TEAM909第6回公演「信じるものはすくらんぶる」観劇感想
TEAM909第6回公演「信じるものはすくらんぶる」を見てきました。
もしお時間あればこちらもどうぞ。(※Radiotalkっていう音声配信コンテンツにとびます。信ぶる感想です。12分×2あります。)
で、トーク録ったんですけど、言いたいことの半分も言えてないしちょっと何言ってるのかわかんなかったので、今note書いてます。
(でも結局noteも何言ってるのかわかんないです。しかも8000字以上あります。)
信じるものはすくらんぶる
ここ読んでくださってる方は見たよって方がほとんどだと思いますが、ぜひ改めて公式さんのご案内をご覧ください。
ストーリーとか演出とか全体的な話
まずとりあえず脚本の話。トークでも言いましたけどエンタメ感が楽しいですよね!あんまり小劇場の作品見たことない人にもおすすめできるポップさがありました。いや、小劇場がポップじゃないわけじゃないんですけど。
お芝居作る側にいたり、観客としての経験値が一定まで上がると、どうしても忘れがちなのが「そもそも客席に座るまでのハードルめちゃ高い問題」。チケット代が~とかそういう金銭面もそうですけど、それ以上に「なんだかわからん」。たいてい地下か、薄暗い路地入ったとこか、よくわかんない建物の中か、古い公共施設かなんで。結構得体の知れないものだしアヤシいし怖いんですよ、演劇って。拘束時間長いし。だからやっぱり、狙う客層によってはポップさって大切なんですよね。今回扱うサブテーマっていうか材料っていうかも物騒ですからね。でもそこをポップと掛け合わせると、良い感じに甘塩っぱいっていうか、そういう、やつですよね。全然オシャレなたとえが思いつかないんだけど、柿の種のチョコがけのおやつ的な。あとロイズのポテチにチョコかかってるやつ的な。そういう、やつです。
おそらく割と当て書きなのかなと思っているのですがどうなんでしょうか。私は当て書きだったりする作品のほうが好きです。あとは新解釈したりとかして役者さんたち自身に役を引っ張ったりとか。
(もちろん作品の形態?規模?性質?によって違うと思うんですけども。個人的には2.5次元は役者の個性よりキャラクター重視してほしい派ですし。)
このへんて作り手と観客それぞれの信念と好みの話だから、別にどっちがいいとか悪いとかじゃないんですけどね~、バトっちゃうこともありますからデリケートな話でもありますよね。それだけみんな、作り手も観客も真剣ってことだと思うんですけどね。
脚本て、人を減らすより増やすほうが楽じゃないですか。でも一方でそれぞれの感情や動向が複雑に絡み合ってきちゃうのでそれはそれで大変で、しかも8人が8人ともモブじゃないので大変だなあって、頭いいなあっていう、至極頭の悪い感想が出てきました。
よく恋愛の法則で「男は別名で保存、女は上書き保存」ていう言葉がありますけど、あの傾向って恋愛だけじゃなくて生き方そのものもそうなのかもしれないなと今回観て思いました。今作男性陣3人の弱さは、自分で背負ってしまうことにある。過去も罪もプライドも。欺すのは女子のほうが一枚上手でしたね。
ちなみに私は女ですが別名で保存しがちなタイプです。
一番好きなシーンは準備してみんな8人並んだとこですね。アニメっぽさあって好きです。そこに持ってくまでにちゃんと8人のそれぞれのキャラ説明をちゃんとしつつ「おいおい、これからどうなっちまうんだ!?」感が出ていてドキドキしますよね。
あと小道具もよかったです!背景モノクロの中にカラフルなモザイクは、観客側から見るとすごく不思議な効果が生まれます。分かるような気がするけど解像度がぼやける?というか、テーマが結構社会派だったりするのでそのへんでのぼかしなんですけど(ってことですよね?)、いいですよね。こちらに委ねることが多ければ多いほど、見る人の想像力でまた違ったものになるこの感覚が好きです。
説明難しいんですけど。
そんでだからこそオリオンビールが活きてきますよね~!!あれはね、オリオンビールじゃなきゃね、ダメなんですよ。沖縄を印象づけるために。(ちなみに私はオリオンビールよりサッポロクラシック派です。)
全然関係ないんですけど、衣装も含めて色ってすごく重要ですよね。そこに意味が出てしまうので、そこで足し算するか引き算するかは演出家次第だし、作品によって正解はたくさんあるのがおもしろいですよね。
