嫌いになりかけていた音楽をMrs. GREEN APPLEに救われた話
私は未熟ながらも大学で音楽を勉強しています。
ただ、大学で専門的に勉強すればするほど音楽が楽しいものではなくなってきて、大好きなはずの音楽に対して「趣味で留まらせておくべきだった」なんて思うことが増えました。
そんな中でも必死にもがいてきました。幼稚園の頃からずっと音楽をやってきてつらいことも数え切れないほどあったけど、音楽を嫌いになんてなったことはありませんでした。心の底から音楽が大好きでした。ただ、私の中でポッキリと心が折れる音がした出来事があって。
とある実技の時に先生から私のネガティブな性格や人前に立つことは向いていないということを断定し、まるで私の今も過去も否定するように「あなたは〇〇な人間だよね。今までもそうやって生きてきたんでしょ?」と笑われながら言われたことがありました。
もちろんその先生は悪意を込めて言ったわけではないですし、詳しい内容を書いたら「そんなことで傷つくの?!」と思われるかもしれませんが、人前に立つことは向いていないかもしれないと思いながらも毎日大学を休まず頑張ってきた私にとってその言葉は最も言われたくない言葉で、だけど図星で、完全に心が折れてしまった一言でした。
今思い返してみたら、私が努力したつもりになっていただけなんじゃないかと思いますし、本来ならそのことに気付かせてくださった先生に感謝をするべきだとも思いますが、当時の私はたった1回の演奏だけで自分の人間性そのものを否定されたような気がして、未だにその先生の授業の時はトラウマから震えてしまうことが多々あります。
頑張っていればいつの日か誰かが見つけてくれるなんて思っていた自分がすごく虚しく思えて。どんなに頑張っても報われない。そう思いました。
もう音楽を辞めたい。私は音楽に向いていない。
努力しているつもりになっていただけだった。
でもやっぱり辞めたくない。
優しい友人や先生に恵まれていて音楽をたくさん学べる環境にいさせてもらっているのに、あんなに大好きだった音楽が嫌いになりそうでした。
今までの学生生活の中でそんなことはほとんど無かったのに、大学に行きたくなくて泣きながら行ったり、何も出来ない自分が情けなくて泣きながら学校から帰ったり…なんて日もありました。何気なく先生が放った一言を私はしばらく引きずりました。
そして今年の夏。とある曲に私は出会いました。
それがMrs. GREEN APPLEの『ケセラセラ』でした。(もちろん様々な場面で大活躍されているミセスの曲は元々たくさん知っていましたし『ケセラセラ』も当たり前のように知っていましたが、フルでしっかり聴いたのはこれが初めてでした…!)
とあるきっかけで『ケセラセラ』のピアノ譜を取り寄せることとなり、楽譜を見た瞬間に「楽しすぎる!!」と思いました。大学に入ってから試験や演奏会のために作業のように譜読みをしていた私にとって、大学生活の中で楽譜を見て心から楽しいと思えたのはこれが初めてでした。
そこからライブ映像やMVも観るようになり、その度にミセスの創りあげる音楽がすごく素敵なものだということに遅ればせながら気付きました。その時はまだミセスの人柄もほとんど知らなかったのにミセスの音楽を聴いているだけで、観ているだけで、涙が出てきました。ミセスの音楽は、音楽の楽しさを改めて教えてくれるようなものだと感じました。
("Atlantis"の『ケセラセラ』は私が初めて観たミセスのライブ映像です。この動画を観た時にサポートメンバーの皆さん含めてミセスの全員が言葉では言い表すことが出来ないほどキラキラとした音楽を奏でていて、途中で映るお客さんの表情もすごく素敵で、感動から自然と涙が溢れてきました。)
ひねくれていてネガティブ思考な私は「ネガティブな人にポジティブな言葉をかけてもかえって苦しくなる。」と思ってしまうことがあるのですが、ミセスの曲は明るくありながらも人には見せない心の暗くて黒い部分にスっと寄り添ってくれているような気がしました。
大学に行く足取りが重くなってしまっていた時に『ケセラセラ』を聴きながらそのテンポ(Allegrettoくらい?)に合わせて歩くと、後ろから背中を押してもらいながら歩いている感覚になりました。言語化するのがすごく難しいのですが、とっても心地のいい速度で歩けるんです…!
何年音楽を続けても「真面目な演奏をするね」「楽譜通りの演奏だね」と言われていた私は、藤澤さんのキーボード演奏を観て「藤澤さんみたいに周りの音を調和させながらも自分を表現できるような演奏がしたい!」と思いました。大森さんのような迫力がありながらも繊細な表現がしたいと思いました。若井さんのような熱情的で優しさがある演奏がしたいと思いました。
私にとってミセスは先の見えない真っ暗な未来に差し込んだ一筋の光でした。
そこからファンになって1週間で映画『The White Lounge』を観に行き、グッズを買い、帰り道にFC(Ringo Jamって名前がすっごく可愛い…!)にも入りました。こんなに衝動的にFCに入ったのは初めてで、バンドを好きになったのも初めてでした。
私はミセスのように音楽で努力も出来ていないし、実力もすっごく未熟です。だけど、どんな形でもいいから音楽を続けていきたいと思えるようになりました。
今まで1人でピアノを演奏する時はほとんどクラシックしか演奏してきませんでしたし、ポップスは年に1回程度しか演奏する機会がありませんでしたが、ミセスの音楽に出会った時、中高6年間で所属していた吹奏楽部での青春を思い出した感覚があって「また誰かと音楽をやりたい」と思うようになりました。実現するための見通しはまだ完全には立てられていませんが、また吹奏楽を始めたいしバンドでキーボードもしてみたいと思うようになりました。
素人ながらに音楽を16年間続けてきたので、言葉にするのは簡単でも(音楽に限らず様々な分野で言えることですが)報われない努力が多いということは痛いほどに理解しているつもりですが、大学に入ってからまたやりたい音楽が見つかったことは私にとって希望でしかなくて、やっぱり私はまだ音楽が大好きだったんだなぁと再確認しました。
今は絶賛就活中なのですが、今ここで就活を辞めて音楽を職業にすると決断してしまうと自分の性格的に音楽が就活から逃げた道だと思ってしまいそうなので(本当は今すぐにでも自分のやりたい音楽を実現させたい気持ちでいっぱいですが)自分のやりたいことを押さえ込みながらとりあえず色んな企業説明会や仕事体験、インターンに足を運んでいます。正直しんどいです。道ですれ違うスーツを着た社会人が全員この就活を乗り越えたのかと思うと尊敬しかありません。
将来どうなるかなんて誰にも分からないけど、生まれ変わってもまた私になりたいと思えるような人生を歩めるように自分のペースで頑張っていければいいなぁなんて思っています。そして、就活を終えることが出来たとして、それでも音楽を職業にしたかったらその時は自分の気持ちに正直に生きてみたいと思います。
ミセスに出会えて本当によかったです。ひっそりとnoteを書いているのでご本人たちに届くことはないと思いますが、感謝の気持ちを書かせてください。
音楽の楽しさを教えてくれて本当にありがとう!
ミセスを続けてくれてありがとう!これからたくさん応援させてください!大好きです!!