勝手に読後レビュー【明智恭介の奔走】 シリーズ化させるつもりですよねぇ?
どうも、みことのは です。
大好きなミステリー小説、次は短編集を避けようとしていたのですが、またまた短編集でした・・・(T_T)
今度から、ジャケ買いやめとこう(汗)w
本作【明智恭介の奔走】は、今村昌弘先生が描くクローズドサークルミステリーの傑作、【屍人荘の殺人】に登場する主要メンバー明智恭介(神紅大学 ミステリ愛好会 会長)を主人公に据えたミステリー小説です。
【屍人荘の殺人】は、私自身とても衝撃を受けた作品で、名作だと思っています!
特に中盤に入るまでは???と混乱のまま話が進み、理解が追い付かず、その作品の世界に違和感と疑問を持ちつつも、文字通り引きずり込まれたインパクトを今でも忘れずに覚えています。
その作中に登場する【明智恭介】のキャラクター像は、ある意味 予定調和だったりお決まりだったりしながらもスッと頭に入ってくるわかり易さが作品の邪魔をせず、反面ちゃんとミステリー小説の登場人物として際立っていました。
その【明智恭介】が満を持して登場!
しかも主人公!・・・正直、【シリーズ化するつもりなんだろうなぁ】と勘ぐってしまいますw
今作はその肩慣らしというか助走なのでしょうか、ミステリー短編集となっており、その1つ1つが【日常に潜む謎】に挑む形でお話は進んでいきます。
決して、どこか山奥の村で起きた事件が昔の伝説になぞらえて連続殺人に発展・・・なんてことは1mmも起きません。舞台は喫茶店だったり大学だったり家だったり・・・。
簡単に言うと【昨日飲み会で酔っ払いすぎて途中から記憶ないから覚えていない】なんて事を【謎】だと定義づけて真相究明しようとする明智恭介とゆかいな助手?のバディ。
そんな 潜んでもいないような日常系の謎を、謎でもない事ですら謎に仕立て上げた謎に向き合う様(さま)は、どこかクスっと笑えたりもする珍しいミステリー小説です。
きっとシリーズ化を目論んでいるんだろうなぁと私が邪推するに至ったのは、これまでのシリーズであんまり触れてこなかった神紅大学が舞台になったり、ミステリ愛好会ができた経緯まで描かれていますので、人物像や物語のバックボーンを分厚くするのは、今後に備えているからだろうなぁと思った次第です。
短編集ですので読みやすい代わりに重厚さとは真逆の位置づけでではありますし、日常系の謎を解いていますので、サスペンスやどんでん返し的な流れもどちらかと言えばありません。いわゆる王道のミステリーを求めていらっしゃる方からするとどこか消化不良に感じるかもしれませんが、気軽に読める面白さは持っています。
何より、第2弾・第3弾と続くでしょうw。
今村先生作品の入門編としては最適かも。そんな感想です。
ちなみに、関連作品のレビューもしています。
ご興味あれば、ぜひ。
では、また。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。