あと写真ね!そう、これトークでも言ったけどモノクロの写真結構こだわって作ってありましたよね。あれどんな写真だかもっとよく見たかったな。ワガママ言ってちょっとだけ見せてもらえばよかったかな。たったの4回ですけどそのためにがんばって準備しちゃう気持ちすごくよく分かります。こだわるとキリなくなっちゃってね。楽しいんだけどね。
他の回どうだったか分かりませんけども、クライマックスで真崎さんが隠しカメラ3カ所をみんなに見せるじゃないですか、たぶん絶対キメたいシーンだからちゃんとうまいこと外せるように工夫しておいたんだと思うんですけど、そしたら逆に後半にさしかかるくらいのところで早々に写真がペラリと一枚剥がれ落ちてしまって、
「どうするのかな~」と思っていたら転換で高橋さんがパッと目配せして(誰にだったかまでは見えてないけど)、松尾さんが冷静に直してった(と記憶してるんですけど)のがハプニング対応MVPだったかなと思ってます。ハプニング大好き侍。
スツールの中にあるはずの資料なくて裏に取ってって「こっちだった(てへぺろ)」っていうあきちゃんもかわいかったですね。
私が小劇場好きな理由の半分はハプニングとアドリブが好きだからなので、とにかくそれだけで「あ~今日来てよかったわ~」ってなりました。
お芝居の神さまに、試されたり応援されたり愛されたりするあの瞬間が好きです。
キャラクターたちと役者さんたちの話
≪栗原栗子≫
彼女はどこまでお見通しだったんでしょうかねぇ・・・。役を演じている、という役、というか。人は誰しもそうなんだと思いますけど、この作品の中で彼女が一番そこ頑なでしたよね。やり方は正反対でしたが、彼女もまたマサキさんと同じくらい目的達成のために半端じゃなく熱意を持っている。絶対に仕留めるというのが。それが彼女の性なのか、あるいは過去によほどのことがあったのか。
あと衣装もよかったですね〜!やり手ADっぽい。映画のエキストラに行ったことあるんですけど、ああいう感じの人いたの思い出しました。私まだほぼ普段にも着れるような服を衣装で着たことなくて(パジャマ・忍者装束・ちょいロリワンピース・フラメンコ衣装など)そろそろこんな感じの着たいな…。じゃあそういう台本書けよという話なんですけどね。
【あや】
栗子、いっちばん大事な役なのに、あやさんにはその気負いとかが全然感じられなくていいなあと思いました。余裕、というか。もちろんあったのかもしれませんけどそれを見せないのすごいですよね。まあ、栗子ちゃんはあまり本音を言わないから(だからこそ最後のシーンでのあの一言には観客みんなであわあわというか、「そ、そういうことか・・・」してましたが)、演じる上では己の身を削る部分は少ないかもしません。でもだからこそ完璧である必要があると思うので、たぶん、私はやろうとすると苦手だろうなあというか。私は感情ダダ漏れタイプの人間ですので。笑 そう言った意味で尊敬ですね、自分にできないことできる人は尊敬です。
あと、あやさんの声私好きです。大事なことがスッと入ってくる感じがします。それゆえこの栗子役は最適なのかもしれませんね。人を欺すにはまず人に話を聞いてもらわねばならないので。
≪真崎慎一郎≫
いーなーこの役!ていうか「いーなー!」て思わせる役がある作品って、役者と脚本と演出がほどよくうまいことかけ合わさってる証拠なんだろうなと思ってます。
なまじっか自分だけでもこなせてしまう度胸と技術があるからこそ、肝心なところで人に頼り切ることができない。こういう男性はグッときてしまうんですよね(フィクションではの話ですけどね)。腹に一物抱えたままズル賢く立ち回るも、最終的にはのたうち回ることになる。最高ですよね。
あと、「お噂はかねがね」みたいなこと言われるシーン楽しいですよね。刑事モノでよく見るやつ。
衣装のTシャツすごいですよね!あれ似合うのもまたすごいな…。ハットもアクセントになってたし、ハットの扱いもお上手だったのでよかったですよね。立ち姿のシルエットがきれいでした。
【山中杏一】
TwitterとRadioTalkで宣伝もがんばってらして、気合い入ってるな~と思ってましたけど、そりゃこの役は気合い入りますって!いや、そうじゃなくてもなまやけさんは生真面目だし情熱ある方なのでがんばるんでしょうけども。こりゃあみんなに見てほしくなる役ですよね。個人的にはもっと絶望してるところも見たいですね。(※フィクションの中の話!!)
