向を直したり、回転させたりします。
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手前に伸びるロープを持って、街の人たちが歩いています。
主に引っ張っているのは、屋台のすぐ前でロープを引っ張る男の人たち。
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でもただ屋台を曳き回すだけではありません。
ポイントの場所場所で、屋台の中のお囃子と長唄に合わせて、町内のひとは、地踊り(手踊り)を披露します。
この「長唄による地踊りの祭礼」は、その規模と質において日本一なのだそうです。
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大人も子供も踊ります。
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録音されたテープではなく、生の声と演奏ってのがいいですね。
町によって衣装が違いますが、揃いのハッピで片側だけ肩を出して下の綺麗な着物を出すと言うスタイルが多い。
腰にはひょうたんやら、巾着やら、鈴やらを下げている。
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祭りに参加している若い女の子たちは、思い思いに趣向を凝らした髪形で、とっても綺麗に飾っています。
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祭りの中心は旧東海道の道。
しかしここ、普段はシャッター通り?
って感じの、商店街です。
祭りの最中でも、屋台が来ていない時は、ちょっと寂しい。
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しかしさすが東海道。
古そうな建物が、ところどころ見られます。
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こんな看板もあります。
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歩きながら、飽波神社にお参りに行くことにしました。
(飽波神社の記事も以前書きました。
この記事の最後に貼っておきます。)
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拝殿には、金ピカの神輿が置いてありました。
お祭りだからかな?
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境内の外は、お店の屋台がいっぱいです。
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藤枝は、とにかく神社やお寺が多い。
この短い距離の間にも、かなりのお寺や神社がありました。
その中でも目を引いたのは、この見事な松。
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これは、久遠の松という有名な松でした。
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日蓮聖人お手植えの松なんだそうです。
今は、「日本の名松100選」と静岡県の天然記念物にも指定されている名木だそうです。
江戸時代は藤枝の宿のシンボル的存在だったようです。
それから、以前記事でも書いた(これも最後に記事貼ります)藤枝梅安の、出生の地である神明社。
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脇には、仕掛人 藤枝梅安出生地の立て札があります。
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実在しない小説の中の人物なのに、まるで実在していたかのようです。
この後はしばらく本部前で、次から次に来る屋台を見ました。
屋台は、いろんな屋台がありますが、彫刻が立派です。
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その屋台、見どころは大回しです。
屋台前方に突き出た大きな梃子を、たくさんの男の人たちが押して、屋台を回します。
広い交差点の真ん中でやることが多いです。
この屋台のタイヤは木製。
上の写真に少し見えますが、丸太を輪切りにした感じです。
タイヤではないので、引っ張るのも大変そうですが、回すとなるとほぼ引きずるような感じ。
屋台だけでも重いだろうに、人もたくさん乗ってます。
回す人は、必死の形相。
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そしてサッカーの街藤枝に、サッカーボール街灯が灯るころ…
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屋台にも提灯が灯ります。
夜の屋台も綺麗。
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屋台がすれ違う時は、張り合って声をあげたり盛り上げたりして、一層賑やかです。
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そしてその頃には参加者も増えて、祭りはさらに盛り上がります。
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屋台の前に舞台を出して、踊り子さんが踊っている屋台もあります。
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しかし、昼から夜9時まで、ほぼ立ちっぱなしで、さすがに疲れました。
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商店街の真ん中では、そこの地元、白子区が、最後に盛り上がっていました。
みんな、自分の地区に戻りながら、最後まで祭りを楽しんでいます。
私たちも、帰り道の交差点でやっていた上伝馬町区の大回転を最後に見てから帰りました。
あちこちの交差点には、木のタイヤを引きずって削れた木屑がたくさん残っていました。
疲れたけど、見ていても楽しいお祭りでした。
祭囃子でつい体が動く。
こんな経験初めてでした。
この日は急にものすごく寒くなった日で、寒さに震えながらの祭り見学でした。
でも、また見にいたいな、と思いました。
次は2年後です!
最後にこの記事で出てきた
田中城
飽波神社
藤枝梅安
の以前の記事貼っておきます。
興味がある方は、ご覧ください。