台南生活 #0
夜2時の中目黒。短パンはまだ早かった。
無謀とも言えるオール越しのフライト。
〜
時は待ってくれやしないし、大学生の僕もそれを受け入れながら今日も講義に出る。
僕たちは新しい生活に順応しようとするが、電車は未だに休みムードから抜け出せていない。困っちゃうよ
パッキングを終えた僕は、空港行きのバスに乗るには始発でなくてはダメで、逃すとオワリということを知る。
え、やばい。
急いで目黒の友達に泊まれるか確認する。
…ダメだった…。
残る選択はバス乗り場付近のスタバやファミレスで朝まで耐える選択のみだった。
旅への淡い期待とは裏腹に無駄で無意味な戦いを予期した。
実を言うと、バス乗り場周辺は大学と近く、試験期間や家に帰りたくない時よくオールをしていた。
だったら何か違うことと思い渋谷から歩くことにした。
短パンは早いとは言ったものの、春だ。
夜風が気持ち良い。
ぼんやりと照らされた目黒川と、昼とは違う顔見せる代官山。
あいにく桜は散り、水面を漂っていたが、これもこれで風情がある。
夜にこうして歩いていると大阪→京都まで70キロ歩いたのを思い出す。
散歩は、歩く事を目的化した瞬間、しんどくなる。 歩くと言う基本動作で、しかも二十歳にもなって泣くとは思わなかった。
あ、鴨が鳴いた。
彼もまた一人で夜食を求めて川を遡っていった。
夜はまだ長い。
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