見仏記 9 2-4


 まずは改修されたきれいな常楽院の本堂に移り、厨子入りの阿弥陀三尊を見せていただいた。優雅に腰をあげた脇侍の観音、勢至(せいし)の姿も同時に堪能する。
 さて、問題はその奥の長細い厨子であった。
「こちらですか?」
「はい。まず右側を開けます」

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