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アメリカで気づいた日本の凄いとこ:狭い国土に多くの人を抱える都市づくり

米国在住スミさんが、東京の友人コイさんと、毎週Facetimeで色んな話題をトークします(第36回)。
あと一か月で帰国のスミさん、今回はアメリカ滞在中にスミさんが撮影した大自然写真たっぷりでお届けします。

1.アメリカ雄大、でも探検し甲斐があるのは日本

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(…Facetimeの呼び出し音)

ーやっほー。調子はどうですか。

こんにちは。
日本への帰国に向けて、家具の引き渡しをしました。部屋がすっきり!

ー四月末までアメリカにいるのに、もう引き渡したの?

最低限のモノはあるんですけどね。
あとは最後旅行に出かけます、今日一日行き先検討してた。

ーおー、どこへ?

2回目のボストン!
前回は秋、紅葉の季節だったから、今度は新緑の季節に行こうと思って。

ーいいねえ。あれ、モンタナ州の大自然再訪はやめたの?笑

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(写真はモンタナ州グレイシャー国立公園)

免許が切れちゃったので…

ーたしかに。アメリカの大自然はすごいけど、公共交通機関で行ける範囲での大自然は難しいな笑

今回、真剣に旅行先を考えてみたんですけど、ひとつ発見がありまして。

ーほう。

アメリカって広くて、自分にとって未知の雄大なエリアを縦横無尽に車で突撃する楽しみはある。
でも雄大過ぎて、一度行くとその広大なエリアまるごと基本的に制覇した感じになる。

ー確かにグランドキャニオンやブライスキャニオンも、すごいけど一度いったら広い大地を見渡せるから、冒険心は満足するかもしれないな。
開拓好きなスミさんとしてはそれ以上追求しようという気がなくなるかもしれないね。

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(写真はブライスキャニオン国立公園)

そうなんですよ。悪く言えば、同じものが延々と広がっているというか…まあそれが価値でもあるんですけどね。笑
一方、日本って圧倒的に小さい島国だけど、探検しがいがある。

ーそもそも国土の中が高度な山や森に分断されてて、分け入りづらいよね。

そうそう。
たとえば秋田の山岳地帯とか、島根の西部とか、北海道の東部とか、東京からアクセスするの複雑な工程がいりますし。探検しがいがある。

ー日本人でも、首都圏に住んでたらなかなか訪れない。
アメリカだったら、300キロか400キロか、ただひたすら平坦な道を運転すれば到着するけど、日本にはそこに辿り着くまでのロマンがあるかもね。笑

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(写真はユタ州island in the sky)

2.土地柄から出るお国柄

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これに関連して、アメリカに来て全米をまわってみて気づいたんですけど。日本人の器用さって国土から来てる気がする。

ーほう。

こっち来るまで、「日本人は器用」「丁寧」「凝り性」とか都市伝説だと思ってたんですけどね。
そうなる要素はこの住んでる土地環境によって十分生まれうるな、と。

ーどういうこと?

日本はこの狭い国土の中に、何千万人も1憶人の人口が住んでますよね。
狭い土地の中に、人が健康に住める居住地域を確保するっていう、街づくりの賜物だと思うんです。ある意味奇跡ですよ!

ーそうだね。
歴史的にも、ロンドンやパリは急激な人口増加に耐えられなくて、疫病や環境問題みたいな都市問題が発生してたわけだからなあ。

でしょう。日本は特に江戸時代以降、首都圏のまちづくりをうまくやったと思うんです。
その過程で当然、狭い中にたくさんの人間を住まわせるために、こちょこちょいろんな工夫をする。
凝る方に行くってわけですよ。

ーそれはそうだなあ。
アメリカ人はとりあえず細かいことは置いておいて全体のアーキテクチャを組み上げるってのが得意って感じるよね。

そうそう。白いキャンバスに、まず全体像から描いて行けるかんじ。
日本だと既に何かあるものをベースに、それをなんとか工夫して寄せたり整理したり細かい調整をして作りこんでいくイメージ。

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(写真はワシントン州Winthrop)

ー日本を出て一度アメリカに住んでみると、こういうステレオタイプのお国柄のイメージって案外、けっこう的を得てるってわかるよね。
どっちにも良しあしがある。

3.時代と特技にマッチした日本国の成長戦略

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そうそう。
だから、最近よくIT産業や政策でも「アーキテクチャが大事!」って叫ばれてるけど、本質的に日本人は苦手なんじゃないかと。笑

ー笑。

国の成長戦略としても、自分が得意なことで頑張るストラテジーの方が、無理なく楽しくしかも効果的に、進められるかな、と思うんですよ。

ー日本の特技に加えて、時代にあった、ってことも大事だよね。

時代に?

ー前も少しスミさんと話したけど、アメリカや中国のように経済や産業システムで世界の覇権を狙うっていうマッチョなやり方が、今まではメジャーだった。

そうですね。

ーでも日本の人口動態や世界の他の国々の台頭を見れば、方針転換の時に来てるのかもしれない。

ああ~、この話ね!

ー70-80年代の「Japan as No.1」時代の成功体験があるから、「中国やアメリカのプラットフォーマーやテックジャイアントとどう対抗していくか?」っていう発想に、どうしてもなってしまう。
でもそれを変えて、これからの国際経済で存在感を示し続ける別の方法を考えないといけないかもしれない。

なるほど。
「新しいアーキテクチャを描く」ってことは得意な人達に任せて、日本は日本の得意な道で頑張るってのも意外とありかもしれないですね。

ーそうだね。

サプライチェーン全体の中でいえば部品産業とか、日本ならではのウェルネスや美容産業とかかなあ。

ーとかね。
自分のキャラと得意を活かした戦略。

なるほど。
私のアメリカ最終旅行の話から、成長戦略まで話が飛んでしまった。笑

ーまあ、最後の旅行楽しんでください。気を付けて!

ありがとうございます。
ではでは、また!

(…Facetimeを切る)

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(写真は順に:ワシントン州スクイム、ノースカスケード国立公園、カリフォルニア州インヨ)

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スミさんとコイさんのFacetime
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!嬉しいです☺︎