見出し画像

徒然なるままに、タロット 〜吊るし人〜

さてさて。
予告通り、記念すべき第一回目のカードは、十二番目の「吊るし人」です。


まず、占いでこのカードが出ると、わけもなくオロオロしてしまいます。オロオロというか、ジタバタというか、、。
身動きの取れない状態が苦しくて、つい手足を動かしたくなるんでしょうね。溺れた時に、必死で泳ごうとするのと同じです。
でも、当たり前ですが、動けば動くほど身体は沈むし、苦しみは増します。
むしろ、諦めて身体の力を抜き、流れに身を任せることで窮地を乗り越えられるはずで、このカードは、まさにそんな状態を示しています。
これと似たようなカードに小アルカナの剣の6がありますが、やはり「非なるもの」と言えるでしょう。

なにせ「吊るし人」が出たら、なにも考えずに流されていても意味はないから。
たとえなんとか岸にたどり着けても、そこは以前と同じ岸辺で、問題はなにも片付いていないんです。
元の木阿弥。
つまり、このカードが出てきた時、占いの当事者が目指すべきは、向こう岸か、いっそのこと別天地であるべきなんです。
にっちもさっちもいかない時だからこそ、動かずに自分としっかり向き合い、それまでのやり方を見直したり、ものの見方を変えたりして、新たなステージへと登っていく。
いわゆる人生のターニングポイントを迎えている人に出やすいカードなんですね。
かく言う私も、この二、三年、ずっと付きまとわれていて、見るたびにジタバタして「オエッ」てなっていました。

でもなあ、、。
こうして向き合ってみると、たしかに自己犠牲のカードでもありますが、どちらかというと、カード自身が身を削って私たちになにかを与えようとしている感じがしないでもない。
実は健気、、?

「自分が変われば、世界が変わる」

昨今流行りのフレーズで、すでに使い古された感がなきにしもあらずですが、それでもなかなか核心をついた言葉だと思っていて、「吊るし人」は、まさにそんな幸せになるための変革をうながすカードなのだと考えれば、なんか親しみもわいてきます。

よし、だいぶ好きになってきたぞ。
とはいえ、見た目が苦しそうだから、ふいに出てきた時はやっぱりジタバタしてしまいそう、、。

ちなみに、上の写真は左から「ヴィスコンティ版」「マルセイユ版」「ウェイト版」と呼ばれる絵柄なんですが、「ヴィスコンティ版」と「マルセイユ版」は吊るされているのが二本柱なのに対し、「ウェイト版」は一本です。
これは、伝統的に処刑場で罪人として吊るされた男を描いていたものを、A.E.ウェイトが今でいう「スピ的」解釈を施した際(あくまでも解釈をしただけで、デザインを任されたのはパメラ・コールマン・スミスという女性)、生命の樹を連想させるタウ十字にしたということらしいです。
つまり、スピリチャル的次元上昇がテーマとなっているということでしょう。

きゃー。やっぱりタロットって奥が深い。

こんな感じで、次は「女教皇」様でも扱ってみましょうか。
あるいは、できれば出てきて欲しくない「悪魔」くんか。

あ、でもその前に、せっかくだし、「吊るし人」をテーマにショートショートを書いてみるのも悪くないかも。
てか、書けるのか?

そんなことをワクワク考えつつ、次回を楽しみに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?