新しい仕事のミスマッチ(5)
(4)ではコロナに振り回された就職活動について書きましたが、
コロナは入職後もさらに私やチームメイトを振り回してくれました。
コミュニケーションの断絶
(4)で振り返ったとおり、選考の時点からコミュニケーションがうまくいっていないことは明らかなのですが、入職後もコミュニケーションの断絶による影響はとても大きかったと思います。
まず、歓迎会のようなものはランチすらなし。
そして感染防止のため黙食が推奨されており、チームメイトの人柄を知ることができません。
マスクをしていて人の表情がわからないのも、新たな環境では大きく不利です。
コロナ禍でなければスムーズにいったであろうコミュニケーションの問題、実は一番大きなストレス源だったのではないかと今振り返って思います。
イレギュラー業務
コロナは当然、仕事内容もガラリと変えました。
オンライン授業
授業の一部がオンラインになったので、オンラインと対面の2パターンで事務的な準備をしなければならなくなりました。
授業によっては、1回目だけ対面であとはすべてオンラインだったり、途中の数回だけ対面であとはオンラインだったりと、1回ずつ違うので把握するのはかなり大変でした。
なんとか準備したものの、全員が初めてのことなので抜け・漏れはどうしても発生します。
先生側、生徒側の両方から、「(オンライン授業用の)教室に入室できません!」とか、「先生が来ません!(別の授業のオンライン用教室に入室してしまった)」というような問い合わせが常にありました。
事務側の間違いもありましたが、先生や生徒側の勘違いが特に多かったように記憶しています。
問い合わせの電話やメールが飛び交い、通常業務も並行して進めるとなると、お昼休みもろくにとれない状況が続きました。
先生方の管理
先生方は急遽、オンライン授業に必要なパソコンやwebカメラ、マイクや照明などを買いそろえなければなりません。
予算をどのくらい使ってよいのか新たなルール決めも必要でした。
日本語を話さない、異文化をもつ先生たちに対し、ルール変更を説明するのにはなかなか頭を使います。
日本人はルールといえば守ってくれる人が多いのですが、外国人だとそうはいきません。
うまいことルールを解釈したり抜け道を探してズル(?)をしようとする人も出てきます。
そういった人を管理するためには、まず自分の中にしっかりとした軸が必要です。
入職したばかりだったのでこの軸がまだできていないなか動かねばならず、さまざまなトラブルが起きました…。
生徒側の問題
生徒というか、主にその保護者からなのですが、しばしばオンライン授業に対するクレームが入り対処に苦労しました。
保護者の方のお話を聞くと、「先生が授業を途中で切り上げてしまうので、授業料を返してほしい」とおっしゃります。
ですがこれは大きな誤解なのです。
オンラインでも対面の授業でも、授業中ずっと先生が喋りっぱなしということは少ないと思います。
当然、生徒に何かしらのワークをさせたり、ペアやグループになって何かをする時間が出てきます。
対面授業の場合、生徒が個人ワークをしている間は、先生は見回りをしつつ、問題なさそうであれば先生用のデスクで提出物の採点などして過ごしますよね。
オンラインでも同じで、先生がいわゆる「待ち」の時間に入るタイミングがあります。
この間、オンラインをよく知らない保護者の方には「授業をしていない=仕事をサボっている」と映るようなのです…。
ですが実際には、カメラをオフにしてプライバシーの問題に配慮して、提出物の添削やテストの採点をしていたりするのです。
学校側にとっては大変な言いがかりなのですが(失礼!)、
保護者の方は大切なお子様を学校に預け、学費も出しているのです。
どんな教育、対価が提供されているのか知りたいというのは切実な願いです。
そんな保護者の方に、オンライン授業の概要から内容、また先生の状況を丁寧に説明するために、役職付きの先生方と英語で話し合い念入りに準備をしました。
そして説明のお電話をする際は、言葉選びに細心の注意を払い日本語で説明していました。
先生方との英語での話し合いには、遠慮なく質問する大胆さや勇気が、
日本語で保護者に説明するには慎重さ、誠実さ、繊細さが求められました。
やりがいのある場面ではありましたが、1年目には少々荷が重かったとも言えます。
ただ、保護者側、学生側の対応では一度も大事にならずに済み、これは我ながらよくやったと思います。
*
数々のイレギュラー業務を生み出したコロナですが、言わずもがなの「感染対策」については次の記事で書こうと思います。
共感していただけたら、ぜひサポートをお願いします!いただいたサポートは、ママコミュニティやイベントの運営、それに伴う託児代に使わせていただきます。