希死念慮とは、 「死にたい」と思うことです。 現在日本では、 約2人に1人が希死念慮を抱いた経験があり、 それは、年々増加傾向にあります。 「死にたい」と思うことが当たり前な世界で、 なぜ私たちは生きるのか… 私は、生死に近い仕事をしています。 病気や事故で亡くなった方を何度も見ました。 自ら命を絶った友人も数名います。 そして、私自身 希死念慮を抱いた経験があります。 他者の死を見つめつつ、自分の生を感じ 生の中で、死を感じて生きています。 短
俺は高校2年生。 3ヶ月ほど前から、 同じクラスのユカと付き合っている。 その彼女がさっき、 学校の屋上から飛び降りて 死んだ。 コンクリートの地面に、 膝から落ちたのだろう。 大腿骨が脇腹から突き出て、 大量に出血している。 さらに、 顔面を地面に強打し、 鼻が陥没している。 頭頂部からは脳が飛び出し、 正直、人間の形を保っていない。 朝、一緒に登校した時は、 あんなに笑顔だったのに… ーーーーーーーーーー 理由はわかっている。 クラス
朝起きてカーテンを開けると いつもより太陽が眩しい。 暗く淀んだ自分の心とのギャップが そう感じさせるのかもしれない。 だめだ、 「カーテンを開ける」というポジティブな行動ですら、 世界からの「皮肉」と捉えてしまう。 さて、顔を洗って 今日を清々しくスタートさせよう。 ーーーーーーーーーー ふと、数日前に経済学YouTuberにコメントしたのを思い出した。 軽い気持ちで冷やかしたつもりが、たった1人の返信によって、俺の心は深くえぐられた。 そのコメント
人間は、世間体を気にする生き物だ。 義務教育を通じて「普通」であることの大切さを、 脳に焼き付けられている。 少しでも道を逸れようものなら、 後ろ指を刺されて嘲笑され、場合によっては罵倒される。 トラブルの種を植えるくらいなら、 世間に慣れ親しんだ種を植えた方が、 楽に生きていけると「錯覚」する。 そう、あくまで錯覚なのだ。 他人が作った世間体という小さなプランターに、 自分という種を蒔いたところで、 窮屈になるに決まっている。 ブルックスはきっと、
昨日のことが、頭から離れず、なんだか気持ちが晴れない。 部下に対して指導ができない上司と、 それをいいことに自分勝手な接客をする部下、 その両者をただ傍観する自分。 今までは当たり前に感じていた職場の雰囲気が、 徐々に押し寄せる津波のように、 俺の心を侵略していく。 「仕事ってなんなんだろ」 俺はこれでも、人々の生活を豊かにしたいという志をもって、この業界に足を踏み入れた。 それなのに今の社風は、少なくとも顧客ファーストではない。 理想と現実の歪みで、形を
朝から気分が悪い。 昨夜は寝ると決意してからも、 頭の中で小蝿が、無造作に飛び回り 眠りにつくことができなかった。 原因は「SNSへの依存」だとわかっていても、 なかなか抜け出すことができない。 ズーダラ節に「わかっちゃいるけどやめられねぇ」という歌詞があるが、 これは、中毒に陥っている状態である。 SNSは「繋がり」を目的としているのだろうが、 果たしてその目的は達成されているのだろうか… どんなサービスでも使い方しだいで、 毒にも薬にもなるので、
俺は不動産会社で勤務する34歳独身。 一橋大学工学部を卒業後、 それなりに志を持って就職した。 勤続12年にもなると、 上司と部下の狭間で息苦しい状況を 容易に想像できると思うが、 俺の場合は両者に恵まれている。 上司は穏やかで、パワハラどころか愚痴の一つも言わない。 部下は文句をたれるものの、向上心があり、仕事を覚えるのも早い。 そんな職場環境に、俺は何ひとつ不満を感じていなかった。 いつものように淡々と業務をこなし、 職場を後にする。 ーーーーーー
俺は地方の高校生。 一人っ子ということもあり、 親からはだいぶ甘やかされて生きてきた。 ただ、ある日を境に 俺への関心は薄れ、 何も口出ししなくなった。 少し悲しいが、慣れると楽なものだ。 勉強はできる方ではないが、 運動は何をやっても人並み以上にはできる。 周りからは「とっつきやすく、明るい性格」 と思われているが、 実際のところ 根暗なやつだと思われないために 努力している。 ーーーーーーーーーー 俺には夢がある。 「空き家再生ビジネス」だ
私は、仙台のとある運送会社を経営している。 立ち上げたばかりの会社で、 スタッフは私を含め8人しかいない。 そんな弱小会社に、 青木という21歳の青年が面接に来た。 彼は高校を卒業してから、 数年間空白の時間があった。 そのことについて尋ねると、 「起業をするために上京したのですが、なかなか上手くいかず、アルバイトの給料で生活していました。」 無鉄砲で後先考えない若輩者… とはいえ、 真面目な性格なのだろう。 もっとありがちな理由を言えば、 印象よく
私の息子は、高校を卒業して東京へ旅立った。 「東京で起業したい」 と言う息子に対して、 「自分のやりたいようにやりなさい」 と言って送り出した。 今思うと、 ろくに話も聞かずに 責任を放棄した自分が憎々しい。 私が即答で容認した時、 息子の目は薄墨色になった。 きっと落胆したのだろう。 露ほどの興味すら示さなかった 私の対応に… ーーーーーーーーーー 東京に行った息子に連絡をしても、 虚しい音声案内が鳴るだけだった。 もちろん、息子から連絡が来
私は、飲食店でウェイトレスをしている。 3年ほど前にマッチングアプリで知り合った 「青木」という男性とお付き合いしている。 彼には大きな夢があり、 今の仕事で資金を貯めたら、 東京で起業をするといつも言っている。 「どんなことで起業するの?」 と聞いても、青木は 「今はまだ内緒」 と言われたので、深くは聞かないことにしている。 ポジティブな性格に惹かれて付き合ったものの 後先考えているのか正直「不安」ではある。 その不安は、日に日に「不満」に変わってい
僕は地方の高校三年生。 勉強はできる方だが、 内向的な性格で友達が少ない。 そんな僕には「青木」という親友がいた。 青木とは高校一年の時に、 席が隣同士だったことがきっかけで、 仲良くなった。 青木は、勉強はいまいちだが、 スポーツ万能で、 太陽のように明るい性格だった。 僕とはまるで正反対… そんな青木から、 「お前、卒業したらどうすんの?」 と、聞かれた。 僕は、 「地元の市役所でも受けてみようかな」 と、答えた。 僕は、進学して勉強もし