黒沼英之
こんにちは。
まどろむくまお。です。
気まぐれ更新の予定なので、記事と記事の間の期間が短かったり長かったりしますが、いまはアドレナリンどばどばーっと出ている期間なので、波に乗っているうちにやってしまいましょう。
前回は気合いが入りすぎてだいぶお堅い文章になっていたのでここからはゆるくお届けします。(第二回目で急にペースダウン。)
第二回は、ピアノを弾くシンガーソングライターでイチオシの黒沼英之。通称、沼くん。
2013年初夏、未知数の才能を抱えた若き男性シンガーソングライターが『instant fantasy』でメジャーデビューを果たす。
その名は、黒沼英之。
そもそも黒沼英之とどうやって出会ったのか。
くまおがよくライブにお邪魔していたシンガーソングライターが東京におりまして。(くまおが音楽にのめり込んだきっかけになった人でもある)
「くまおが好きそうな歌うたいがいるんだけど、今度ツーマンライブやるからおいでよ」
とお誘いを頂き、ライブハウスに足を運んで出会ったのが黒沼英之。それが確か2012年くらい。人の出会いというのは案外単純なものです。
そこで初めて生の黒沼英之の歌声を聴いて、とんでもないヤツがいると衝撃を受けた。しかもその会場の楽器は通常のキーボードではなくグランドピアノ。破壊力がすごい。
柔らかく涼しげな歌声と、誰でも受け入れるようなポップセンスを感じる楽曲。幅広いバリエーションがありながら、歌が中心にあるポップスというところからブレはない。ナチュラルで繊細そうなビジュアルも含めて、多くの人の日々の風景に、すうっと溶け込んでいきそうな存在。
過去に図書館勤務をしていたくらい活字中毒な彼が綴る文字は、難解な展開ではなく、親しみやすく、心に溶け込んでいく言葉が多い。
高音やファルセットが魅力的だが、彼の人間性や感情が楽曲に滲み出ていると思う。そこに、ストリングス、ピアノ、ギターと、様々な楽器を従え、時にドラマティックに、時にアットホームに、カラフルに目の前を描いてみせる。十人十色な生活を包み込むような、柔軟性と包容力がある。
ライブのときも、全てのオーディエンスにしっかりと歌心を届けたいというような、真摯な姿勢が伝わってきた。
ライブ終了後に、少しお話をさせて頂く機会を頂き、色々なお話をさせて頂いた。
芯がしっかりしている。話をするときの空気は穏やかで、優しく、喩えてみるならば、たまに会う親戚のお兄ちゃん。
なお超絶人見知り。そう。とても人見知り。(その時は共通の知り合いが間にいたので仲良くなるまで時間はかからなかった。やったー)
とあるライブで遠目でみていたが、自分から話しかけることはなく、物販でお客さんがどうすればいいか分からずアタフタしてると一緒にアタフタしてる。どうしようという目でコッチを見てくる。いや、くまおに助けを求めるな。(後日談だが、物販にいたお客さんがくまおの名前を言っていたのでくまおの姿を探していたらしい。)そんなところも踏まえてもやはり親戚のお兄ちゃん感が拭えない。
ただ音楽として聴くだけでも楽しめるが、鳴らしている人柄を知れば知るほど面白いと改めて思った。
話が逸れた。本題に戻そう。
2013年にデビューし、渋谷で行ったワンマンライブも即ソールドアウト。全国のラジオ局のパワープレイに抜擢される。順風満帆であった。
しかし、2014年、突然の活動休止。
体調不良などではなく、元気だと言っていたが、詳細は明かされていない。
今後の活動については「これからどんな風に音楽と向き合っていくのかはまだ分かりませんが、命を込めて残した曲たちが消えることはないので、これからもそばに置いておいていただけたら嬉しいです」
そう言って、歌う姿を観ることができなくなった。
始まりがあればいつか終わりがくる。
永遠なんてどこにもないのは音楽も同じ。
ライブも始まれば終わるし、曲もかければ終わっちゃうし、生きていれば死んじゃうし、出会ったら別れる。
彼自身がずっと心の奥に悶々とした思いを抱えているのも知ってた。始まりがあれば終わりがくることを重々知ってる彼だからこそこの決断なのだろう。
寂しい気持ちはあったが絶望はしなかった。
ここからは余談になるが、2018年にとある大阪のライブハウスに知り合いのライブを見に行った。すると会場のBGMに黒沼英之が流れている。
活動休止して4年が過ぎた。まさか大阪で聴けると思ってなかった歌声が流れている。信じられないくらい嬉しくて、ライブハウスのPAさんに声をかけた。
「色々音楽を探していたら出会ったんです。ただ、僕が見つけたのが活動休止後だったので、出来ればライブをみてみたい」と。
活動休止しても命を込めて作った曲が消えることはない。そういった彼の言葉が具現化された瞬間だった。ちゃんと届いてる。まだ響いてる。
そして、2019年、黒沼英之が沖ちづるさんに楽曲提供していることがわかった。まだ音楽に携わっている。とても嬉しい。
表に出てこないとしても彼が大好きな音楽に携わっていることが知れただけで嬉しい。ただ、欲を言えばまたピアノを弾いて歌っている彼がみたい。あの優しい雰囲気で優しい笑顔で包んで欲しい。
いつかそんな日が来ると信じて、今日も黒沼英之を聴き続けている。