[OldCityBoy的「アート」鑑賞] 東京国立博物館の東洋館探訪:インド細密画に見る東西の融合
東京国立博物館の本館に行ったことがある方は多いと思いますが、実は東洋館もとても面白いんです。多くの人が本館で日本美術を楽しんで終わりにしがちですが、自身は東洋館の5階と地下1階の展示が大好きで、いつも立ち寄ります。
で、先日、地下1階で気になるインド細密画を見つけたので紹介しますね。
まずは👇の絵。
この絵を見た瞬間、「ん、ジョットの絵の構図に似てない?」と思ったんです。
具体的には👇の絵です。
特に人物の部分だけ見ると、構図がかなり似ている気がしませんか?
このインド細密画は18世紀末に描かれたもので、ジョットが活躍した13世紀末~14世紀初頭とは時代が違うので、偶然の一致でしょうが、人を横に連続して描くのは演出的にあるあるなんですかね?
また、この絵の上側の細密に描かれた部分は、ドイツの細密画で有名なクラーナハを彷彿とさせます。細密画は、中世ドイツ・オランダのお家芸の認識ですが、"細密に描く"という行為を突き詰めると、地域に限らず似たような感じになるんですかね~。
次に気になったのが👇の2枚です。
この絵の遠近法があるんだかないんだか分からない感じが、江戸時代の絵を思い起こさせたのです。
インド細密画が、西洋の雰囲気を持ちつつも、東洋画にも通ずるところが大変興味深いのですが、最後に気になったのが👇です。
恐らくダンスの絵でしょうが、歌舞伎の決めポーズにも見えなくもなく、歌川豊国の浮世絵を思い起こさせます。
ということで、インド細密画は、西洋と東洋の要素が混ざり合っていて、すごく興味深いんです。
ちなみにこれは絵画だけなく、映画"RRR"にも通じるところがあり、今後盛り上がるであろうインドエンタメの鑑賞方法として大変参考になりました~。
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