日本画風の絵を水彩絵具やアクリル絵具で描くための勉強と実験
私は日本画のザラっとしていたり、キラキラとしていたり、盛り上がっていたりする画面を見るのが好きです。日本画みたいな質感の絵が描きたいなとずっと思っています。
普段はアクリル絵の具や透明水彩を使っています。専門知識を美大等で学んだことはない素人が勉強している内容です。ここに記載している内容ですが、これだという結果は出ておらず、実験中のメモだけです。
目標は日本画風の質感の画面を作ること
和紙に膠と岩絵具で描く日本画の方法でなく、『アクリル絵の具、透明水彩絵墨、顔彩、岩絵具』などを使って『水彩紙やキャンバスやパネル』に、日本画のようなザラザラキラキラした絵を描きたい。
重要な材料は胡粉ではないか?
日本画は鉱物などを砕いた岩絵具で色をつける。白は貝の殻を砕いた胡粉を使う。マットな質感やふくらみに大切な胡粉をまずは学びたい!
用意したもの
画 材/透明水彩・アクリルガッシュ(ホルベイン)、岩絵具(ナカガワ胡粉の京上岩絵具)、絵墨(墨運堂)、光彩色粉末絵具(吉祥)
下地材/胡粉(ナカガワ胡粉:胡粉団子のワークショップで作った)
胡粉ジェッソ(リキテックス)
定着剤/透膠液、アラビアゴムメディウム
画用紙/オリオンのアクリルデネブ
道具/絵皿と筆と筆洗
リキテックスの胡粉ジェッソについて
胡粉(貝殻の粉)の入った白色地塗り剤。胡粉特有のザラザラした質感を持ち、にじみや薄塗りに独特の美しい効果をもたらす。アクリル絵具、水彩絵具、日本画絵具、油絵具などの絵具の定着と発色を良くする。紙、キャンバス、木など吸水性のある基底材に最適。
内容/アクリリックポリマーエマルジョン、胡粉、チタニウムホワイト
(製品裏面より)
絵の具の定着材について
絵の具はだいたい顔料に定着材をまぜて作られる。
◆油絵具→油(テレピンなど)
◆アクリル絵具→アクリル樹脂
参考 アクリル絵具の基礎知識と可能性(世界堂)
https://webshop.sekaido.co.jp/feature/1505
◆水彩絵具→アラビアゴム
◆日本画絵具→膠(動物性のゼラチンが主成分)
参考 色彩表現のルーツを探る(ホルベイン)
https://holbein-shop.com/?mode=f4
たとえば、油絵の上に、水彩で絵を描くことはできない。でも、水彩の上にアクリル絵の具はのせられる。水性の上に油性は大丈夫だとか、特性を理解していたら、一つの画面にいろいろな絵の具で描くことができるんだろう。
実験!胡粉と胡粉ジェッソを下地にいろいろ塗ってみよう
まず、左に胡粉ジェッソ、右に胡粉を塗る。
胡粉ジェッソには細かい黒っぽい粒があるのと、全体少しグレーがかっている。胡粉は真っ白でなめらか。
絵の具をのせてみた結果
水彩、アクリル、岩絵具、絵墨のどれもある程度塗ることができた。当日の乾燥後に丸く曲げてみたが、どちらもひび割れてこなかった。
胡粉ジェッソ
(2)、(9)、(10)のグラニュレーション色(顔料の粒子が大きくザラザラとした質感を与える色)の水彩絵具が少しのりずらいと感じた。水張りをしたり、凹凸の少ない細目の紙を利用することで改善できるかも。
他は胡粉と変わらない。アクリル絵の具が胡粉より綺麗にのった。
胡粉
グラニュレーション色や岩絵具など粒子が大きいものが綺麗にのった。さすが。絵墨もとても綺麗にのっている。岩絵具とアラビアゴムを混ぜた(11)が綺麗にでた。
胡粉の疑問点
胡粉は素人が膠と水を混ぜるときにひび割れ等、失敗が多い。経年劣化や折れ曲がりでのダメージが心配。アクリル絵の具や水彩などと、膠がしっかり定着するだろうか。
まとまらないまとめ
胡粉ジェッソはかなり有能だった。乾けば耐水になるだろうし、使いたい全ての画材に対応しているのも良い。
次への課題
・顔彩を試したい
日本画と同じ膠でつながれている絵墨を今回使用。絵墨のマットな質感はすごく日本画っぽいので、絵手紙にもよく使われる顔彩を試したい。顔彩の上に膠でといた岩絵具のせるのはOKと画材屋さんで言われたのでやってみたい。
・胡粉ジェッソでパネルやキャンバスにも描いてみたい
・結局あの日本画のキラキラは天然の鉱物を砕いた岩絵具の荒さででているのか?水晶末や方解末を絵の具に混ぜるのを試してみたい。
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