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2006.10.09: 北京(羊蠍子)
2006年10月9日 羊蠍子(ヤンシェズ)
北京出張。予定は10日から13日までだが一日早く出発。成田空港発 13:20 CA952便(中国国際航空)、初の大連経由便。朝九時に家を出る。高砂駅に着くとホーム反対側に特急が停車している。ラッキー。成田第二旅客ターミナル駅、チェックイン・カウンター入口で十分ほど待つ。鞄を機内持ち込みでいいかと聞くと十キログラムまでだと言われ、重量をチェックされて結局は機内預かりになってしまった。機内預かり荷物検査を受けずにチェックイン・カウンターに入ったので荷物検査を受けに戻る。結果的に、大連で機を下りて入官手続きをする際に、荷物を持ってウロウロしなくてすんだわけだが。チェックイン後に保険の手続きをして直ぐに出国手続き。手続きカウンターは行列無し。北京で両替えする時間があるかどうか分からないので成田で両替えを済ませる。
出発ゲート前の待合所で搭乗手続きが始まるまでB社との契約書のドラフトを書いて時間を潰す。搭乗すると周囲は中国に帰国する人ばかり。国慶節の連休を利用して日本に来た旅行者だろう。大連周水子国際空港 15:45 着。大連空港で入国手続きをする。入国手続きカウンターの前で次が自分の入国審査を受ける番だという時に、入官職員が何の断わりもなく二十人くらいの中国人団体客を一番前に割り込ませて、審査を待っていた乗客達に別の列の最後尾に並び直すように手ぶりで指示する。割り込みをさせた入官職員に腹がたって、納得できるかとばかりに大声で抗議してしまった。一般旅行者の中にバラバラで混じって並んでいた団体旅行客は、全員の情報が記載されている書類と一緒に揃って審査を受けなければいけなかったのだろう。もっと早くアナウンスしてあげるかツアーコンダクターがきちんと面倒を見てあげるべきだ。
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大連周水子国際空港 16:40 発。北京首都国際空港 17:35 着。北京空港に着いても既に入国審査は受けているので受け取り荷物ターンテーブルに直行。荷物は2番目に出てきた。ここでもラッキー。
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到着便の出口を出るとズラッと並んだ出迎えの人たちがそれぞれ自分が出迎える人の名前を書いたカードを掲げて待っている。日本語あり、ローマ字あり、中国語ありだ。ローマ字で書かれた自分の名前をかざしている人はすぐに見つかった。北京支社のジュディスさんに頼んでおいたハイヤーのドライバー氏のはずだが見知っている張さんではない。始めてみる顔だ。誰に頼まれて迎えに来たのか聞いてみたが上手く伝わらない。
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ドライバー氏にうながされて駐車場に向かう途中で張さんに出会った。彼は別の客を迎えに行くようで、こちらに向かって笑顔で挨拶してくれた。車が走り出してから直ぐに行き先を確認する。『チョンウェンメン』と言ってみたが似た発音の地名がもう一カ所あるらしく聞き返されてしまった。後で思い出したことだが前門(qiánmén)という地名があった。この二つちっとも似ていないのに混同されたとうのはこっちの発音がまだまだだなっていないということだ。手帳に書いてある地名を示して納得。ついでに彼の名前を聞いたら曹(ツァオ)と教えてくれた。
空港から北京市内までの道路が以前よりも整備されたようで込んでいる割には早くホテルに着いた。ホテルに着く前に曹さんから携帯電話を借りて、既に北京入りしている于くんに北京到着を知らせる。空港から崇文門外大街にある定宿、于くんと待ち合わせをした北京新世界万怡酒店まで45分、高速道路料金10元込みで180元(約2,700円)。
北京新世界万怡酒店ロビーで于くんと馬超(Ma Chao)さん、その従姉妹の馬越(Ma Yue)さんと落ち合い、ホテルの裏手、東興隆街の住宅街の一郭にあるコンドミニアム “Sollo II” の彼女の部屋に案内される。この従姉妹、姉さん格が超さん、妹格が越さんで超越か、親同士が余程の仲良しなのだろうか、二人を見ていても実の姉妹のようだ。通された部屋は10畳くらいの広さで家賃が200元(約3,000円)と聞いた。馬超さんは結婚記念アルバム制作会社のアドバイザーをしているそうで月収はおおよそ8,000元(約120,000円)、彼女の年齢(26歳)ではかなりの高給になる。
今夜は馬超さんが用意してくれた Solo II の五階の部屋に泊まる。ゲストルームを一部屋キープしてくれたのだ。さっそく荷物を持って宿泊する部屋に案内してもらった。Sollo II は迷子になるかと思うほど広い。部屋は日本のビジネスホテルよりも広い、二十畳はあるだろうか。自炊できる設備が整っていて学生やモデル、タレントの卵がたくさん居住しているそうだ。
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一休みして四人で食事に出る。タクシーで北京南部の天壇(Tiantan)に向かう。天壇の胡同(Hutong)にある「宏源餐飲(Hongyuan Canyin/宏源南门涮肉)」の入口には席が空くのを待っている人が列を作っている。店内は満席のようだが店主が大声で何か怒鳴りながら奥の部屋の、前の客が立ったばかりで片付いていないテーブルに案内してくれた。
この店に来る人達が必ず注文する名物料理「羊蠍子(Yangxiezi)」は羊と蠍の料理ではなく、羊の背骨部分を麻辣味で煮込んだ料理で、その背骨部分が蠍の形に似てるところからそう呼ばれているらしい。薄いビニール手袋をはめてむしゃぶりつく。殆ど骨ばかりという「外れ」からしっかり肉が付いた「当たり」まで楽しめる。回族(イスラム教を信仰する中国の少数民族)の人たちがたくさん集まる店でもあるらしい。任科くんにこちらに来ないか誘いの電話を入れたが、彼の住まいからここまでは遠いので出かけられないと残念そうだった。
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空になった羊の骨肉鍋に入れる手延べ麺作りをテーブルの脇で実演してくれた。この頃には既に満腹、麺の風味は覚えていない。
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気がつくと周りの席に客がいない。閉店時間の十一時を過ぎていた。
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タクシーで東興隆街に戻る。Solo II の周囲はフェンスで囲まれ、閉まっている門の前には守衛が立っている。部屋のカードキーをセキュリティ・センサーにかざして門を開け、建物の入口ドアもカードキーでロックを解除、しっかりしたセキュリティというべきか、ここまでしないと安心できないと言うべきか。喉が渇いたので近くの 7-Eleven で水、酒、ガムを買う。酒は北京の地酒、白酒(Baijiu)の紅星 二鍋頭酒(Hongxing Erguotoujiu)のポケット瓶だ。
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部屋に戻ってパソコンに電源を入れたところで于くんと馬超さんが、歯ブラシや歯磨き、水とデザートのスイカを買って来てくれた。二鍋頭酒を飲まずに西瓜で喉をうるおし十二時半過ぎにベッドに入る。
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