それから、ぜひ今後何かの機会で変身してほしいですね。見たいです。(ところで演劇男子の仮面ライダー好き率高くないですか?私の周りだけ?)
≪鈴木稔≫
こういう男性にもグッときてしまうんですよね~。
一番好きなシーンは「どうせお互い偽名だろう」って言うところ。着替え(それこそ変身ですよね)のシーンもいいですよね~。テンション上がるあるある。
演じる役の年齢が上がれば上がるほど、表現しなきゃいけないものが増えると私は思っていて、しなきゃいけないっていうか内側から漂ってくるものというか、それまでの長い人生がそこにあって、忘れてしまったことも多いけど、それでも嬉しかった・悲しかった・深く傷ついた・傷つけてしまったことなどいろいろあって、でもそういう古傷を多くは語らないしペラペラ語るべきでもないと思っているので、そうなるとそこのとこ苦労しますよね。でも楽しいですよね。
彼は捨ててしまったものや、やってしまったことへの後悔の念を引きずったまま生きている。躊躇するのに、獲物を見た途端興奮を抑えられない描写がよかったです。
一度汚してしまえば絶対に元に戻ることはできない。かき消そうとすればするほど水は濁っていく。
【金井孝介】
私の中では金さんが一番「お噂はかねがね!」でしたね、稽古日誌にたまに出てくる方、というイメージだったので(あこいたは女子のみでしたし)。まさに渋いっすね~!
今回はお役人に扮するためだったのでパリッとスーツでしたけど、もっとガッツリ燕尾服とかも似合うしあやしげなお店の黒服さんも、営業職の方も、靴の底すり減らして捜査する刑事さんも似合いますよね。胡散臭い役やってほしい。すいませんスーツの男性が好きなんです私。
≪磯部浅葱≫
鈴木稔(偽名ですけど)という男が一番望んでいるものをすべて把握した上での立ち振る舞いが最高によかったですよね。”浅葱”としての振る舞いはそれが、というかそれだけが目的なわけで。どう見せたら男が落ちるのかを知っている仕草、細やかでしたねぇ。お水のお姉さまのような。えっちおねいさん。
栗子と浅葱は本当に徹底して仕事してましたね。
衣装からも漂う結婚詐欺師してそうっぽさ。なんですかね。いい。いいよね。語彙力無くしました。
【笹森あき】
推しです。
たぶん普通に苦情が来てもおかしくないタイプのキモさが私から出ちゃってるのでちょっと申し訳ないなと思ってるんですけど、コロナ禍明けたら個人的にお話したいし一緒に吞みに行きたいです。
いやいや、弁明させてください。前作(あこいた)の愛論ちゃんがね〜よかったの!役が好きだったのもあるけど、役者さん自身のこだわりを感じたし「あー!生で見たかったなー!」って一番思わされた人だったんです。自分の魅力を知ってる人だなあって。自分の魅力を知ってる人は強いし上手だし見てて気持ちがいいんですよね。でも、底のほうに何か私と同じ波長を勝手に感じ取ってしまったのでさらに推しなんですけど・・・・・・文章にするとほんとに気持ちわりぃな自分。推しにはこうなりがちで本当申し訳ない。
しかも今製作中の作品は、あきちゃんイメージで書いてる役があります。まあ、台本の下書き書いた時点ではの話で、まだ台本半分しかできてないし、私かもう一人のメンバーのどちらかが演じるのでこれから変わっていくとは思うんですけど、スタートはあきちゃんでしたね。猫の役です。はい。
≪北輝奈子≫
きなこさんのスタイリッシュセクシーは私の正反対のところにあるのでそういう人見ると「ほあ〜」となります。(この後下北沢行って、ろんさんがあまりに美人だったんでフリーズしてた人間)
ため息ついた後の斜めの流し目睨みがいい。きなこさんもシルエットきれいでしたねぇ。
きなこさんもまただいぶ意味深なこと言う方でありつつ、自分の目的のためには手段を選ばないタイプですよね。いろいろ揉まれてきたんだろうなというか。きなこさんのこれからもちょっと心配ですよね。
【空木空】
いやあこいたのときと違うから〜〜!びっくりなのよ〜!でも前回も今回もどっちも「似合うなぁ」と思ったので不思議ですね。どちらも空さんの中にきちんと存在している要素なんでしょうね。人間の不思議。
≪西田充希≫
15億のくだり、流れとして割と強引な気がするんですけど、有無を言わせない感じがとってもよかったです。覚醒。あそこはその説得力ないといけないんですけど、みつきちゃんはまだそこまで狡猾さはないし口達者ではないので、言いくるめスキルの中でも話術や根回しは使えず、とにかく目ヂカラっていう。すごかったですね。
