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偶然入った路地に恋するなんて最高の日だと私は思う

7月に入りました。

ようやく定まってきた自分のやりたいことや求めること。

深呼吸して、気を取り直して取り組む就職活動で

今日はある会社の2次面接だった。

リラックスした雰囲気で、自分でも満足のいく受け答えができたということもあり気分良く会社を後にした。

今日は時間もあるし、気分転換に神楽坂のUNPLANで作業をしようと駅に向かうその途中で思わず息が漏れるような「超ツボ」な建物を発見した。


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OMG.

Penangを歩いていた日を思い起こされる。重厚な石の土台に赤煉瓦の外壁、トップの窓は西洋文化らしく縦開けで上の半月のディテールがたまらない。

2階と3階の間にある重そうな屋根もまたかっこいい。


見た所今は使われていないようだけれど、「岩瀬博美商店」さんは何屋さんだったんだろうか...?


この建物が失われないことも祈るばかりだ。



ふとお隣のビルもなかなかイカしていることに気がつく。

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一階には小さなギャラリーがふたつ、展示を行なっていた。

先にSTAGE-1と書かれたギャラリーにお邪魔すると感じのいい女性が「暑い中ありがとうございます。」と迎え入れてくれた。

日本人の画家、芸術家の共同展示を行なっていた。中には彫画という紙を重ねて最後に切り抜くことで立体的な絵を作るアーティストの作品や、フェルトでできた巨大な龍が額縁から飛び出している作品などもあった。


在廊していた女性が「この辺でお仕事ですか?」と声をかけてくれたので就活中でたった今面接を終えたことを話すと驚いた顔で「まあ。」と。

彼女はニュースで見た学生の就職活動=「ブラックスーツ軍団」という印象があった為に私が真緑に白い花柄でサンダルつっかけた姿で

「たった今面接していたんです。」というのに大変驚いたようだった。

そんなこともあったので二人で「日本の就活の黒スーツ文化」についてや「近年の就活状況」「大手とベンチャー」など話を軽く交わした後に


「じゃあ、ここに是非描いていって。」

と隅に置かれた短冊ツリーを勧められた。


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これで改めて気がついたのだが、この誰でもが短冊に願いを描いて吊り下げるという文化って平和でコミュニティの中に生きている感じがしていいなあ...としみじみ。


人の願いというのは色々な形があるにせよその人たちが内に持っている「想い」であって、短冊に描くという行為と物があることで外に出すことになる。

さらに笹の木に下げるという行為がそれをパブリックにシェアすることに繋げるのだ。


言ってしまえば「紙切れ」「ひも」「木(ここではネットだけど)」があるだけで人は内に秘めた思いや願いを外に出すようになるんだ。


七夕というのはなんとも独特な文化である。

安直な私は深くは知らないが、そんな深く知らない文化に対して美しさを感じた。そして私のように深く知らない人たちがこの短冊に願いを描いて笹の木に下げるという文化を素直に楽しんでいる社会が今もあることを感じて、なんだか口角が上がってしまう。



願いが叶うかどうかなんて重要じゃない。

願いを描いてパブリックに、知らない人の願いの横に吊るすというこのシチュエーションが重要なのだ、この七夕の文化は。(私的に)


そんなことを考えながら自分の願いをつるさせてもらい
女性がオススメする真隣のギャラリーに入る。


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同じくとてもとても小さなその空間ではAXISマガジンの特別創刊号の展示をやっていた。


この本、なかなかに激アツな一冊であった。世界中のトップデザイナー(クリエイター)のインタビューがまとめられた物で、内容も物質的にもずしっと重たいゴージャスな一冊は1万円。


よし、就活終えたら自分へのご褒美に買うんだから。


中身を少し覗くと、インタビューの間に
「デザイナーの手」の写真を撮った特集ページがあった。


「いつの時代もデザイナーは頭で考え、手で描き、手で創る。なぜならそれがデザイナーの在るべき姿だからだ。」


デザイナーは職人である、と
何度も耳にしたことがあるし私自身もそう思う。

この特集はかなりかなりグッときた。

かっこいい〜〜〜〜〜。

そして、このギャラリーだがこれまた最高にかっこよかった。

写真を撮るのを遠慮してしまうような空間だったということもあり、写真はない。

ただ小さな白い空間の奥には古めかしい重厚な薬棚。

それをカウンターとして使っており、上には黒電話とスタッフさんのマックブック。


なんだろう。物だけで見たらミスマッチが起きそうな状況がもうもうやけにかっこよかった。またそのカウンターを照らしているレトロな傘型の照明がかなりにくい。

白く塗られたその壁は荒々しく剥がれ落ちた部分も多く、天井はパイプがむき出しな工場的なスタイル。


なんなんだ、このかっこよさは。
あまりにかっこよくて見とれてしまった。


このやけにクールなギャラリーは実は「MORIOKA SHOTEN」という書店屋さんで、定期的に一冊 or 特定の本を起き、展示と販売をしているのだという。


なんなんだ。


そのコンセプトすらかっこよすぎる。


すっかり惚れてしまった。

定期的に来てチェックしようっと。


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(あまりに惚れちゃったので下手な絵で忘れないように描き留めておいた)


表にあったこれまた小さな和食屋さんでお昼ご飯を食べることに。

若い板前さんが一人で回しているそのお店もまた居心地が良い。

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鮪の煮付け定食/1000yen

OMG.

これまた最高な物を見つけてしまった。非常に上品で丁寧に作られたのを感じる食事だった。ご飯が大変柔らか炊きだったことを除けばこれで税込1000yenというのも含め最高のランチだった。

道に面して水槽があり、大きなウツボや小魚越しに自転車や歩く人が通るのをぼーっと見ながら過ごす時間もやけに落ち着いた。


鏡をじっと見つめて動かない鯛。

せわしなく泳ぎ回る魚(なんの種類かわからない)。

ウツボに包まれて眠る黒いカサゴのような魚。


人間が歩く姿と食事する姿に挟まれて彼らは何を考えているんだろうなんて思っているとお兄さんが夜に向けて仕込みを始めたので挨拶して外に出る。

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さあ、神楽坂に向かおうと歩き出すとまたかっけえ建物を発見。

なんなんだ、このエリアは。

ひとり興奮してドキドキ。


「いいとこ見つけちゃった。」とまたひとつお気に入りのスポットを見つけてどうしようもなく嬉しくなった。

「就活も捨てたもんじゃねえやい。」


今まで来たことなかったし
普段用事があるとは思えない新富町駅ー宝町駅周辺のこのエリア。


偶然受けている会社がここにオフィスを構えており、今日は偶然家からバスで向かったので見つけたあの道。


こういう小さな楽しみ、幸せがあるとものすごく元気になれる。


さてさて、就活も終盤。

もうちょっと頑張ろうっと。


今日の面接が通ればまたここに来れるわけだしね。




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