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それは常にそこに在ると認識しながら

最近、あちらこちらから災害のニュースが届きます。

身近な日本の情報が多く入ってくるというのもありますが、それでもやはり、日本は特に災害が多い国だというのは事実です。
世界で日本が占める国土面積は0.25%しかないのにも関わらず、
マグニチュード6.0を超える地震のおよそ2割は、日本周辺で発生しているというデータもあります。

今年は、特に西日本や北海道が大きな災害に見舞われていて、住んでいる方々の生活や経済への影響が心配です。
同時に、広範囲に甚大な被害が出ているのにも関わらず、
非常に短期間で電気や道路、空港などを復旧させてしまう作業員の方々には、尊敬の念を抱かざるを得ません。
なかなか表には出てこないですが、きっと寝る間も惜しんで、決して高くはない賃金で働いてくださっている人がたくさんいるはずです。

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僕が今住んでいる東京では、今のところそれほど大きな災害が起きていません。
不幸中の幸い、という表現は適切ではないと思いますが、
やはり日本の経済・ビジネス・政治・文化の中心は東京に集中しているので、
首都が壊滅するような何かが起きてしまったら、間違いなく日本全土が混乱するだろうと思います。

それは、決して極端な例え話などではなく、十分に起こり得ることで、いつ起きてもおかしくない。
それが日本という国なのです。

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先日、家の近所のカフェでコーヒーを飲みながら読書をしていたときに、地震がありました。
確か千葉県沖が震源で、僕がいたところでは震度3くらいだったと思います。

日本は地震大国ですから、震度3 “程度” の地震には慣れています。
感覚が鈍っているのか、さほど慌てることもありません。

近くの席に座っていた人達も、何人かは、
「あ、揺れてる」「地震だ」
などと呟きながら、スマホで地震の規模を調べていました。

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東日本大震災が起きた時、僕は震源から遠く離れた岐阜にいました。
岐阜では、震度にして3か4くらいの揺れでしたが、
良くも悪くも地震には慣れているものですから、同じ震度3でも、
「これはアカンやつ」と直感的に分かってしまったのを覚えています。

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東京のカフェで地震があったとき、周りの人の反応を見て、何となく不思議な感覚になりました。

もう何年も前から、関東〜東海沖で非常に大きな地震が起こる可能性が高いと言われ続けています。
しかし、現代の技術をもってしても、地震の予測というのは不可能に近く、
そう言われている間にも、ほとんど予想されていなかった地域で何度か大きな地震が起きてしまっています。

カフェで揺れを感じながらも慌てなかった人達は、地震に慣れているがゆえに、たいした規模ではないとすぐに感じたからでしょう。
僕も、そうでした。

ただ、地震に慣れているからこそ、いつ自分の番が来るか分からないということも、我々は知っているのです。
ましてや、ずっとそう言われてきている地域に住んでいるので尚更です。

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地震に限らず、台風や洪水などの自然災害、あるいは交通事故や病気で、
“普通に”生活していても、いつどこでそれが訪れるか分かりません。

それは常に身近に在るのだということを、僕達は知っているはずなのです。

確かに、その「事実」から目を背けている人も少なくないでしょう。
自分事としてリアルに考えるのは、簡単なことではないでしょう。

しかし、産まれたその瞬間から、誰もがそこに向かっているということは、紛れもない事実なのです。
覚悟こそせずとも、少なくとも、そのことを事実として認識はしながら、人は生活しているのではないだろうか。

カフェで冷静に振る舞う人達を見て、僕はそんなことを思っていました。

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人によっては、“恐怖”と感じるのでしょうか。

しかし、遅かれ早かれ誰しもにそれが訪れるということを、ただ事実として認めるだけで、
同時に、今はまだここに居るという事実を認めることができます。

今死んでも悔いは無いと思えるように日々を全うできるほど、強い人ばかりではありませんが、
少なくとも、僕達は、死ぬまで生きることはできるのです。

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