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凡人が子どもの隠れた才能を見つけてプロ野球選手にするための戦略

今年やりたかったこと

今年やりたかったこと――野球観戦。小1になる息子とプロ野球をライブで見たかった。今までチャンスはあったんだけど、野球って長いでしょ?小さい子どもって絶対に飽きるでしょ?トイレやら、ごはんやら、ひとりで面倒をみるのも大変でしょ?だけど、小学生にもなれば大丈夫だろうってことで9月にやっと初観戦。名古屋ドームで、ドラゴンズ対ジャイアンツ戦を楽しんだんだけど…

なぜプロ野球観戦なのか?

息子にトップレベルを「具体的」に感じて欲しいから。「スゲー」とか、「こんなものか」とか、具体的にトップ選手の試合やプレーがこういうものなのかと知って欲しいんです。なぜなら、そこには僕の反省があるんです。

小2から24歳になるまでの約19年、僕は野球をやって、ずっとプロ野球選手になりたかった。けれど、どこかプロ野球選手は僕のような凡人ではなく、特別な人の職業だって心のどこかで思ってた。

もちろん僕は技術でプロのレベルではなかったんだろうけど、そのレベルとやらがぶっちゃけわからない。球速が150km/hを超えたらプロ、みたいな基準はないでしょ?球速アップとか制球力アップとかに取り組むんだけど、それはチームが勝つためにやっていて、プロになるための施策ではなかったんだよね。

だから漠然とプロ野球選手になるのは、「何かこう特別なお人」という具合に、ぼんやりとしたまま僕のプロ野球選手の夢はすーっと終わった。だからね、息子も含めてね、これからの子どもたちはね、ただ頑張るのではなくてね、狙って頑張って欲しいわけです。プロになるぞ、と。

なので、こうすればプロ野球選手になれるよ!ってことは教えてやれないけど、プロ野球選手のレベルを具体的に感じてもらうってのが今回の趣旨なんだけど…

なぜ甲子園の常連校が強いかわかる?

上手い選手が集まっているから、というのはもちろんある。だけど、それ以上に重要なのは、甲子園までの距離をしっかりと把握していること。もちろん物理的な距離じゃないよ?

「行きよりも、帰り道の方が短く感じる」って思ったことない?科学の世界ではこの感覚を「リターン・トリップ・エフェクト」と呼ぶんだって。でね、行きより帰り道のほうが短く感じる理由。道に慣れたから?って思うんんだけど、実はそうじゃないらしい。「見積もる時間」が違うからなんだって。行きと帰りの見積もる方法は、

・ヒトは行きにかかる時間を短く見積もる
・ヒトは帰りにかかる時間を多く見積もる

だから5分かかる距離でも、行きは3分と見積もる。だから「5分もかかった」と感じる。で、帰りは行きで時間がかかったと感じたから、7分と見積もる。で、結果は「5分しかかからなかった」と感じるわけ。

でね、野球に話を戻すと、甲子園に行ったことのない凡人の僕は「もしかしていけるかも?」とか、努力を少なく見積もるわけ。仕方ない、行ったことないんだもん。でも、そんな簡単なものじゃないよね。だから「甲子園は遠かった」と目を細めるわけ。

一方で、甲子園常連校のエリートは、指導者、先輩、OBとかとか、みんな行きは経験済みなわけ。「そう簡単にはたどり着けないぞ」ってことも知っている。だからね、努力を多く見積もるんだ。

そりゃ、強いわけだよ。ただでさえ実力のある選手が凡人よりもたくさん努力する。球児全員が甲子園への道をよーいドンで目指していると思っているんだけど全く違う。これが強さの秘訣。甲子園の常連校とか、強豪校とか、名門校とか、そんなエリートな人たちと話すほど、凡人の僕はその差に愕然とするんだけど…

凡人には凡人の戦い方がある

とも思っている。たまに強豪校が、え?って思う高校にコロリと負けることあるよね?ジャイアントキリングってやつ。そこに凡人が飛躍するためのヒントがある。

強豪校ってさ、もちろん実力もあるよ、でも名前勝ちしてるところもあるよね。相手がリスペクトしすぎて、ビビっちゃって、打たれるのが嫌でフォアボール連発で自滅みたいな。だから少々ミスをしても負けないわけ。

でもジャイアントキリングを起こすチームって、必要以上に強豪校をリスペクトしないよね?怖がらない。ピッチャーもバンバン投げ込んでストライクを取ってくる。見ていて清々しい。

でも、彼らは単なる怖いもの知らずではない。ちゃんと相手のことを知っている。強いところだけじゃなく、弱いところもしっかりと頭に入っている。そして、自分たちのことも知っている。だから、相手の弱いところと自分たちの強いところをぶつけることで、ジャイアンと対等に勝負できるわけだ。

そろそろ、まとめるとね

技術はもちろん大事。でも「知らない」ことほど恐ろしいものはないよね。小1の息子がプロとは何ぞやを知るにはまだ早い。ただ、プロ野球だけじゃなく、サッカー、バレー、バスケ、テニス、ゴルフとかとかとか。色んな競技のトップレベルを知る機会を作ろうと思う。それが凡人がプロを育てるための戦略。そして遊びに出かけるための男たちの戦略。

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