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勝手に読後レビュー【キスに煙】 先生、この作品の舞台は氷上だったのでしょうか?

どうも、みことのは です。
大好きな織守きょうや先生の新作。

文藝春秋 出版 【キスに煙】


大好きと言っても、本当に好きなのは【花束は毒】という作品で、その他の作品も読みましたしnoteで読後レビューも書きましたが、ラストシーンが生々しく自分の目の前の情景として浮かび上がってくる。そんな恐怖にはまだ出会っていません。

今作は帯に【花束は毒の衝撃ふたたび】と書かれていました。

【騙されてはいけない!】と思いながらも、期待しちゃうじゃないですか(汗)そして手に取り読んでしまう。

そもそも織守先生の作品は読みやすいので、作品にスルスルと入っていけます。没入するまでの滑り台に努力が不要なんです。

悪い噂
秘めた恋
才能と限界
その選択、致命的

最初に言っておきます。今回の帯コメントは【嘘じゃないけど大げさ】。

そう思うに至った私なりの感想を、なるべくネタバレせずにお伝えできればと思いますが、ストーリーに触れることもありますので、その点はご容赦を。


1、舞台、あらすじ、登場人物


今作の舞台は氷上の世界。いわゆるフィギュアスケートの業界の中で起こるお話。幕間があって全4部構成でお話が進みます。

主な登場人物は3人の男性。

塩澤:独特な自分だけの世界観を持っている 元トップクラスの競技者。ある時、自分自身に限界を感じて競技を引退。デザイナーへの道へ進む。

志藤:現役で最高峰の競技者。王者という二つ名がふさわしい振る舞いと競技の滑りを持ち合わせた塩澤の親友であり元ライバル。

ミラー:塩澤や志藤がフィギュアスケーターとして名を馳せ始めた頃には既に現役ベテラン選手だった。現在は引退し、日本でコーチをしている。

軸となる語り部はおらず、最初は塩澤、2部で志藤、3部が塩澤、4部がミラー視点で描かれます。

物語は、ある人物の不審な転落死という事実からミステリー展開へ急ハンドルを切るかと思いきや、すぐさまそっちに行くわけではありません。

私の個人的な感想ですが、
これはミステリーではなく群像劇のようなもの。

愛とか恋とか嫉妬とかだけじゃなく、【自分だけのエゴ】と世界をどう折り合いつけて生きていくか?そういうお話だと思いました。


2、感想と疑問


率直な感想を言えば、【面白かった】です。
ですがリアルな世界は単調で、それでいて生々しく繰り広げられます。

もしかすると、その生々しさが【花束は毒 の衝撃ふたたび】なのかも知れませんが、そんなの求めていなかったので食傷気味になりました。

そんな織守先生に疑問が。


【この作品、フィギュアスケート業界じゃないといけませんか?】

お相撲さんの世界じゃ駄目ですか?
野球界じゃイメージしにくいですか?

・・・何だか、偏見とまではいきませんが、ちょっと個人的にモヤモヤしました。【何が?何の話?】と思われる方もいらっしゃるでしょう。そういう方は是非、本作品を読んでみてください^^

これ以上はあんまり言えないので(汗)

良くも悪くも読了後に【思うところのある】作品は、良い作品だと個人的には思います。ご興味あれば是非ご一読を。

では、また。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。








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