【イノベーション】MTPからスタートしよう
前回に引き続き、スモールスタートの話。
シリコンバレーのスタートアップベンチャー界隈なんかで、プロダクト開発の基本となる概念のひとつに、MVPというものがある。
スポーツの最優秀選手のことではない。
Minimum Viable Product の略で、「実用可能な最小限の製品」などと訳される。
リーンスタートアップのベースとなる概念だ。
始めから完璧な製品を大規模に展開するのは時間もコストもかかるから、とりあえず最小限の機能を持った状態で世の中に出してしまって、素早くフィードバックループを回していく。
クラウドの時代だからこそ、これができる。
まあMVPの例とかリーンスタートアップの理論については、もっと詳しい記事が他にあるから、改めて細かくまとめるつもりもない。
ここで押さえておきたいのは、素早くフィードバックループを回すという作業だ。
フィードバックループは、PDCAサイクルと言い換えることも出来る。
このサイクルを高速で回すことで、低コストかつスピーディーに、真のニーズや課題、
あるいは、そもそもそのプロジェクトを進めるべきかどうかといったこと等が明らかに出来るのが、MVPの利点のひとつだ。
つまり、仮説可能であるという点が非常に重要であって、だからこそ僕は、MVPよりもMTP(Minimum Testable Product:仮説検証可能な最小限の製品)から始めるという意識を大事にしたいと思っている。
仮説検証可能であるために、MTPは図のような要素を有する必要がある。
単に実用最小限であるMVPだけを求めると、青い部分を製品にしてしまうから注意しなければならない。
検証したいあらゆる要素を検証可能な最低レベルまで上げると同時に、検証不要な機能は検証可能な最低レベルまで削ぎ落とすことが、スタートの段階では重要だ。
この考え方は、決してプロダクト開発に限った話ではないと思う。
チームや個人で何か新しいことを始めるときに、MTPを意識してみてはどうだろうか。
くれぐれも、始めから完璧を求めて時間をかけすぎたり、
逆に、何も考えずにとりあえずやってみたけれど何も得られなかったりすることのないようにしたい。