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2006.09.22: バンコク(ジム・トンプソンの家、プアンケーオ)

2006年9月22日 ジム・トンプソンの家とプアンケーオ

六時起床。窓から見える高いビルに上り始めた朝日が反射してきれいだ。

明るくなり始めた西の空に虹がかかっている。

気になっていたホテルの下に広がるベンチャシリ公園を朝食前に一回り。中国系と思われる年配の人たちがグループで太極拳に興じている。朝からセパタクローに汗を流す出勤前のサラリーマンらしい人たちもいた。
朝食は九時半から。例によってスープ代わりに先ずタイ麺。毎日食べても飽きがこない。

さっぱりした魚系の出汁が合う。
今朝の朝食。食後はコーヒーと果物。

朝食後、ヘレナとドロシーに “GEMS GALLERY” で買った絵はがきに短いメッセージを書いて出す。十一時過ぎまでホテルの部屋で写真の整理をして、レストラン奥の裏口から外に出る。昨日咲きかけていた睡蓮が開いていた。

ベンチャシリ公園を抜けてプロームポン駅からサイアム駅に。マーブンクロン・センターで面白そうな土産物を探し、可能なら昨日買ったパーミーのVCD を音楽CDに代えてもらおう。BTS の駅はどこも歩道に設けられた屋根付きの歩道橋のように見えてしまう。

BTS 乗り場への階段。

BTS 乗り場への階段を上って歩道橋の上から下を覗くとこれぞバンコク名物の交通渋滞。

車の間をすり抜けるバイクは東京と同じ。

歩道橋から改札口までの通路には書店や携帯電話販売店、ジューススタンド、簡単な土産物店などが並んでいる。

昼近い人通りのない改札口へのアプローチ。

BTS の乗車券はこの自動発券機で購入する。駅の名前に大きな番号が付いているので、券売機で目的駅についている番号と同じ番号のボタンを押せばいい。料金は路線図の上に駅番号と一緒に表示されている。

BTSの乗車券発券機。

改札機の横には両替えや BTS Sky Card の残金を確認したり、新たに金額をチャージする窓口があり、旅行者にも丁寧に対応してくれる。

プロームポン駅のBTS案内窓口。

二十日の寺院巡りが終わった時にツアーガイド嬢から受け取った BTS Sky Card には未だ残金があるので直接改札機に向かう。

Sky Cardの表は解像度の粗い写真、裏は紺一色。パスネットと同サイズ。

BTS の駅はどの駅も似た構造をしている。Sky Card を改札機の丸に矢印マークの上にあるスリットに入れる。カードは改札機上面の表示器手前にあるスリットから出て来る。カードを回収すると直ぐに赤い三角形のゲートが開くのでもたもたしないで素早く通る。ゲートが閉まるのが早いのでのんびりしていると確実に挟まれる。日本ではスリットに入れたカードは改札機を通り抜けてから回収するが、BTS は改札機を通る前に回収するので慣れないとまごつく。

プロームポン駅の改札口。

運行ダイヤを確認したわけではないがそれほど待たなくても電車は頻繁に来る。車輌の外側は窓も含めてほとんど広告で占められている。

広告で占められたBTSの車輌。

サイアム駅で下車。サイアム・スクエアに降りると歩道脇から美味しそうな匂いが流れてきた。学生やサラリーマン風の客が並んでいるのはこの屋台が人気があるからだろう。写真を撮っただけで買わなかったのでどんな食べ物なのかは不明。

このリヤカーが美味そうな匂いの元。

マーブンクロン・センター前の大きな交差点に装甲車や兵士が十五、六名待機している。正面から写真を撮るのは躊躇われたが、全員肩章に黄色いリボンを結んでいる。クーデター後のテレビの解説によれば黄色は国王に対する忠誠を表しているらしい。

脚柱の左奥に軍用車輌が停まっている。

CDショップを見つけるのにマーブンクロン・センターの中をうろうろしてしまった。ようやく辿り着いたCDショップのレジで、昨日ここで購入したCDがVCDだったので同じタイトルの音楽CDと交換してくれるよう頼んでみた。 VCDはどんなPCでも見ることができるから心配するなと説明してくれるのだが、こちらが欲しいのは音楽CD、VCDは欲しくないとしつこく頼み込む。VCDのキャラメル包装は外してしまったのだが、根負けしたのか領収書を確認して交換をOKしてくれた。あいにく同じアーティストの音楽CDは品切れ。一番たくさん並んでいた男性のCDと交換してもらったが、ジャケットには一切アルファベットがない。タイトルも収録曲もタイの文字で誰の作品なのか手がかりがない。価格は交換したパーミーのVCDと同じ141バーツ(約423円)。
昼食は四階のタイレストラン Tumsum Thai Fire Power で。辛そうな店の名前だ。店内に入り席に付くとウエイトレスが『辛いのは平気か?辛くない料理も用意できるよ』と親切に言ってくれたが、大丈夫、こちらは辛いの大好き人間。料理四品、ビールとアイスティーで300バーツ(約900円)。赤坂の火鍋屋で耐辛能力を鍛えただけのことはある。はっきりした味でどれも美味しかった。

典型的なタイ庶民料理、だと思う。
Tumsum Thai Fire Power。

マーブンクロン・センターの出口近くで大きめの液晶パネルが付いた公衆電話機のような赤い機械を見つけたが、受話器が付いていない。直前にこの機械を離れた女性が財布を仕舞うところを目撃したが、この機械はキャッシュ・ディスペンサーらしい。

キャッシュ・ディスペンサー?