【西出一葉】
大きなおめめが素敵!ただ大きいだけじゃなくて目ヂカラがいいですよね。目ヂカラ強い人私好きです。何回言うのよ目の話。あとポニテ好きです。
いや目の演技って大変じゃないですか、セリフ覚えるより大変だと私は感じてます。センス問われるし。目にはその人の一番ほしいものや、感性や、それまでの人生が出るというか。お芝居やってる人は分かってもらえるんじゃないかなと思うんですけどどうでしょうか。
≪松尾穂香≫
トークでも言いましたけど、前半めっちゃ震えてるんですよ!えっ松尾さん可哀想みたいな。話しかけられるとまたビクッてなりますし。いやそこからの後半見事でしたよね。鮮やか、鮮やか。
カテコでおっしゃってましたけど、衣装もよかったですよね!ぴったりフィットなので「そういうの見つけてきたんだな~」と思ってたんですけど、まさかサイズダウンさせてたとは!私も衣装のスーツのお直しをこないだしたんですけど、ごまかしの効く一部分だけだったので、一度全部分解してっていうのは大変だし勇気いるよなあと。色味とか素材感も含めてほんと欺されちゃいましたよね~。
【純奈】
あこいたのときともまた違いますけど、またもや掴めそうで掴めない、全体を把握できそうでできない方でしたね末尾さんも。純奈さん自身がそう言う方なんでしょうかね。気になります。優しげなように思えますけどね。どうなんでしょうかね。まあそういう弱々しい感じの人がああいうこと急に言うからいいんですよね。でもこういうのって意外と自分では分からないことなので純奈さんご本人に聞くよりも周りの人に聞いたほうが「なるほどね~」ってなったりする気がしますけどね。
≪高橋≫
こういう男性もグッときてしまうんですよね~(なんにでもグッとくるオタク)
ペルソナがすぐ外れてしまうタイプですが、そこの変わり方が毎回丁寧なので観客側も分かりやすいですし、高橋さんと松尾さんの二人の場面は一番情景が濃く現れていたなあと思いました。演出の効果もあるかしれませんが、雰囲気をつくるのが上手なコンビでしたよね。ベタなキャラクターだとは思いますが、そのベタさを上手く表現するとお客さんたちが勝手にその役の向こうにそれぞれのイメージを乗せて見てくれるからよりキャラクターがハッキリしますよね。あと、「これはまずいぞ」と焦っている時や真崎さんが終盤しゃべっている間などに右手で右耳を押さえる(つねる?)仕草がすごい好きでした。爪を噛む行為などの代替なのか、あるいは「聞きたくない」という心情の表れなのか。いいですよね。
【新明雅巳(劇団青桜)】
自分のことかわいいって分かってる方ですよね?最高ですよね。役者さんはみんなそうあるべきなんだと思います。かわいくない人はいませんからね。人はみなかわいいもんじゃないですか。
おしまい
さて、ここまで読んでいただけた方が果たしてどれだけいらっしゃるのか分かりませんけども、長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございます。
このコロナ禍、観劇後にだれかと語り合うことができないのはさみしい限りです。ファミレスやコンビニおにぎりでヘンな時間に空腹を満たしながら、ああでもないこうでもないと言い合うまでが観劇なのに。
ぼっち参戦なら、ちょっとだけいいレストランに入って感想をぽちぽちむいむいしたためながらサーチしていいねしていくときのあの、冷め始めたパスタの味と演目の世界が混ざって口の中にいろんな味がしているあの瞬間が最高なのに。
はやくどうにかなってほしいですね。
「いやここはこうだろ!」とか「いやここは語るべき!」とかあったら何かコメントとかTwitterのリプとかでも遠慮無くどうぞ!
お分かりと思いますがこういうの話したり聞いたりするの大好き人間なので。
それから、ここまで読んでくださったということはたぶん、お芝居がわりと好きかつ今ちょっとお時間あるのでしょうから、もしよかったら自己紹介 お芝居のあれこれ編も、どうぞご覧ください。同じようにダラダラ書いてます。
そしてTEAM909、次回公演は8月だそうです!詳細は6月に出るそうです。
いいな~。今から楽しみですね。
トークでも言いましたが、やる気と勇気をもらえましたので私もがんばりますね!
楽しい時間をありがとうございました!
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