産後うつ
2022年元日
お正月の退院でした。
実家に着くと
普段は離れ離れに暮らしている
弟と妹が帰省していて
久しぶりに家族全員揃っていました。
お出迎えしてくれたみんなは赤ちゃんに釘付け。
うん、まぁ、初孫だしね。
こうなることは予想してた。
でも、少しでいいから
私にも声かけてほしかったな。トホホ
そんな中、妹だけが
お姉ちゃんお疲れさまって言ってくれて
嬉しかったのです。
そのあと、みんなでご飯を食べながら
お話をしたり楽しい時間を過ごしました。
しかし、今思えばこの時から
私はたぶん産後うつに突入していました。
入院していたとき周りにいるのは私と同じ
みんな出産を終えたばかりのお母さんで
みんな同じ環境で子育てに奮闘していて
仲間がいるから頑張れていたのに
いざ退院すると
もうその仲間はいなくて
元日を満喫する家族の中で
私だけが子育てに疲れていて
すぐに授乳できるようにかっこ悪い
前開きのパジャマ姿で
オシャレも外出もできない。
とても孤独を感じてしまっていました。
悲観的で、ネガティブで
楽しそうな周りが羨ましくて
どうして自分だけが
こんなにボロボロで眠たくて
好きなこともできずに
3時間おきにミルクを与えるのか。
今までの生活と一変した現実が嫌で
またひとつ、当たり前が当たり前では
なくなってしまっていて
出産前には考えてもみなかった現実に
悲しくなって、みじめになって
1人で部屋にいた時、涙が止まりませんでした。
赤ちゃんは可愛くてしかたがないのに
なぜかすごく悲しい気持ちになるのです。
私もみんなとゲームがしたい。
時間を気にせずショッピングがしたい。
1日に何度もアルコール消毒をして
哺乳瓶を洗ってすっかりボロボロの手に
お気に入りのハンドクリームを塗りたい。
じんじん痛む乳首が嫌だ。
いつになったらお股の傷は治るの。
赤ちゃんの命と向き合う緊張感から解放されたい。
こんなことを考えてしまい
ああ、私、親になるの早すぎたんだなぁ
なんて思いながら
頭の中は暗い持ちでいっぱいになっていました。
それでも育児を止めることはできません。
しんどくても、悲しくても
向き合うしかない。
そんなこんなで1ヶ月が経った頃
私の中で気持ちがふっと軽くなりました。
それまで父や母に素直にありがとうと
言えてなかった自分の口から
ありがとうと言えたのです。
心にずっとあった黒い雲が
急にすっとなくなったようでした。
この日がたぶん、鬱の終わりでした。
それまではただ機械的に
赤ちゃんを"赤ちゃん"という存在でしか
みれていなかったわたしは
赤ちゃんを"我が子"としてみれるようになって
どうして泣いているのか考えて
我が子に話しかけられるようになりました。
今までの自分がなぜあんなに
暗い気持ちの中にいたのかわからないくらい
愛おしくて愛おしくて、急に親バカになりました。
すべては自分の中で起こっている感情で
自分すらついていけずにたくさん泣いて
そんな私を支えようとしてくれた父と母に
嫌な態度をとってしまって
相当振り回してしまったこと
実家に帰ることは自分で決めたのに
まだ育児を知らない旦那にイライラしていたこと
全てが本当に申し訳ないです。
でも、わかっていても、どうしようもなく
コントロールができなかったのです。
自分がこんな気持ちを経験したからこそ
将来私の子が母になった時
支えてあげられたらと思いました。
産後うつは仕方のないことで
自分が周りに当たり散らかしていることも
寝不足でイライラしていることも
赤ちゃんが泣き止んでくれなくて悲しいことも
いつ完治するのかわからない身体が不安なことも
全てひっくるめて、1番辛いのは本人なのです。
それが産後うつなんだと思いました。
終わればようやく楽しい育児が始まります。
そりゃ、楽しいばっかりじゃなくて
いつでも不安はつきものですが
母はこうして母になるので
ある意味通ってよかった道なのかもしれません。
もう、こりごりですが。
これから先は、死んでも母です。
ゆっくりいろんなことを経験しながら
ずっと成長していくのです。
1人じゃない。
自分の両親。兄弟。旦那さん。友だち。
みんながいます。
1人で背負わず、母、頑張りましょう。