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“あいつ”寺田 農さん 逝く

名バイプレイヤー 寺田農さんが亡くなった

サッカー好きで ジェフの縁(えにし)深いファンであり
望月三起也氏率いる「ザ・ミイラ」のメンバーでもあった。

映画、テレビドラマでの活躍も幅広く
独特なキャラクターは物語を引き締め、彩っていた。

寺田農といえば 個人的には映画「肉弾」(1968年)
この映画で演じた “あいつ” になる。

梅田にあったATGシアターでリバイバルを観て
岡本喜八にハマる入口になった大切な1本。

太平洋戦争末期 出来の悪い新米青年兵 “あいつ”
名前はなく 仲代達矢のナレーションは彼を“あいつ”と呼ぶ

作戦前夜 一夜のみ許されて出た街で 一人の少女と遭う
大谷直子演じる少女“うさぎ”の可憐なことと言ったら!!

バカげた戦争の一粒の青春譚
岡本喜八が自身で資金を集めて制作した一千万映画だ

寺田農演じる“あいつ”は砂丘のタコツボの中で敵を待ち
タライに魚雷をくくり付け敵を求めて東京湾を彷徨う…


そうか・・・とうとう“あいつ”がホントに逝ってしまったか

あの映画の “あいつ”の声にならない叫びが
日本の平和を守ってくれていた気がしていたから

“あいつ”の声が聞こえない時代にどんどんなっている
その現実が本当に感じさせられてしまって
なんとも言えない気分になってしまう訃報でした 合掌。

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