勝手に読後レビュー【ぎんなみ商店街の事件簿】 2冊で2800円の小説の価値
どうも、みことのは です。
早くも今年も11月ですね。
読書の秋・・・というのには何かしらの理由があるんでしょうか?過ごしやすい季節に読書というのは、気持ちが良いのかもしれません。
それくらい最近【読書への熱】が上昇し、本に手を伸ばす頻度もページをめくる速度も上がりました。
そんな中今回読了したのは話題の 違った視点で同じ事件を解決する2冊、【ぎんなみ商店街の事件簿】です。
タイトルは同じで絵柄の少し違う2冊の小説。
舞台は同じ商店街。そこで起きる3つの事件。
それを4兄弟が謎を解いていく【brother編】と
3姉妹が謎を解いていく【sister編】に分かれます。
どちらか1冊だけを読むのもよし、2冊読むのもよし、最初から交互に読んでいくのもよし。読み方は自由なミステリー小説です。
同じタイトルで2冊並んだこの小説、それだけで読みたくなりました。しかも、井上真偽先生の【アリアドネの声】も読了したところです。
あっという間に読了できた本作のレビュー。
あくまで個人的な感想だと最初にお伝えしないと気が引けるくらいに、今回は投稿するかどうかを迷いましたが、これが私の本音です。ちゃんと読んだ本音ですので、ご容赦いただければ幸いです。
一部ストーリーに触れることもありますが、なるべくネタバレしないように努めますので、ご理解くださいませ。
1、今年読んだ井上真偽先生の作品
前述した通り、2冊読みました。ドローンで要救助者を地上へ導くミステリー【アリアドネの声】。設定が秀逸!
密室で繰り広げられる連続殺人事件でもなければ、名探偵も出てこない。ドローンという題材で考えうるミステリーのワクワクを形にした、リアルなアドベンチャーゲームみたいな小説です。2日で読了しました!
そして今作、【ぎんなみ商店街の事件簿】。
事実は1つでも、得られる情報と各々の気持ちと角度によっては、真実はいくつも存在します。同じ舞台で起きる同じお話を、違った視点で進めることで違った結果?側面?が見えてくる。それをわざわざ別の小説として販売。こちらも設定が秀逸!そして読みやすい!
そうなんです。私が両方に感じたのは、【設定の秀逸さ】と【読みやすさ】。変わった設定は、読み手の心をくすぐってきます。ですが、正直それが全面に出てきて、面白いとまでは思えませんでした。
あくまで個人的な感想です。
私の求める感じとはちょっと違っただけだと思いますが。
2、本作の私の読み方
私は今作を、2冊同時に買いました。どうせならこの本の醍醐味をしっかり味わってやろう!的な想いで。
読み方は1冊1冊ではなく、1章ごとに交互に読みました。その方が同じお話を深掘りできて、熱もさめないと思って。
ですが、それ以前の問題でした。
本作は現代劇でドラマの脚本みたいな感じなので読みやすいのですが、例えば同じ事件でも登場人物と時系列と情報が違いますので、【あの情報は、このタイミングでは誰が知っていて・・・】など情報の相関図を脳内で作るのに非常に疲れます。
そしてたぶん、それを頭の中で整理しながら読まないといけないので、面白さという没頭まで心がたどり着けませんでした。
よく小説である、前の章を読み返す行為だけじゃ追いつかない、2冊に渡る情報整理。それが両方合わせて500ページ。
更に、続編も匂わせているのかふわっと謎を残したり、明言せずに【知りたければもう1冊の方も読んでね】的な書き方をしているように見えたり。読みやすいのに読んでいて疲れました。そういう感覚は初めてで、不思議で残念です。
3、率直な感想 もう読みません。
そして、率直な感想です。商店街で大小問わず起きる数々の事件。登場人物の詳細までは触れませんが、個人的に私はこの商店街、イヤです。【住みたくないなぁ・・・】と思いました。
特に、訳知り顔で自分の情報を小出しにしながら、その街に住む主人公たちを小馬鹿にした物言いをするおばさんキャラ。実際に近所にいたら嫌いなタイプです。リアルと言えばリアルなのでしょうか・・・。
BROTHER編・SISTAR編 両方とも、主人公は子供なんですが、読んでいる私は大人なんです。
子供を騙す大人
子供に嘘をつく大人
子供に情報を与えない大人
そのくせ、お前たちは子供だからまだわから無くて良いんだよ的なほくそ笑み。大人には大人の悩みがあると言わんばかりに自分を正当化し、悪い大人同士のやり取りに結果子供を巻き込んで、後出しジャンケンで【この街を、みんなを想っての事だったんだ】と言われても、素直に耳に入ってきません。
結局、【子供だから】とバカにしているんでしょうね。
子供と言えど人間。ちゃんといろいろと考えています。世代が違えば価値観も違います。大人の脳みそで子供視点で読ませてもらえたので、今作で大人の醜さやズルさがはっきり見えて学べました。そういう意味では良かったと思います。
フィクションの小説に出てくる【典型的な悪いやつの思考】とは違った気持ち悪さ。読みやすいだけじゃだめですね。
結論、何でもかんでも目新しさで手を伸ばすもんじゃないなと反省。読書の秋のせいにはしません。自分自身の趣味趣向(好き嫌い)に向き合えた小説でした。
その点は感謝。ありがとうございます。
ちょっと変わったレビューになりましたが、参考にして頂けるのであれば幸いです。
では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。