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2007.02.27: 北京(夜行寝台列車)

2007年2月27日 夜行寝台列車

六時起床。朝から空は厚い雲に覆われて暗い。メールチェック、写真の整理。楊さんにメールで打合せ時間、場所などを連絡。その間、于くんは今夜利用する夜行寝台列車の切符を買いに行く。北京 → 盤錦 264元(約 3,400円)。北京での仕事を今日で終わらせて夜行寝台列車で于くんの郷里磐錦に行く予定。
十一時三十分、Sollo IIをチェックアウト。旧正月は明けているのに街にはまだ正月飾りがあちらこちらに残っていて華やいだ気分が漂っている。旧の小正月まで飾っておくらしい。日本では今年の干支はイノシシだが中国では豚。

正月飾りが残っている新世界商城。
愛嬌のある豚は中国の今年の干支。

タクシーで北京駅に行き旅行鞄を手荷物一時預かり所に持ち込む。荷物預かり所は既にカウンターの前まで荷物が溢れている。職員は公務員だというが態度が横柄で荷物の扱いも乱暴だ。

たむろしている人が多い北京駅前。

今朝、楊さんとメールで打合せ場所に行こうとするのだがタクシー乗り場は長蛇の列。約束の時間に遅れそうな気配だ。原付きの輪タクで行くには距離があり過ぎる。

利用を考えた原付き輪タク。

結局タクシー乗り場に並んで待つこと数分。乗り込んだタクシーで 新疆ウイグル自治区政府の北京駐在所に向かう。

門に掛けられた『新疆ウイグル自治区人民政府 駐北京辧事処』の表示。
新疆ウイグル自治区人民政府、駐北京辧事処の門を入る。

少し遅れたが駐北京辧事処内にあるレストラン「新疆伊斯蘭飯庄」に入ると楊さんが待っていた。

「新疆伊斯蘭飯庄」の入口。

店内の様子は中国とは少し違う雰囲気で客もスタッフも中東系の顔立ちが多い。昼時を過ぎたせいか沢山ならんだテーブルに客の姿は数えるほど。一時から三時過ぎまで楊さんを交えて今後の日本側、中国側それぞれへの取り組みについてじっくりと情報交換を行なう。

中国料理店とは趣が異なる店内。
「新疆ビール」は青島ビールに似てライト系。

料理はどれも今まで見てきた中国の料理とは異なるが、口にすればどれもやっぱり中国料理だ。

敷き詰めたナンと一緒に煮込んだ羊肉。ナンも美味かった。
左はチンゲンサイの上に胡瓜と牛肉。右は茄子と唐辛子。

打合せも済んで 新疆ウイグル自治区政府北京駐在所の前で楊さんと別れ、タクシーで長椿街駅に近い宣武門西大街の金隈大厦にある勤務先北京事業所に向かう。

北京事業所入口。

NITS との文書のやりとりやホテルの手配などいつもお世話になっているジュディスさんに挨拶。開発部の責任者 Fu(傅)さんからは開発中のソフトウエアの進捗状況を聞くことができた。東京に何本か電話を入れて六時に事務所を出る。

長椿街駅周辺のイルミネーション。

馬超さんと待ち合わせた北京新世界万怡酒店まで地下鉄で戻り、于くんとの三人で崇文門菜市場で今夜の夜行寝台列車で食べる軽食を購入。

ひき肉と炒り玉子、ネギをクレープのような薄皮で包む。冷たくなっても美味。
大形の餃子のようなもの。冷めた味はイマイチ。
見慣れない色をしたソーセージ達。買わなかったので味は未知数。

買い込んだ食料を抱えてタクシーで北京駅に向かい預けた荷物を受け取る。

夜になっても人が減った様子がない北京駅前。
北京駅前の外れにあった牛肉麺屋。

初めて北京駅を見に来た時は駅舎入り口で改札しているのかと思ったが、駅構内に入る人の荷物をエックス線検査機でチェックをしているのだった。荷物のチェックを受けて構内に入ると目の前に二階に上がるエスカレータがある。構内は文字通りの雑踏。

構内に入り目の前のエスカレーターで二階へ。
通路で列車を待つ人達。

改札口も割り込む人が多く押し合いへし合いしている。ホントウに並ぶということをしない人達だ。押し合いへし合いの仲間入りをしてやっとホームに出て乗り込む車両に向かっていると、後ろから強い明かりで照らされた。振り返ると乗用車が走ってくる。一部の特権階級にある人たちは乗用車でホームに乗り付けることができるらしい。

プラットホームを走る車。

列車に乗るにももみ合っている。寝台車は料金が高いせいか乗客数が限られているためか、もみ合うことなく乗車することができた。中国での列車初体験が夜行寝台列車になった。20:45 北京駅を出発。車内に入りしばらくすると長い紺色のコートを着て制帽を冠った女性乗務員が切符と身分証明書の確認に来た。列車に乗るにもパスポートの提示が必要なのだ。寝台車のコンパートメントは片側に寝台が二段。

通路に補助席。コンパートメント内は二段の寝台。

我々三人連れの中に一人加わったのは石油技術者、朱福宝(Zhu Fubao)さん。私たちに遠慮してか通路にいるのを一緒に座ってもらい、隣のコンパートメントから朱さんの義理のお姉さん都紅阳(Du Hongyang)にも来てもらい旅は道連れとばかりに話が盛り上がる。

都さん、朱さん、于くん。

話し込む内に、朱さんは于くんと同じ磐錦市の人、しかも勤務先が于くんのご両親が務めていた石油会社だとわかった。さらに于くんの叔父さんをよく知っているともいう。朱さんは英語が話せるとわかり、都さんは于くんが卒業した中学校の英語の教師をしていたことがあり、于くんの担任の先生を知っているという。さらにさらに朱さんは私や于くんと同じ午年だと言うことで、偶然が偶然に重なって一気に親しみが増した。英語と中国語が入り乱れた会話が九時過ぎまで続いた。朱さんにどうぞお座りくださいと声をかけておいてホントに良かった。話し疲れた都さんは自分のコンパートメントに戻り、朱さんも寝るといって上段のベッドに入った。
その後は于くん、馬超さんとトランプをしながら馬超さんが買ってくれた二鍋頭酒を開ける。以前に買った物より呑み易く美味かった。途中で停車する駅があっても車内のアナウンスは皆無。自分で降りる駅に到着する時刻を確認しないと乗り越す恐れがありそうだ。十時半にベッドに潜る。列車の揺れが心地良い。列車は一路磐錦へ。
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