
価値観が同一の国は、少子化はより加速する
アーカイブでかならず聴いているニッポン放送の「飯田浩司のOK cozy up」。
今日のゲストは明治大学教授で経済学者の飯田泰之さん。
運転しながらアーカイブを聴きました。
— 宮坂日出美 (@mknote112) February 28, 2025
飯田泰之先生の少子化の原因分析は非常に納得感がありました。
そして、もう今からの対策では間に合わないというのもはっきり言ってくださって頼もしいです。
「世代間で負担を閉じる」も良いですね。
政治は進められるかなぁ。。 https://t.co/spz5BoOFP6
「将来世代にツケを残さない」という言葉は増税の言い訳に使われてきましたが、今後は社会保障制度改革をするためにこの言葉を使って欲しいものです。
— 宮坂日出美 (@mknote112) February 28, 2025
少子化対策はもうしなくていい。「子供いない・結婚してない後ろめたさ(からくる謎のヒガミ)」から日本に住むあらゆる人が解放されますように。
感想をXで呟きました。
そう、少子化対策はもう間に合わない。
子供いない人も結婚してない人も、もう変な「後ろめたさ」を感じるのはやめよう。
昔書いた記事はこちら。
さて、あまりにも頷きまくった内容だったので、飯田泰之教授がおっしゃってたことを文字起こしして、ChatGPTに綺麗に要約してもらいました。
それがこちら。
要約:少子化の本質的な原因と日本社会の課題
1. 経済的支援では出生率は増えない
• 日本の出生数は9年連続で過去最少を更新し、2024年は72万998人だった。
• しかし、児童手当の拡充や結婚支援、手取りの強化では出生率は上がらない。
• なぜなら、世界的に見ると出生率が高いのはむしろ貧しい国であり、経済が豊かだからといって子供が増えるわけではない。
2. 影響を与えるのは宗教と文化的要因
• 出生率の高い宗教順は、①イスラム教 ②カトリック ③プロテスタント ④仏教 ⑤儒教。
• これらの宗教には「結婚すべき」「子供を持つのが当然」という強い社会規範がある。
• 日本では昔、「結婚しろ圧力」が親戚や近所からのおせっかいとして機能し、婚姻率を支えていた。
• アメリカの出生率が維持されているのは、カトリック系ヒスパニック移民の影響と、夫婦で行動し家族を重視する文化が強いため。
• 日本はこうした価値観を「悪」として糾弾してきたため、少子化が進んだ。
3. お見合いの減少と恋愛結婚の減少が影響
• かつては恋愛結婚の割合は一定で、お見合いが結婚数を補完していた。
• しかし、お見合いの減少によって婚姻数が減り、さらに近年では恋愛結婚も減少している。
• 家族形成や出産は「お金の問題」ではなく、「これが普通の家族なんだ」という社会的な拘束力に依存していた。
4. 子供がいない社会に適応するしかない
• 「子供がいない社会は良くない」と圧力をかけるのは問題だが、社会保障の維持は大きな課題。
• かつては、子供が社会保障や老後を支える仕組みだったが、それが機能しなくなった。
• 今後は「世代内で完結する分配」にしないと、社会保障制度は持たない。
5. もはや少子化をどうにかするフェーズは終わった
• 少子化は文化的な問題なので、短期間で反転することはなく、今後80年間は人口減少が続く。
• これに対応するために、社会制度や医療制度を少子化前提のものに変えていくしかない。
• 経済成長によって財源を確保する考え方もあるが、それだけでは高齢者福祉の維持は困難。
飯田泰之教授のおっしゃってたことをまとめると……
日本の少子化は経済的な理由ではなく、文化的・社会的要因によって進行している。これまで「結婚すべき」「子供を持つのが当たり前」とされてきた価値観を否定した結果、出生率は低下した。今後は少子化を改善するのではなく、それを前提とした社会制度への適応が必要になる。
日本は教育も文化も「画一的」すぎるから、少子化が加速したのかもしれない
前半に宗教の話が出たので、世間からはカルトだのなんだなとひどいレッテルを貼られていた宗教出身(22歳頃離教)の私は、色々と思うところがあった。
今回のラジオの内容に私なりの考えを付け足すなら。
要は日本って、多様な考えを容認しない社会なんだと思います。
それはある意味全体主義みたいなところがある。
正直、いつまで「校内カースト」とか言ってるんだろう、そっちの方がカルトじゃんって思っています。
でも多くの人が、「モテ」とか「スペック」とか、同じ方向を目指して「勝った」「負けた」と言っていますよね。
メディアが高学歴の人物を持ち上げればみんなそこを目指そうとする。
女性の社会進出の流れを作れば専業主婦は一気に居心地が悪くなる。
流されない人もそりゃあいるけど、「まあ私はそのままでいいか」と思うのには、私も結構な年月がかかった気がする。(今も時々、焦燥感がやってくることもある。完璧には消せない)
日本社会は地域特性も少なくいわゆる単一民族で教育も画一的だから、一度「少子化の要因になる流れ」が作られてしまうと、一気に一方向に流れやすい。
さらに宗教嫌いも相まって、「子供をたくさん産む教えの宗教」みたいなのもすごい批判が起こる。
私は宗教がメジャーであるべきとはまったく思わない。マイナーなままでいい。
ただ、画一的価値観から外れている人を、もう少し許容する雰囲気が作られるべきだったんじゃないかとも思う。
進歩的な(つまりハイスペ人材を猫も杓子も目指す、結果的に少子化になりそうな)考えを持つ人が大多数だったとしてもいい。それはそれで目指すべき魅力的な価値観なのでしょうから、もう仕方のないことです。
しかし、少数派の宗教の信者や、昔ながらの田舎的な社会規範を生きる人を、もう少し残す余地のある、多様な価値観を許容する社会であるべきじゃなかったんだろうか。
貧乏子沢山とかってバカにしていたら、そりゃ産める人が産まなくなると思う。
産んだからにはちゃんと進学させないと「もはや虐待」という風潮も、都市に住んでるとチラホラ感じる。
そりゃ少子化にもなるよ。
多様な価値観を許容することは、少子化という点においては実はリスクヘッジだったんじゃないだろうか。
子供をどんどん産むべきというような価値観をバカにせず、違う価値観としてリスペクトして、日本全体としてリスクヘッジしていればよかったのにね、と言いたい。
(そんなことしたら「カルト」な価値観の子供だけ増えて乗っ取られるじゃねーか!という声が聞こえてきそうですが大丈夫。私のように一定数以上はちゃんと抜けますので。)
ただ、飯田先生もおっしゃるように、少子化はもうそんなフェーズじゃないので、この議論も後の祭りです。
さっさと諦めて、少子化でも持続可能な対策をどんどん模索していきましょう。
私はシェアリングエコノミーとかに興味持ってます。地域食堂とか銭湯の復活とか。
飯田先生のおっしゃるように、若い人と話していると、私が20、30代の頃よりも、出産や結婚に対するプレッシャーはかなり少なくなっていることを感じます。
そんな若い人でも、親からのプレッシャーがうざいと言っています。
まあ、こういうプレッシャーが多少は少子化の進みを遅らせていたということなんでしょうかね。
言われる方はたまったもんじゃないですが、これも「親とはいっても独立した人としての価値観」として聞き流すよりしょうがない。。
私自身も気をつけなくては。
子供たちに結婚や出産のプレッシャーをかけないようにしなくてはと思う。
そして、早く子供いなくても(孫がいなくても)ひがまない人だらけになって欲しい。
なんだか矛盾するようですが。
お互い認め合っていきたいよほんと。
ではまた。