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乾電池寿命の比較

マイコンを乾電池で動作させる場合に気になる点は電池寿命です。単3乾電池で動作する回路を単2乾電池に変えた場合にどのくらい動作時間が伸びるのか?そのための基本データとして単6から単1乾電池の電池寿命の測定を行いました。 電池は安価に入手可能なMonotaroのアルカリ乾電池を使いました。ちなみに単6はJIS規格ではないらしいですが、スタイラスペンで使われることが多いようです。 リチウムイオン電池は電池容量の記述がありますが、乾電池には記載がありません。これは取り出す電流の大きさ

    • PICでprintf()を使う

      PICのコードの動作確認のためにコード中にprintfを書いてパソコンの通信ソフトウェアでその内容を受信する方法です。ArduinoではSerialPortの設定をしてArduino IDEのターミナルで簡単にできます。とても便利なのでPICでも同じことがやりたかっただけです。その手順の忘備録。 環境 パソコンはmacOSを使ってます。macOS sonoma 14.5、MacBook Pro 14(2021) MPLAB X IDEはver 6.2。 MCC Conte

      • PICを使ったLチカ

        PICとは? PICはMicrochipのマイコンの総称です。マイコンでメジャーなのはArduinoですがPICも同様な使い方でできるデバイスです。パソコンでコードを書いてコンパイルしマイコンに書き込み実行できます。Arduinoの場合はArduino IDEという優れた開発環境がありますがPICの場合はそこまで使いやすい開発環境はありません。MPLAB X IDEという開発環境を使うことになります。 開発の簡単さはArduinoが上です。PICのメリットとしては小型、安

        • ステッピングモータのストール検出

          ステッピングモータは指定したパルス数だけ回転するモータです。通常は指定した角度だけ回転して正確な位置決めに使えます。しかしストール(脱調)すると位置がずれてしまい位置合わせに問題が生じます。 またストール時には不快な音が発生します。それを防ぐためにもストール検出を行い対策をしたいところです。 ステッピングモータドライバDRV8434A ステッピングモータのストール検出にはロータリーエンコーダを使い回転角度をチェックする方法があります。しかしその場合には部品点数が増えます。

          POMフィラメントの出力

          POMはポリアセタール、ジュラコンと様々な呼び名があるエンプラ材料の1つです。歯車や軸受に使われるスベスベした表面が特徴の材料です。自己潤滑性材料と呼ばれる物です。板状や丸棒の材料が広く出回っています。滑りが必要とされる部品に使いたい部材です。欠点(利点?)として接着剤が着きにくいという事があります。 POMフィラメントの購入 3Dプリンタ用のフィラメントもAmazonなどで購入できます。 現時点(2023.3.14)で以下のような商品があります。LepPlasと最後のフ

          POMフィラメントの出力

          エンプラ対応3Dプリンタの作り方

          エンプラ(エンジニアプラスチック)は耐熱性、強度などPLAやABSよりも優れた材料です。それらのフィラメントも購入可能です。しかしそれを出力するための3Dプリンタは業務用になり高価です。そこでDIYで改造してエンプラを出力できるプリンタを作る紹介です。 POM今回は特にPOM出力を目的にします。POM(ポム)はジュラコン、デュラコン、ポリアセタールと様々な呼び方がある材料です。自己潤滑性があり歯車やカム、軸受などに使われます。すべすべしてるので摩擦が生じる場所に適しています

          エンプラ対応3Dプリンタの作り方

          Voron 0.1組み立て記録

          なぜVoron普段はZortrax M200とM200Plusを使っています。ABSの出力ではこの2台で全く問題ありません。ただZortraxは専用フィラメントの使用を前提としており他社のフィラメントや変わった出力方法を試したい時には不向きです。そこでGコードで動作する3Dプリンタが欲しくなりました。チャンバーを加熱したいのでエンクロージャがついててお手軽な価格、ということでVoron 0.1に決めました。他に候補に上がったのはKP3Sの改造版ですが、Voronの方がマニュア

          Voron 0.1組み立て記録

          モータを角度を決めて回す

          ステッピングモータの制御ステッピングモータは角度を指定して回転させることが出来るモータです。角度の精度が良いので機械制御などに使われているモータです。このモータを回すためにはモータドライバを使う必要があります。 モータドライバに指令を送るマイコン+モータドライバという構成でモータを回します。 ステッピングモータは秋月電子やオリエンタルモータで扱っています。ステッピングモータは2相タイプ、5相タイプがあります。一般的なのは2相タイプです。2相タイプにも6線式ユニポーラタイプと4

          モータを角度を決めて回す

          旋盤の使い方 シャフトの加工

          旋盤を使ってシャフトを加工する方法を紹介します。 旋盤でシャフトを加工する場面丸棒の両端にベアリングが入る様に細く切削します。 シャフトの固定にはセットカーラーを使う時もありますが部品点数が増え、セットカーラーのためのスペースも必要になります。シャフトを加工することによりコンパクトにできます。 ベアリングを固定する方法は前の記事(3Dプリンタで作る穴)を参照してください。 旋盤ってなに?まずは旋盤とは何か?というところから。 旋盤はこんな工作機械です。マザーマシンとも

          旋盤の使い方 シャフトの加工

          3Dプリンタで作る穴

          3Dプリンタは様々な形の物を作れるので便利です。適当にモデルを作って出力できます。ただ稼働するモデルを作る場合におさえておきたいポイントがあります。それは「穴」です。 穴が活躍する場面穴をどんな場面で使うか考えてみましょう。次のような場面があるかと思います。 ネジを通す穴 シャフト(金属丸棒)を通す。シャフトは穴の中で動く シャフトを通す。シャフトは固定 ベアリングを入れる 稼働するモデルを作るためには必ず使うことになります。それではそれぞれの場面について説明して

          3Dプリンタで作る穴

          3Dプリンタで作る時計 その2

          前回のノートで時計の輪列の設計について書きました。モータのピニオンギアから減速しながら分と時間の回転を作り出します。そのために何枚かの歯車が必要になります。その組み合わせは何通りもあります。その中から適切な組み合わせを選択します。ここで「どれが適切?」という疑問が出てくると思います。そのヒントになりそうな事を書いてみます。 またシャフトと部品を固定する方法をいくつか紹介してみます。 歯車の保持歯車を回すには中心にシャフトが必要になります。 このシャフトの上下を板で挟み込ん

          3Dプリンタで作る時計 その2

          3Dプリンタで作る時計

          3Dプリンタと電気モータを使って時計を作る方法を紹介します。時計は歯車がたくさん入っているイメージがありますが無駄な歯車は1つもありません。全ての歯車が意味と機能を持っています。それについても1つ1つ説明していきます。 回転数機械部品の回転数はrpmで表します。これは1分間に回転する回数を数えたものです。rotate/minの略になります。時計では秒針は1分間に1回転しています。つまり秒針は1rpmということになります。時計の文字盤上ではこの動きが1番早いものになります。次

          3Dプリンタで作る時計

          Fusion360入門

          長岡造形大学 視覚デザイン学科の授業「視覚コンピュータI」でFusion360の導入授業を行いました。モデリングの初歩からレンダリング、3Dプリンタ用のデータ作成まで動画で説明しました。評判も良いようなのでこちらでも公開します。似たような導入教材は沢山あるとは思いますが、裾野を広げるためにちょっと投稿しました。 1. 教育ライセンスのインストール教育機関の関係者(学生、教員)であれば無料のライセンスを利用することが出来ます。AutoDeskのサイトから登録が必要になります。

          Fusion360入門