ラムネ炭酸寝顔
店先の氷水に浸かったガラスの瓶を、お兄ちゃんが一本取り上げた。
瓶の上に白いプラスチックの蓋のようなものを被せてポンと押すと、シュワシュワっと泡と一緒に液体が流れ出て、お兄ちゃんは慌てて瓶に口をつけた。
僕も欲しい
というとママが、カズ君にはまだ早いからダメよ、
という。
いいなあ
飲み終わった時、カランカランと音がした。
みると、瓶の中にビー玉が入っている。
この瓶ちょうだい!
僕は瓶をもらって、中のビー玉を取ろうと頑張ったけど、どうしても取れない。
ビー玉君、出てきて僕にラムネの味を教えて!
僕はいつのまにか、ラムネの瓶を抱いたまま寝てしまった。
夢の中で僕は、ビー玉になっていた。
お兄ちゃんが、白い蓋で僕をポンと下に落とすと、僕はラムネ炭酸の海に飛び込んだ。
うわあ、飲み放題!
ゴクゴクゴク
その時、近くに来たママが、僕の寝顔をみて笑った。
カズ君ったら、夢の中でラムネ炭酸飲んでるみたい。
カラン
ビー玉の音で目覚めた僕は大きくゲップした。
本文ここまで 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。
今回は裏お題「ラムネ炭酸寝顔」
文章の中で、ラムネ炭酸と寝顔をくっつけられなかったのが、心残りですが、カズ君のラムネ炭酸寝顔を見られた、ということで、よしとしてしました。
子供の頃、実はラムネ飲み競争ではいつも一番でした(笑)
最近は、ラムネより、アルコールの入った炭酸又はノンアルを飲むようになりました。
(たまにですけどね😉)