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2006.04.12:北京(前海、鼓桜、后海)
2006年4月12日 前海、鼓桜、后海
今日はこちらに来て初めて薄日が差した。七時三十分、ダイニングルームでビルさん、于くんと打合せ。ビルさんは OpenType フォントの異体字がよく分からないようだった。どうやら外字と混同している。中国には異体字などと言う概念はない。
朝食後、師鋒さんに電話をして十一時にホテルに来てもらい一緒にランチをとる約束をする。彼に会ったのは2003年10月、天安門広場にある中国歴史博物館だからニ年半が経つ。ドアを開けて入って来た彼はそのときの研究者臭い印象とはうって変わって、いかにもビジネスマン然とした風情だ。ニ年前に歴史博物館から信誠人寿保険会社 (Citic-Prudential Life Insurance) に転職したそうだ。
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彼の知り合いがやっているという崇文門交差点の近くにある「天山人飯庄」で昼食にする。天山地方の人がやっている店でローカルな食事を出していた。
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人気のある店なのだろう、ひっきりなしに客が入れ代わり狭い店内は昼食の時間を過ぎてもほぼ一杯。
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注文は師鋒さん任せで羊の串焼き、ナン(インドのナンより固め)、塩漬けの豆腐、塩茹でのピーナッツ、トマトと瓜の炒めもの、天山地方でとれる青菜を使ったシャリシャリサラダがテーブルに並んだ。庶民的な店で出される使い回しの箸に気をつけろとよく聞くが、今はどの店も袋に入った割り箸を出す所が多い。かつては使い回しの箸から肝炎に感染した人があったようだ。
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隣の席で呑んでいるワンカップ入りは白酒(アルコール度数 36 度)。私達も彼らに習って昼間っからいただくことにしたが呑みやすくて美味しかった。
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天山人飯庄のすぐ横にトロリーバスの乗り場がある。そこから北京の古い街並と鼓桜 (Guying)、鐘桜 (Zhongying) がある前海 (Qianhai)・後海 (Houhai) 方面に向かう。
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このトロリーバスはワンマンで一人一元の運賃は乗車時に払う。釣り銭の用意がないのでバスに乗る時は小銭は必須。日中にもかかわらず満員なのはこの路線を利用する観光客が多いからだろう。片言の中国語を話すフランスからの高校生の一団とも一緒になった。地安門外 (Dianmenwai) でバスを下りる。前海公園に入ると直ぐに輪タクが寄って来て熱心に値引きすると営業してくる。彼が見せてくれた輪タクの料金表に〈二人で180元〉とあるのを私達に示しながら80元にするから乗ってくれとついて来る。60元にすれば乗ってもよいと値切ったら応じてくれた。
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走り始めて間もなく輪タクのお兄さんが写真を撮るようにと薦めながら説明してくれた橋は、真ん中に牛の頭、その両側に龍(だったと思う)の飾りがある。この橋の由来が師鋒さんの通訳でもよく分らなかった。
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前海に沿って進むうちに見覚えがある「烤肉季 (Kaorouji)」の看板が見えて来た。昨年三月に昼食に来たモンゴル式焼肉の店だ。何時の間に前海と後海が繋がる所まで来ていた。前海を離れて鼓桜に向かう途中の街並は輪タクの乗り入れが禁止されているのか、輪タクを下りて徒歩。古い街並、烟袋斜街を往くうちに数人の大人が熱心に何かを見つめているのに出くわした。
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近づいてみると日本の縁日でも見かける飴細工師だった。自転車にくくりつけた簡単な台に飾られている馬や鳥などは日本の飴細工のように彩色されていない。周りに子供の姿がないのが不思議。
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古い街並から地安門大路に出ると左手間近に鼓桜が見える。
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入場料20元を払って鼓桜の中に入る。商売道具を置いてきた輪タクのお兄さんがガイドになって先に進む。
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鼓桜の周囲は胡同が広がる。人が住んでいるのかいないのか上からは分らない。一部取り壊されている所は再開発地域に入っているのだろう。
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鼓桜を下りて外に出るが案内し忘れた所があると輪タクのお兄さんの先導で再度鼓桜に戻る。古玩工芸品市場(売店)に連れていかれた。黄色っぽい半透明の材料に龍や虎を彫ったものを売っていたが興味が湧かなかった。
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輪タクに戻るとこの界隈の胡同を一巡してくれた。琉璃厰の辺りにある胡同よりは道幅が広く建物も修復されているのか新しいようだ。
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輪タクは私達を恭王府 (Gongwangfu) の近くで下ろした。師鋒さんに促されて入口から覗いた恭王府は、清朝咸豊帝の弟・恭親王奕訴の屋敷跡。この庭園は小説「紅楼夢」の背景となった庭のモデルらしい。
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再び前海に戻る。荷花市坊とある門はその時にくぐった門だ。
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地安門のバス停で師鋒さんと別れてトロリーバスに乗りホテルに戻る。彼はここからは近いという家に帰っていった。今日は私とつきあうために仕事を休ませてしまったようだ。シャワーを浴びてから地下鉄で北京支社に向かう。
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五時を過ぎていたが東京の事務所に何本か電話をしてとりあえずの用件を済ませることができた。夕食はジュディスさんの案内で口福居という大変に流行っている店に連れていってもらう。
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口福居は薄切りの羊と牛が売り物の火鍋屋だった。ジュディスさんは辛いのが苦手だということで白湯を頼んだが私は真っ赤な方を頼んだ。羊肉といえば2年前に行った東来順が老舗のようだが最近は口福居も新興店としてその名を広めているそうだ。
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食後はタクシーで王府井 (Wangfujing) まで行き、きつくなったお腹のために夜店を冷やかし土産物を物色する。王府井の夜店(東華門美食坊夜市)は全店が食べ物の露店でその全ての店が料金を明示した登録証をかかげていた。
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地下鉄王府井駅でジュディスさんと別れ東単で乗り換えて崇文門で下車、ホテルに戻る。フロントで明日のチェックアウトを午後二時にしてもらう。于くんは北京駅から午後九時の汽車で盤錦に帰省したはずだ。
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