勝手に読後レビュー【作家刑事 毒島の嘲笑】〜孤高・飄々の主人公〜
どうも、みことのは です。
趣味に費やす時間、というより時間は限られているので、趣味を洗い出しして楽しむからには、しかり割り振らないとですね。
散歩したり、大人の遠足したり、ガンプラ最近作れていなかったりと、偏りも発生して、気がつけば【面白そうな本を買うけど、読まずに積む】状態になりかけていました・・・。
積み本に気づいて読書してます!みたいに言っていますが、実は現在直近読もうと思っている本だけでも、ビジネス2冊、小説3冊あります(汗)・・・二軍に控えているのはあと5冊。
前置きが長くなりましたが、そんな中でも喉が渇いたみたいな衝動的に本を読んだりもしました。今回ご紹介するのはそんな作品。【作家刑事 毒島の嘲笑】です。
できる限り今回もネタバレ無しでレビューしようと思っていますが、ストーリーに触れるかもしれませんので、その点はご容赦ください。
1、作品(シリーズ)のおおまかな流れ
幻冬舎さんから出版された、中山七里先生の【作家刑事 毒島
真理】シリーズの第3弾です。
実は私は、今作で初めて読みました。
毎作品、敵がいるみたいですが、今回はVSテロリスト。
作家を兼業しながら、警察の指導員をしている毒島真理が、みんなに嫌われ、誰にも忖度せず、1人計算高く気ままに笑顔で性格悪く(笑)事件を解決していくお話。それが結構クセになります(笑)
読んでいて思ったのは、実際にあるような事件を、わかりやすくもじって題材にしているので、そういう意味でも少しヒヤヒヤしながら読みました。ただ、イメージしやすいのは読む上では良いですね。
本作は、5つの短編からなるお話ですが、全部繋がっています。
どれも、どこかで聞いたことありそうな事件。各章で事件はそれぞれ解決していきますが、それら1つ1つが少しずつ、どんどん繋がっていきます。
2、毒島という男から学ぶ事(印象的なセリフたち)
いつもは個人的な没入ポイントをご紹介していましたが、今回はそれよりも強烈な【毒島真理】なるキャラクターから学びが多かったので、印象的なセリフとともにご紹介したいと思います。
①印象的なセリフたち その1
何が猥褻で何が猥褻でないかを決められるのは、男でも女でもない。刑法第175条わいせつ物領布等の罪に抵触するか否かの裁判だけ。
みんな、いろんなしがらみや想いを付加させて、何かを語ったり自己主張したりしますが、毒島さんのこの言葉は、そういった事を全部削ぎ落とした真理かもしれませんね。
②印象的なセリフたち その2
好き嫌いは主観的なものだから、他人に押し付けるために大義名分をくっつける。
これは深いなぁと感じました。よくSNSでも賛否両論で炎上したりもしていますが、好きだから、嫌いだからという意見の中、【地球のことを考えたら】とか【倫理観】とか【多数決】とか、大義名分をくっつけることで、自分の意見を正当化して他人に押し付けようとする人いますよね。
その醜さを一言で表してくれました!
③印象的なセリフたち その3
頭が切れて行動力もある。しかし上司になびかないし、自分より能力の劣る管理職を公然と揶揄する。そんな部下を持ちたいと思うものか。
これー!素敵!毒島真理さんは作中で非常に周りから嫌われています。その理由がこれなんですが、今の時代もうこんな理由なら、嫌われたって良いじゃないですか!
この一文を読んで、会社への帰属意識がどんどん減っていく事を正当化された感じがしました。
別に人間関係にこだわりもせず、不要なプライドもないから勝ち負けももない。【逮捕】や【裁判】で犯人を裁くことにもこだわらない。
言葉を選ばずに言えば、【世間に晒して、世間が裁く】という脅しも視野に入れてしまう。ちょっと引きますが、完全犯罪を目論んだ犯人がいたとしても、毒島は刑事として絶対に許さない矜持だけを持ち合わせいるのだろうと解釈しました。
振り返ってシリーズ1、2作を読んでみようと思います。そんな面白い作品でした!ご興味あれば是非。
では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。