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#短編小説

深夜の駅前にいた、帰宅困難者。

深夜の駅前にいた、帰宅困難者。

「あなた、この光をみて何を思うの?
わたしはね、ご飯のことばかり。」

そう話すのは30代の女性でした。小さな子どもがいるのかなとおもうような顔つきをしてして、染めていない髪を1つに縛っています。

黒いジャンパーコートのような大きな上着とジーンズ、その足元には、、、うーん、長いこと使い込んだとみられる、元の色がわからないスニーカー。

薬指の指輪に、すっぴんは童顔で、黒目がちの目だけを見れ

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その落し物はもう拾わない。

その落し物はもう拾わない。

どの文章も書き終わらなくて困っている。
分岐が次々と生まれ、あちらこちらに向かう電車は増え続け、いつのまにかどこかへ去ってしまう。乗りかけた乗客を置き去りに。
そんなこんなで、いくつもの下書きが眠ったまま、鍵のかかったロッカーで借り主を待っている。

どこで鍵を落としたのだろう。ポケットを叩いてもビスケットひとつ出てこない。いつのまにか列車とホームの隙間に、落としたのかもしれない。

この動かない

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