【短編小説】みつけた
何で逃げるの?
俺、お前に何かしたか?
嫌がられるようなことしたのは、お前の方だったろう?
どうしてお前は、俺を殴ったんだ?
どうしてお前は、俺をバラバラにしたんだ?
どうしてお前は、俺をゴミ袋に詰め込んだんだ?
全部お前の為になるならって我慢してきたのに。
いつかはちゃんと向き合ってくれると思ってたのに。
なぁ…どうしてだ?
どうして?
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして?
俺はただ、生まれてきただけだ。
生きてただけだ。
生きたかっただけだ。
お前は俺に沢山のものを与えてくれた。それは感謝していた。
ただ、それ以上のものをお前は俺から奪っていった。
その全てを返して欲しいだけなんだがなぁ…。
ま…人を散々甚振って、バラバラにしても素知らぬ顔で無実を訴えていたような人間が、今更何かを返してくれるわけないか。
って、おいおい。
隠れるんならせめてもっと上手くやれよ。相変わらず後始末は下手くそだな。
出てくんなら今の内だぞー?
そのまま反応しないなら、同じ目に遭わせる程度じゃ済まないかもしんねーぞ?
はぁい、時間切れ。
今度は俺が、死んでも死ねないこの地獄の淵でじーっくり細かくしてやるから、そのつもりでいろよ。
な?母さん。
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