どんな人と働きたい?
今まさに就職活動の真っ最中だという学生も多いだろう。
今回は、「どんな人と働きたいか」という話題。
僕の大学時代の同級生で、特に仲が良かった友人が3人いる。
彼らは京都大学生の中でも、割と面白いやつらだと思っている。
4回生のとき、彼らに尋ねてみたのを覚えている。
「どんな人と一緒に働きたい?」
前提条件無しで、この抽象的な質問だけをしたところ、3人から全く同じ答えが返ってきた。
「自分と違う人。」
このとき自分は既に就職先を決めていたのだが、これは自分が就職先を選んだ理由のひとつでもあったので、とても共感したのを覚えている。
自分と違う人と働きたいという大きな理由は、主に自己の成長のためだ。
能力も価値観も同じような人だけが集まれば居心地は良いが、彼らから学ぶことは多くない。
考え方や能力、スキル、価値観、宗教、視点、そういうものが自分と異なれば、それは自分に無いものであるから勉強になる。
自分とその人と、どちらが優秀だとかは全く関係ない。
ただ自分と異なるという点が、もれなく自分にとっては勉強になるのだ。
それを自分が取り入れるかどうかは別として、「そういう見方もあるのか」と認めることで、考え方や価値観の幅が広がる。
とても楽しいことだと思う。
だから、たとえ共感も理解も出来ずとも、排除も抑圧もせず、ただその存在を認め、受け入れるのだ。
ある放送で、落合陽一さんがこんなことを言っていたのが印象に残っている。
確か、出身国も人種も宗教も母国語も多様な人が集まる、あるアメリカのIT企業の話だったと思う。
「ダイバーシティ(多様性)の中では、課題にフォーカスすることでしかコンテクススト(文脈)を共有できない。」
それゆえに、生産性が非常に高いのだと。
なるほどと思った。
あまりに多様性が強いと、人間的な側面とか背景とか、そういったものも推し量ることなど、どう考えても出来るはずがない。
だからこそ、共通の目的にのみ純粋に向き合えるのだ。
互いが互いの強み弱みを補完しあうことで、あらゆる状況に対応できる柔軟性を手に入れ、リスクを最小化できるということもあるだろう。
ちょうど、遺伝子の多様性確保による生物の生存戦略のようだ。
とまあ、難しそうなことを書いてみたが、実際は、あまりに自分と違う人とばかり仕事をしていると、イライラしたり疲れたりするのも事実だ。
人と付き合うのは面白いが、とても難しい。 でも面白い。
皆さんは、どんな人と働きたいですか?
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