事業成長支援ビジネスのゴールはどこか?
2023年が始まりました。みんなが、仕事はじめだ!とやる気をみなぎらせているのとは対照的に、まだ年明け1週間も経過していないのにずーんと凹んでいる自分がいる。
原因はなんとなく分かっている。基本、自己肯定感が低く自信のない自分は、周囲のキラキラしたエネルギーに弱いのだ。それが、年末は1年間の自身の活動を振り返る投稿がFacebook上に溢れたり、年始は今年の抱負や目標を高らかに掲げる投稿がnote上に溢れたりと、この年末年始の時期はポジティブなエネルギーが充満しているのだ。
隣の芝生が青々と輝いて見える中、自らのビジネスを振り返る。なんだかネガティブな導入だが、悲観しているわけではない。足元をじっくり見返す良い機会だ。
自分の現在の稼業は、クリエイティブを駆使した事業成長支援と位置付けてます。ざっくり大別すればコンサルに含まれるが、クリエイティブを武器とし、実際の制作物のアウトプットがついてくるコンサルだ。クライアント企業が直面する課題を、自分の脳みそから出てくるアイディアを元につくった制作物で解決し、事業の成長をブーストさせる。そこに自分のエクスパティーズがあり、喜びもある。
また、社長(ないしは意思決定者)との直接的なやりとりを仕事を受ける条件にしていることもあって、クライアント企業はスタートアップ企業が大多数だ。そうなると、必然的に「上場」はクライアント企業と自分とが共通して目指すマイルストーンの1つになる。もちろん上場はゴールではなく、あらたなスタート地点であることは間違いないが、1つの節目であることには間違いない。
喜ばしいことに昨年2022年は、自分が支援し、TVCMの企画・ディレクションを行った企業が5社もIPOした。airCloset、BASEFOOD、inforich、jig.jp、OPENWORKの5社だ。改めておめでとうございます!他意なく心から賛辞を送るが、歓喜の輪の端っこの方にゲスト参加はさせてもらっているものの、自分は当事者ではないことに少し寂しさを覚えるのも事実だ。「本当によかったね!」と輪の外から、破顔する当事者たちを眺めている感じ。
これは受託ビジネスでクライアント商売をやっている以上は、どうやっても解決できない、ある意味、贅沢でしかない悩みだ。ただ、1つの「万歳!」と仲間たちと喜べる到達点があることは純粋にうらやましい。例えばスポーツにも、ワールドカップのような大きな大会に出場することや、そこで勝利をあげる、さらに言えば優勝するなどの目標であり到達点がある。しかし、我々の商売には、それがない。
じゃあ、何を目指し、どこで満足をするのか?この問いに何度も悩んできたが、やはり答えは1つだ。それは「あなたに頼んでよかった」と言われることだ。20年以上前の学生時代、憧れのアーティストから依頼されて彼のホームページを作った時「おまえに頼んでよかったよ」と東京ドームの楽屋で笑顔で握手した原体験が未だに忘れられないし、その感触を味わい続けるために仕事をしているんだ。「北尾さんに頼んでよかった」と、言われるために、日々、脳みそを絞っている。