【読書記録】田内学「きみのお金は誰のため」
先日、ニッポン放送で紹介されていたので買ってしまいました。
本の中で「Amazonを使うことの功罪」についても語られていた。
しまった、この本を取り寄せるのにAmazonを使ってしまった。
でも早く読みたかったんだもん。
とはいえ、この本はAmazonのような便利な通販を全否定しているわけではない。
お金は、誰からサービスを得るかを選べるという性質を持っている。
GAFAは人々の生活を便利にして、富豪でも普通の人でも同じ条件で情報や物を届けている。
受けることのできるサービスの質だけを比較すれば、昔よりも富者と貧者の格差を縮めてすらいる。
それなのに彼らが格差を広げた犯人のように言うのは違うのではないかと言うことも説かれている。
対話仕立て、小説仕立てで解説されるお金の話は「分かりやすい」だけでなく、価値観についても考えさせられる話だった。
例えば「働く女性」という言葉の「働く」の中には、主婦の行う家事や子育ては入っていない。
それはお金というものを介さなければ社会の役に立っていないという思い込みからくるものかも知れない。
そのあたりのことも解説されている。
普通の投資解説の本などは、お金はあるだけあった方がいいという前提で話が進む。
一方でこの本は、もう少し、お金ができることとできないことを本質的に解説しようとしている。
分かりやすいがゆえに一度読んだだけで満足してしまいそうなのだけど、もう一度きちんと読もうと思う。
お金の価値観については、私はフルタイム正社員を辞めてから、だいぶ変えてきたつもりではあるけど、まだまだ見直す余地があると思えた。
昨日ラジオで聴いた、著者ご本人の経歴も面白いなあと思ったのですが(ご両親は中卒の自営業者で、お前は東大に行けと半ば洗脳に近い形で進学校に行き、願い通り東大に進学されたそうです)、著書には特にそのことは書かれていなかったので、いつか別の形でそのお話も詳しく聞きたいなぁと思いました。
※ちなみに「洗脳に近かった」という表現は昨日のラジオで聴いたもので、私の言葉ではありません。私は、洗脳という言葉はあまり使いたくないので。
ところで昨日聞いたラジオはニッポン放送だったのですが、ニッポン放送と言えば同局アナウンサーである飯田浩司氏の本も読む予定。パラ読みした感じではいい感じだったのでじっくり読みたいです。
早速読み返したのでメモ
きみのお金は誰のため
田内学
東洋経済新報社
2023.10.31
お金そのものに価値があるわけではない。
ただ、お金にはみんなを結びつける力がある。
急に「トンカツ作って!」と知らない人に言っても怖がられるだけだけど、営業しているトンカツ屋さんに入ってお金を払えば、知らない人同士でもトンカツを食べさせてもらえる。
お金が人と人を結びつけている。
お金で問題が解決できるのは、そのお金が使える時、そのお金を受け取って働いてくれる人がいる時、物を売ってくれる人がいる時だけ。「お金の向こう側に人がいる」。
お金→問題を人にパスしているだけ。「誰にパスするか」をお金を持っている人が決められる。災害が起こると働ける人がいなくなり、お金が無意味になる。
お金の権力を過信すると国さえも破滅する。
ある国は、パンが足りない時、原因をきちんと見ずに、お金を配ってしまった。→ハイパーインフレが起きてしまい、パンは結局買えない。パンは足りないままだから。
「お金がえらいと信じた人たちは、もっとお金を配れと叫んでデモをした。しかし、他の人たちは災事で壊れたパン工場をせっせと修理した。どっちの行動が正しいか。」
【AIが仕事を奪う?】
昔は鍬や鋤で田畑を耕していた。
→トラクターができて、仕事が激減。
→手のあいた人たちが、たとえばアクセサリーやケーキなどを作った。
→AIやロボットができて、手が空いた人は
何をすればいい?
(ここは私の独自意見)例えば、戦争をなくすための仕事。犯罪をへらす仕事、リスク管理、外国を助ける仕事。介護職が足りなくなるなら、ロボットやAIで少しは解決するかも知れない。
(また書籍の読書メモに戻ります)
しかし、1人の生産力、少子化をなんとかしないといけない。
災害が発生してパンが買えなくなると、いくらお金を持っていても意味がないように、少子化が進んだ時に働けなくなった老人が2,000万円持っていたところで、介護やその他生きるための物品やサービスを買うことは出来ない。
投資による利息も、社会全体でお金が増えているわけではなく、ただの移動に過ぎない。
とんかつ屋の息子は親に金を払わずトンカツを食べる。
もし払ったところで、家族のお金は増えない。
日本国内に広げると…
土地の値段も、高くても安くても日本国内でお金が増えるわけではない(高く売る人はお金が儲かるが、お金を払った人も日本にいるので、日本全体のお金の土地の値段によっては変わらない)。
外国に売った時だけ高いお金を貰えて日本のお金は増えるが、土地を売りすぎてしまうと、日本人が住めなくなる。
土地だけでなく、株価が上がっても下がってもあまり変わらない。
(※株はどんなに売れても住む場所は減らないから土地とは違う気がしたが、この辺は私のレベルではわからなかった)
→それよりも、未来の幸せにつながる社会の蓄積を増やすことが大事。
お金は移動に過ぎない(奪い合うことしかできない)。お金は、節約しようが、無駄遣いしようが、社会全体では増えても減ってもいない。
無駄遣いがあるとしたら、例えば政府のバラマキで意味のない仕事に従事させられた若者の貴重な時間と労働力など。
効果のある仕事を生み出さないと意味がない。
未来を良くすることはできる。→その未来を共有ことはできる。
本当にただのメモですいません。
それではまた別の記事でお会いしましょう。