[理系による「アート」解説] 風を描ける日本人
風を描いてください、とリクエストを受けた場合どうしますか?
私は、無理です、と答えざるを得ないです。
が、描ける人がいたのです!
しかも日本人です!
それは歌川広重です!
恐らくですが、風を描けた画家は世界的にいないのでは、と思います。
ターナーは大気を描くことはできましたが、自身の知る限り、風までは表現できていません。
で、我らが歌川広重です。
2次元ですよ、そして筆のタッチが出ない印刷ですよ。でも風を描けているのです!
ポイントは左下の傘を追いかけている男性の絵で、人体描写と表情の描写が素晴らしく、ここが起点となり、背景・蓑が強風であることをより分かりやすく説明してくれます。
日本人から見ると、これは絵と同時に漫画であることはすぐわかるのですが、それを知らない外国人(特にフランス人)がこの絵を見たときは驚愕したはずです。
かという自分も、
印象派にはまる
↓
印象派の画家がはまった浮世絵を改めてみてみる
↓
その斬新性に驚愕する
という、自国の文化の素晴らしさを海外の評価から学べた、あるある日本人の一人です。