忌み言葉から学ぶポジティブ思考。
今日は「ことばの日」だそうなので、言葉にまつわるnoteを書いてみます。
不吉、縁起が悪いという理由で、主に冠婚葬祭の際などに意識される「忌み言葉」。
その場面に相応しくない言葉はほかの言葉に言い換えましょうという、日本ならではの風習ですよね。
私はたった4ヶ月の幻の正社員時代、ブライダル関係の会社に勤めていたとき、忌み言葉を使わないよう常に気にかけていました。
社内では「忌み言葉研修」なるものがあり、縁起が悪いとされる言葉をたくさん教わりました。
「離れる」「終わる」など直接的に別れを想像させる言葉や、「ますます」や「色々」など、再婚をイメージさせる繰り返し言葉がNGだったりするのは有名ですが、「え、そんなものまで?」とびっくりするような忌み言葉もあり、研修はなかなか面白かったです。
一歩式場に踏み入ると、ネガティブを連想させる忌み言葉はすべて別の言葉に言い換えます。
挙げ始めるとキリがないくらいに、ありとあらゆる言葉を言い換えましたが、その中でも私が一番好きな言い換えをご紹介してみます。
「戻る」を「進む」と言い換える。
「戻る」という言葉は、独身に戻る、つまり離婚を連想させるのでウェディングのシーンでは忌み言葉とされています。
挙式の最後、新郎新婦は聖壇から扉に向かってヴァージンロードを歩いて退場します。
入場時にも歩いたヴァージンロードを逆方向に歩いて退場するのだから、それはどう見ても来た道を「戻って」いるのですが、式場ではこの一連を扉に向かって「進む」と言い換えます。
挙式の冒頭、新郎は1人で、新婦は父親などの家族と腕を組んで、別々に入場した2人。
挙式の最後には、その道を1人でもなく、両親とでもなく、新しい夫婦2人で進んで行くのです。
そして、扉の向こうは新しい未来。
未来に向かって、2人で「進んで」いるという意味ですね。
すごくすごく、ステキな言い換えだなぁと思いました。
冠婚葬祭の忌み言葉に関わらず、ネガティブをポジティブに言い換えることは、自分の心の持ち方に大きな影響があります。
ちょっと嫌なことや悲しいことでも、プラスの言葉に言い換えることができれば、ほんの少し心が緩まる気がしませんか?
相手に対しても、ネガティブな言葉を使うより、ポジティブな言葉に言い換えて伝えると、ちょっとだけ幸せな気分をプレゼントすることもできるかもしれません。
言葉には、想像以上のパワーが宿っている。
そんなふうに感じた、「ことばの日」でした。
ぜひ、皆さんの好きな言葉も教えてください!