2024/11/25 『ルート29』
学園祭があり、ギターの演奏をしていた。打ち上げなどで、いろんな人と話す機会があった。
基本的に話す内容はその人がどう、それに比べてあの人はどうの、相対主義だ。あの人の就活はこんな感じそれに比べて自分はこう、あの人の好きな人はこの人、この人のここがかっこいい、それに比べて自分はこう、みたいな話しかしない。そんな比較主義の世界を自尊心の低い男が生きていると限界が来る、俺がBeRealを入れてしまったら、もう、すぐ自分はなんてちっぽけなという気持ちが生まれて、限界が来てしまう、インスタでさえちょっときついのに。
打ち上げを何回もやり、いろんな人の知らない面を聞いて、限界が来てしまった。心がずっとザワザワしている、何もやる気になれない。
そんな時の解決策はいくつか持っているが、今日は映画館に映画を見に行くことで解決しよう。
『ルート29』という映画をずっと見たかった。何かめちゃくちゃ面白いストーリーがあるわけでないし、淡々と進んでいく話だ。どこか不思議さもあり、捉えどころのない場面もある。僕の気付いてないメタファーもいっぱいあるだろうし、この映画を面白くないという人もいるだろう。でも、心が弱った僕には優しく寄り添ってくれる映画だった。寒い日に家に帰ってホットミルクとホットチョコレートを飲んでじんわり暖かさを感じる感じ。そんな感じで、俺の心のザワザワを綺麗に取り除いて、いつもの心に戻してくれた。そんな映画。
ロードムービーなので、一緒に旅をした感覚だ。山道の空気感。森の中の木の一本一本についている葉っぱの美しさ。いつもは感じない空の青さ。旅をする理由はそういうことだ。心を通常に戻すため、オザケンもそんなことを歌ってなかったけか。とにかく、こういう映画があるから僕は生きていけるのだ。いい映画だなと思いながらゆっくり自転車を漕ぎながら帰ってきた。ちょっと課題を頑張ってやろうか。そんな気分。