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月とコーヒーに誘われました
「月とコーヒー」というタイトルに惹かれ、つい買ってしまったこの小説
著者は「吉田篤弘」
外観からはどんな小説か分からない殺伐とした感じも興味を唆られる
24の短編集が詰まったこの作品
タイトルの名前にあるコーヒーが、全部の作品の中に出てくるんですが
そのストーリーによって、コーヒーの印象も変わってくる
「朝のコーヒー・リラックスの為のコーヒー・家の中のコーヒー」
飲み物であったり、家の中の描写であったりと作品によってコーヒーの出方は様々。
24の話があるこの小説。1話で終わるものもあれば、話の続きがある作品もあるのですが、
一番好きな話が「青いインク」
青のインクを作る青年と文具店の若い女性の話
彼はたった一人でコバルトブルーと言われる「青いインク」を作っている、そのインクが使われるのは「万年筆」だ
しかし、彼は青のインクがどう世間に思われているのか?必要とされているのか?
そんな中、母から来た手紙はボールペン字の手紙
ひどく、ぐったりしていた
文具店の女性店員は世界中から集められたインクを取り扱っていて、あるゆるインクを熟知している
その中でも、なめらかで深みのあるこの「青いインク」を使っている
どんな気持ちでこのインクを作っているのか?知りたくなり生産者の所に行くのである
どの短編物語も長すぎず、程よい文量なので寝る前に読むには丁度いい
続きがあるのか?っと思わせるような終わり方が読者を引き込みます
あとがきにある話があります
この星で生きていく為に必要なのは「太陽とパン」だけど
「この世から月とコーヒーが無くなれば味気くつまらない」
という文面です
必要では無いかもしれない、けど日常を繰り返していくためになくてはならないものが人それぞれあると思います
この小説はそんな作品です
と著書・吉田篤弘さんは言われてます
何回読んでも飽きないこの小説、コーヒー片手に読んでみてください(*・・*)
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