読後レビュー【法廷占拠】そうですか、この道を進むんですね・・・
どうも、みことのは です。
今回は、読書感想。大好きなミステリー小説。
最近はあんまり時間もゆっくり取れてなく、動画や他の趣味に走りがちなのですが、それでもミステリーは好きなので、暇を見つけては少しずつ読むようにしています。
ただ、【少しずつ読む】というのは難しいんですよねぇ。
だって、読むたびに「あれ?どんな話だったっけ?」というおさらいと復習にたっぷり時間を取られますので(汗)、そこがしんどい時は短編集に逃げたり? しちゃいます・・・。
そこを軌道修正。
ミステリー好きな自分に舞い戻る。
そのための要素は【没入感からの一気読み】できる作品、及び作家先生!
作品が一気読みできるかどうかなんて事は そう簡単にわかりませんので、どちらかと言うと【以前、没入して一気読みさせて頂いた先生の作品】に絞って選びました^^
読了したのは、講談社から呉 勝浩先生の【法定占拠 (爆弾2)】!
前作【爆弾】は没入感満載で、本当に途中から一気読みの感じで読み切った作品です!面白かった!ただし個人的にですが読後感が非常に悪く、感情の持っていきどころが2日ほどわからなくなりました・・・(T_T)
面白いのは保証できます!
が、あの感情をまた味わうのか と思うと、正直気も滅入ります。
【2作目はどうなんだろう?大丈夫かな?】
そう思いながらも手は伸びる。
不安を超えてまでも【読みたい!】と思わせる作品です。
今作も、なるべくネタバレの無いようにご紹介しようと思いますが、一部ストーリーや、どういう系統の作品かのご紹介をする事もありますので、その点はご容赦を。
1、世界観と概要
本作は、ミステリー小説【爆弾】を第1作とした、続編です。
【法定占拠】がタイトルであり、サブタイトルとして【爆弾2】と表記されています。
シリーズと言って良いのででしょうか、物語の軸となるのは2人。
いわゆる爆弾魔と呼ばれる犯罪者(テロリスト)である、通称【スズキタゴサク】と、相対する刑事の【類家】。
他にもたくさん主要人物は出てきますが、私の中での軸はこの2人ですね。
今作【法定占拠】では、スズキタゴサクの裁判中に起きる新たな事件。・・・ちなみに、「えっ?スズキタゴサクっていう犯人が捕まったの?それって前作のネタバレじゃないの?大丈夫?」と思われるかもしれませんが、そこはあらすじにも書かれている通り、実は本作品やシリーズにおいて あんまり大きなことではないんだと思います。
大切なのは心情。縛られているのか、解き放たれているのか。
読めば揺さぶられます。
読み手の立ち位置によって、いかようにも。
あんまり詳しく言えませんが、そういうお話です(汗)
2、前作読んでなくても読めますか?
結論から言えば【前作を読んでいなくても大丈夫、読めますし楽しめます】。
ただし、やっぱり前作を読んでいた方が、キャラクターに厚みが出ますよね。しかも、作者の呉先生は【爆弾魔スズキタゴサク】を明らかにシリーズ化させようとしているのが見えますので。
一般的な話ですが、やっぱりシリーズ作品は最初がいちばん面白い。それは間違いない。
今作は前作のキャラクター、世界観を踏襲しながら別の新たな事件とお話が進みます。なので単独でも読めますが、それに至った経緯や思いを慮るには、やはり前作が必要。
続編だけでも楽しめますが、他のシリーズ物よりも【前作を読んでおいた方が良い率が非常に高い】。そう捉えてもらえれば幸いです。
3、個人的な読後感の悪さとは?
物語は主に、テロリスト側と警察の駆け引き攻防で進みます。
会話、読み合い、騙し合いは一進一退ですが、どちらが先手を取るか?どちらが賢いか?そういう心理的な戦いを繰り広げます。
ただ前作同様、暴力表現は少しグロくて あんまり好きじゃありません。それも物語を解決に導く警察側が【ずっと後手ばかり踏まされる】のが原因で暴力を許すことになったりもします。
そういう【テロリストなどの悪役側が賢くて常に先手を取って笑ってる】流れが嫌で【早く解決させてくれー!】という想いから一気読みしているのかもしれませんねw
読後、【あれ?あそこで騙された事、あの場面で殴られた事に対して、読者の感情を修復させる回収作業は無いの?】と思わせる作品です。私にとっては前作も今作も。
もし皆さんが【電車に乗ろうと並んでいるのに、割り込みするマナーの悪さに怒りを感じるタイプ】であれば、私と同じ読後感の悪さを感じることになるでしょう。・・・たぶん。
4、結果、面白かったの?(感想)
それでも面白い!そう断言できますよ。
これも一つの解決のあり方。
勧善懲悪でなくとも、モヤモヤする箇所はあろうとも。
それが妙に現実的。そう思える作品です。
前述しましたが、この【爆弾魔スズキタゴサク】はきっとシリーズ化されると思います。なので、読後感は悪いですが、次回作もきっと読みます。
面白かったです^^
皆さんも、ご興味あればぜひ。
では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。