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「2023.9.29.fri エデン特急/GREAT3 ライブを観て」
昨日の9月最後の金曜日。
週末の渋谷はかなりの人手でごった返してた。
ギャル、外人、アイドル崩れ、外人、外人、外人。
アジア系やらヨーロッパ系やらの外人がやたらと多い感じ。
渋谷もコロナ渦を経て、かなり風景も変わりつつあるみたいだ。
そんな中、奇跡みたいなショからーがひっそりと熱く静かに繰り広げられた。
GREAT 3という90年代から2000年代初期に活躍した稀有なバンドのショーだ。
会場は、ビーツ渋谷というキャパ600人位の中堅レベルのライブハウス。
そこに、年齢高めの老若男女か集まって会場はパンパン。
皆、「あの頃の青春」を取り戻す為に目をキラキラさせていた。
ライブのスタート時間は19時30分という遅めな時間帯。
確実に大人をターゲットにしているのが解る。
しかし、こんなにもこのある意味「時代から忘れ去られた様なバンド」に対して期待感を込めて沢山の人びとが集まる現実に、集まってきた一人としてもなんだか不思議な感じがした。
作品リリースもない、ライブもほとんどない、でも解散発表はしていない現役未満のバンドにだ。
僕自身もうまく言えないのだけれど、このバンドを頭の片隅から消去する事が出来ない位「好き」という気持ち一つで、昔から多大なる影響を受けてきたバンドが「ライブ久しぶりにやるけど都合良ければ来て」と言われれば当然「行くよ」となるのは必然なんである。極めて理由はそんなもんなんである。
時間ジャスト。
ふらっと、まるでいつもの日常の様にメンバーが出てきた。
そして、「崖」という静かな曲をいつもの様にさらっとした感じでライブがスタートした。
GREAT 3というバンドの世界は、やはり「夏前の6月」や「夏の終わりの9月」「乾いた夏」みたいなイメージがある。
ネガティブでともすれば、呪いの様な言葉を紡ぐ片寄氏の歌詞を爽やかにそして静かに熱くオールディーズロック、ジャズ、AOR、ポップス、サイケ、パンクと縦横無尽に音楽の世界を旅する。
ミクスチャーと呼ばれる音楽は、本来は彼らに当てはまる音楽なんじゃないかと思う。
今回のライブは曲の大体のイメージ的にシングル曲や活動の中期の一番脂ののってる時期の楽曲が選ばれてる気がした。
久しぶりに向き合うGREAT 3の音楽は、非常に心地良く、何故今最前線で活躍してないんだろう?とすら思ってしまうくらい、かなり時代に必要な音楽なんじゃないかと思った。
それ故に沢山の今の音楽好きには聴いてもらいたい反面、知られたくないなぁの裏腹の思いが強くある。密かな自分だけの楽しみ、みたいな独占したくなっちゃう愛おしさがある。
本編最後に名曲「スターツアーズ」が流れた瞬間、終わらない夏の終わりを願わずにはいられなかった。
本音としては、また活動を、活発化して欲しい、俗言えば、新曲、アルバム、ツアーとやってもらいたいのは山々だが、贅沢言わないから、年に3回位は定期的にライブをしてもらいたいなあ。
必ず行ける時は参加するから。
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