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【漫画レポ】イタズラなKissについて語りたい

少女漫画界の不朽の名作と言えばいたキスこと『イタズラなKiss』を思い浮かべる方も少なくないはず。

1990年から1999年まで約9年、作者の多田かおるさんが亡くなるまでの間別冊マーガレットで連載されていたもので、アニメだけでなく世界各国でドラマ化されるほどの大人気作です。

連載開始から30年以上経った現在も尚衰えることのない魅力はどこにあるのか。完全版を全冊持っているにも関わらずLINE漫画でついついチャリンチャリン(課金の音)してしまうほどいたキス好きの私が、ただひたすら語り散らかしていこうと思います。

※ネタバレあり。未読の方は要注意です。

イタズラなKissのあらすじ

主人公の相原琴子は落ちこぼれの女子高生。
斗南高校の入学式で新入生代表として挨拶をしていたIQ200の天才かつ容姿端麗な入江直樹に一目惚れするものの、なかなか接点がないまま3年生に進級。
一念発起して2年間の想いを綴ったラブレターを入江に渡すも、『いらない』と冷たくつき返されてしまいます。その入江の冷たい態度にショックを受けた琴子は、彼への想いを断ち切ることを決意。

そんなある日、立て替えたばかりの新居が震度2の地震で崩壊してしまうという悲劇が相原家を襲います。
家を建て直すまでの間、父の親友の家に居候させてもらうことになったが、その家はなんとあの冷血漢・入江の実家だったーーー!?(トゥンク)

もうね、この時点で既に面白い。

深度2の地震で崩壊する新居、そして憧れだった人との同居というなかなかトンデモ少女漫画っぽい設定なんだけど、コミカルなタッチで描かれているからなのか不思議とその世界観に引き込まれてしまうわけです。そんなわけで、年末ダラダラしているついでに独断と偏見でいたキスの魅力を語っていきたいと思います!!!(迫真)

いたキスの魅力①相原琴子がかわいい

いたキスの魅力といえば、なんと言ってもヒロイン相原琴子の可愛さでしょう。

琴子はドジで不器用、勉強も得意ではないどころか学力順でクラス分けされる斗南高校で最も下のクラスF組の常連。でも明るく前向きで、根性だけは誰にも負けない強さがあります。

方や恋焦がれる入江は斗南高校のトップクラスA組に3年間所属するだけでなく、全国でも常にトップの成績を収めるIQ200の超天才児。

『頭の悪い女はきらい』と冷たくあしらわれても、どんなに意地悪なことを言われても、踏まれても踏まれても起き上がる雑草のように入江くんを思い続けるのです。

そもそもですが、少女漫画の主人公って、おとなしくて普通な?主人公がなぜかクラスの人気者に好かれちゃった的なストーリーが結構王道だと思うんですよ(偏見)。
で、捻くれててホントごめんなさいだけど、正直あんまりヒロインを好きになれないというか、共感できないことが多いんですよね。このイケメンがヒロインのことを好きになるほどの魅力は一体どこにあるんだろう…?なんて思ってしまうわけです。

でもね、いたキスは違う。確かに王道のパターンではあるんだけど、読めば読むほど琴子のことが好きになるし、応援したくなる。そう、琴子という子は本当に健気だし積極的なんです。ことあるごとに入江くんに好き好きアピールをして、何度振られても諦めない。ハッキリ言って清々しいレベルのしつこさ。でも、女は愛嬌!と明るくめげずにアピールをし続けるド根性に友人たちも最早一目置き(?)、最後には入江くんの氷の心を溶かしてしまうんだから琴子ってすごい奴…と思わざるを得ません。

いたキスの魅力②入江ママ

昼ドラのドロドロとした世界であれば嫁と姑は折り合いがつかないもの。とはいえ少女漫画の世界ではそれほどドロドロはしないものの、彼氏の母親に気に入られるように奮起する、そういうエピソードは割とあるあるな気がします。

このような王道ストーリー目線で入江くんのお母様のことを考えてみると、冷血イケメンな入江くんを育てたんだからきっとスパルタで厳しいんだろうなとか、お付き合いする女の子は賢くて上品な子を…なんて言うんだろうな、とか思うわけですよ。でも、頑張り屋の琴子のことだから、そんな厳しい入江ママにだって認めてもらえるように一生懸命頑張るし、そしてその持ち前の明るさと愛嬌で入江ママに認められる!

というストーリー展開まで想像していました。

が、しかし。予想を反していたキスの世界線では入江くんママは琴子の強力な味方なのです。しかも最初から。一目見た時から琴子のことが可愛くて可愛くて仕方がないし、是が非でも入江くんの彼女になってほしい。

だからクリスマスやバレンタイン、ことあるごとに琴子に発破をかけ、ライバルがいようものなら蹴落とし、嫌な母親を演じる。琴子の恋愛は入江ママの協力がなければ成就しなかったと言っても過言ではないくらい、とにもかくにも琴子のことが大好きで全力で協力するし、2人の行く末を熱烈に応援する愛すべきキャラクターなのです。

いたキスの魅力③ツンデレな入江くん

少女漫画界の元祖ツンデレと言えば入江直樹でしょう、と言うくらいのツンデレキャラクターの代表格。いや、はっきり申し上げましょう。ツンデレというよりもマジで意地悪な嫌な奴です。

そもそも初対面の女の子が勇気を出して渡した手紙をいらないなんて突っぱねるなんて人の心を持ってないんじゃないか?というレベルの冷血漢。ただ、どうやら琴子にだけ冷たいわけではなく、他の子に対しても冷たい態度をとっている様子。いやーーー普通の女の子ならそんな態度をされたら一瞬で幻滅してしまうレベルでしょう。

そんなわけで、いくらポジティブな琴子でもラブレターを突き返されたことで流石に傷つき、あんな奴だなんて思わなかった!もう好きなことをやめる!と落ち込みますが…まあ…なんやかんやあって結局諦めることができないわけです★(適当にまとめるな)

で、その後も琴子の猛烈アピールは事あるごとに続きます。それはもうわかりやすいくらい、めげずに思いを伝え続ける琴子。はじめのうちは本気で迷惑そうにしていた入江くんですが、琴子の健気さや天真爛漫な明るさに少しずつ氷が溶けていく。口では意地悪を言いながらも、気を許していく過程が丁寧に描かれています。

少しずつ琴子に振り回されていく入江くんの姿に、最初こそマジで嫌なやつだな…と思って読み進めていた我々読者も、だんだんと入江くんのツンデレが癖になってくる罠。入江くんはマジで沼、罪な男です。

最終的に琴子が唯一無二の大切な女の子だと気づいた入江くん。2人の気持ちが通じるシーンは、少女漫画界イチの名場面だと思います…!

とは言え、いたキスはギャグ要素たっぷりの“ラブコメ”と言うジャンルだからこそ、琴子のドジっぷりやめげなさ、入江くんの冷血さが成立しているような気がします。とにもかくにも私の大好きな少女漫画。2人の最後を見届けたかったけれども叶うことがない、未完の名作。皆様もぜひ一度読んでみてください。

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