勝手に読後レビュー【悲鳴だけ聞こえない】 〜ミステリーと言うより法律の勉強です〜
どうも、みことのは です。
ミステリー小説を読むのが好きで、いろんな先生の作品を読んでいますが、織守きょうや先生もその一人です。
特に【花束は毒】が本当に秀逸で、そこから他の書籍も読んでみたい!と思うようになりました。
そこで購入したのが、ハードカバー新作【悲鳴だけ聞こえない】!
・・・なんですが、毛色がぜんぜん違うし、リーガルミステリーでシリーズ物の第3弾を最初に買ってしまったので、第1作めから読み始めました。
ようやく最新作。今回は、そのレビューをさせていただきたいと思います。
なるべくネタバレ無く進めようと思いますが、ストーリーに触れることもありますので、その点は予めご了承下さい。
特に今回は、各短編で何を題材にしているかを書いていますので、実際に読む際のヒントになります。ご注意くださいね。
1、リーガルミステリー シリーズものの流れ
第1作、第2作も読ませて頂きました。これまでシリーズものは、いろんな先生の作品をいくつか読ませて頂いていますが、通常【最初が面白くて、徐々にネタ切れ?で面白くなくなる】と思っていました。
が、今回のシリーズは、最新作【悲鳴だけ聞こえない】が一番面白かったです。主人公は弁護士である木村さんと先輩の高塚さん(名探偵ポジション?)です。これぞ、【リーガルミステリー】というど真ん中を、殺人事件にこだわること無く、読ませてくれます。
ひとつひとつの物語は短編なのですが、正義感あふれる弁護士の先生が苦悩しつつ騙されかけつつ解決してく人間模様と人間関係。
第3作ともなると読み易さまで向上して面白い!
あんまりシリーズもの特有の【これまでの経緯】も関係ないので、この最新作から読んでも良いかもしれませんね。
2、各章の感想と、法律の学び
では、ここからは各短編の簡単な感想と、どんな事を学んだかを書きたいと思います。
・悲鳴だけ聞こえない
この章で学べるのはパワハラ、いわゆるハラスメントです。
ミステリーなので、謎を通して【ハラスメント】の難しさを教えてくれます。
・河部秀幸は存在しない
第2章は、詐欺と名刺。日本人って名刺渡すの好きですもんね。それを突かれて騙されないようにしたいですね。
・無意味な遺言状
遺言のあり方と人間関係。
既に経験している方もそうでない方もいらっしゃるかと思いますが、例え仲の良い親族であったとしても、お金が絡めば100%揉めます!
遺言とは?それを考えさせられるお話です。
・依頼人の利益
この章は、自己破産のお話。かなりリアルに、人間の業について書かれています。自己破産するけど、自分の生活レベルは落としたくない。そんなワガママを口にしてしまう生々しいお話です。
何がミステリー?タイトルが意味するものが、読むうちにコロコロ変わります。それを楽しんでみて下さい。
・上代礼司は鈴の音を胸に抱く
最終章も遺産と遺言の話ですが、ちょっと違います。
どちらかといえば、ミステリー寄りの話です。
この作品を通じて、たくさん学ばせて頂きました。
個人的な感想としては、ミステリーというより、法律の抜け目を学ぶというより、【自分のために法律を必要最低限学び、活かす】事が大切だと感じました。
皆さんもご興味あれば是非。
特に、身近な法を学ぶにはうってつけだと思います。
では、また。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。