マーブンクロン・センターの外に出てナショナル・スタジアムBTS駅(サナーム・キーラー・ヘン・チャート駅)まで一駅歩いてジム・トンプソンの家に向かう。蒸し暑い。
ジム・トンプソンの家があるはずの路地ソイ 2に入ったところでガイドブックを片手にキョロキョロしていると、ネクタイをしめた大柄なサラリーマン風が笑顔で声をかけてきた。『日本から来たのか?』『ジム・トンプソンの家を探しているのか?』東京からだと返事をすると彼は、ソイ 2への入口近くのビルを指差しながら、バンコクのトヨタ販売で働いているのだと自己紹介してくれた。かつて東京・池袋に行ったことがあり間もなく営業ワークショップで再訪するので楽しみにしている、となかなか側を離れていかない。
彼が教えてくれたお陰でジム・トンプソンの家はすぐに見つかった。ジム・トンプソン、建築家。タイシルクで成功したアメリカ人として知られているが、1967年に失踪したまま未だに行方しれずというミステリアスな生涯でも有名だ。彼のもう一つの顔、アメリカの諜報機関CIAの前身OSS (Office of Strategic Services) に所属したことは案外知られていないのではないだろうか。ジム・トンプソンの家はそんな彼がタイ風建築様式を取り入れ自ら設計した家で、タイやカンボジア古美術の収集家としても著名な彼が収集した多くの美術品が今も館内に陳列されている。

ジム・トンプソンの家入口。
入口を入ると鬱蒼とした木々の中に朱鷺色の建物が建つ。

館内は観光客の国の言葉別にガイドが付いて案内してくれる。

正面丸テーブルの後は運河。
丸テーブルにはめ込まれた青磁。

ジム・トンプソンの家を見学した後はナショナル・スタジアムBTS駅からプローンポン駅に戻る。

ナショナル・スタジアムBTS駅で見つけた公衆電話機。
BTS車内。黄色いベンチはカーブしている。

スクンビット通りの北東側(ホテルのある側とは反対側)を歩いてみる。ショッピングセンターを見つけたので練り歯磨きとミネラルウオーターを買う。ソイ 22に戻り路地の奥を覗きながらホテルに戻る。

この奥には地元の人が通うレストランがありそう。

真新しい高層ビルの手前にある空き地は再開発を待つのか、ガランとした空間が広がる。

ビルに囲まれた空き地は再開発待ちなのか。

ホテルには4時前に帰着。一休みして昨日のネットカフェでメールチェック。今日は46バーツ(約138円)。
再度ホテルに戻って7時頃食事に出る。プローンポン駅で Sky Card の残りが20バーツになっていたので改札脇の駅案内所で100バーツチャージしてもらう。金額は自分で決められるようだが小銭が増えるのできりのいい金額にした。アソーク駅でBTSを下りてプアンケーオ(Puangkeaw)を目指す。地下鉄スクンビット駅の入り口を過ぎて、小さなホテルAsoke Place 21の角をソイ21からソイ23に抜ける。この通りは両側にゴーゴー・ガールがずらりと並んで実に壮観。この通りはゴーゴー・バー街になっていて Soi Cowboy が有名。ソイ23に入ると何やら薄暗い通りで行く先が心許なくなってきた。
薬屋らしい店内のカウンターの中で新聞を読んでいる人がいるのを見つけた。ガラス度を開けてプアンケーオを探しているのだが、道はこの方向で良い訪ねると『ここからそんなに遠くない、直ぐこの先の路地を右に曲がりなさい』と親切に教えてくれた。行ってみるとそこだけ明るいプアンケーオが小さな交叉点の角に見つかった。

プアンケーオ。

前後してガイドブックをのぞきながら入ってきた二人連れは日本の若い女性。店内には既に三人連れの別の日本人客がいた。左のコーナーには五人の中国人グループがわいわいやっている。

店内は清潔。店員も親切、分からないことは何でも聞いてみるべし。

ここでもメニューを間にウエイトレスとのやりとりが楽しい。トム・ヤム・シーフード、トート・マン・プラ-(エビと蟹すり身フライ)、パパイヤサラダ、カーオ・オプ・サッパロット(パイナップル・チャーハン)を選んだ。

優しく上品な味のトム・ヤム・シーフード。
パパイヤ・サラダ。
完食できなかったトート・マン・プラ-。

カーオ・オプ・サッパロットは注文する人が多い人気の一品らしい。

まさかのフレッシュ・パイナップルの殻に入って来たカーオ・オプ・サッパロット。

丁寧に調理してあることが伝わってくる味で、どの料理も食べやすく美味しかった。ビールとアイスティー、サービス料込みで705バーツ(約2,115円)。8時半頃店を出る。来た道を戻る。先ほど道を聞いた薬屋は未だ店を開けていた。プローンポン駅までBTSで一駅。改札を出てベンチャシリ公園の門をくぐったところでポツリと来た。ホテル裏口までほんの5分足らずなのにあっという間の土砂降りで、膝から下はびしょ濡れ。鞄に入れておいた傘を出すのも間にあわなかった。
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