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キミの右 ボクの左の 手が出会う ナイショ、ナイショの ポケットの中

キミの右 ボクの左の 手が出会う ナイショ、ナイショの ポケットの中


こんにちは。リクトって言います。

166cm 50kg チビです。
突然ですが、

a.街中でキスをする。

b.街中でハグをする。

c.街中で手を繋ぐ。

皆さん、どこまで経験がありますか?

これは全てをやりたいボクと、全てを恥ずかしがる彼の話しです。

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10月。小雨が上がってひんやりした夜。
新宿伊勢丹前。約束の時間まであと2分。
今日はちゃんと来るのかなぁ。。
あー、ヴィトンのディスプレイ、綺麗だなー。

そこへ小走りでやってくる、175cm 60kg 健康そうな小麦色。山崎賢人っぽいこの人が僕の彼氏です(^^)

「リクー!!ギリ間に合ったんだけど!!」

「コウキー!!間に合ったね!来ないかと思ったわw」

「いやいや、オレを信じろ!!とりあえず行こうぜ!!」

「うん!」

そう言ってハイタッチを合図に、デートが始まる。

間に合って誇らしげな彼、コウキと、実は来てくれただけで嬉しい僕、リクト(^^)
まだ付き合って2ヶ月の僕らです(^^)

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出会いは新宿二丁目。DJ Bar「フレックス」

お互い、いつも1人。お互い、いつもフロアの右端と左端。

もともと群れないタイプの僕ら。
声はかけないのが暗黙のルール。っぽかったのが,,,。

人の少ない平日、火曜の夜。22:45。

1人の陽気な酔っ払いが、なんとムリヤリ僕らを乾杯させたのだ。。
しかも乾杯させるだけさせて、店のスタッフに絡みに行ってしまった陽気な酔っ払い。。

ええー、この状況どうすれば。。困ってたボク。。

「えっと、はじめましてwコウキです。」

「あ、どうも。リクトです。話すのは初めてですねw」

「そうですね。 かなり前から気になってたんだけどw リクト君の事w」

「僕もw なんかコウキさん、声かけない方が良いかなって思ってたw」

お互いの空間を超えて、初めて声を交わす僕ら。

実はこの時、僕らは心の中で同じ事を考えていたようだ。

(陽気な酔っ払いの人。。ありがとう!)

陽気な酔っ払いに感謝しつつ、僕らの恋愛は突然始まった。
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好きな音楽。
好きな食べ物。
好きなYouTubeチャンネル。
好きな生き方。
嫌いな生き方。

話せば話すほど一致して行く価値観は、すぐに僕らを繋いで行く。

違った事は、ボクは公共の場でもイチャイチャしたくて、コウキは恥ずかしがる方かな。。

「ねぇ〜!!コウキ〜!駅まで手繋いで行ってみない?っw」

「いやいやwオレは無理だわーw」

ボクらLGBTの恋愛には、この価値観のズレは付き物かも知れない。。

いつもいつも、少し距離が空く瞬間。ちょうど日付けが変わる頃。

繋がれた僕らの手は二丁目を出る直前、離される。

いつもいつも、少し冷たい空気が流れて。。

チェスターコートの裾までも触れ合えない距離感。。

ただの友達に見えるであろう僕らは、ただの友達のフリをしながらいつも通り、終電の総武線に乗って帰るのだ。。
いつもいつも。。いつもいつも。。
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総武線、
津田沼行き、
終電、
車両点検、
時間調整。。

ゆえに、、遅延。。

乗車率100%越えたよね??って位の車内。。

「リクト、、潰れるかもねww大丈夫??」

「ボク埋もれそう。。コウキみたいに大っきくなりたい人生だったww」

「でかいリクトは可愛くないからイヤだw」

「は??どうせちっさくても可愛くないからいいもんww」

こんなたわいもない、コショコショしたナイショ話し、乗車率100%超えも悪くない。

電車の中だけど、抱きつきたい位好きだな〜。

とか思ってたら、、

え?
ポケットに手、、入って来た。
コウキ??
どした??

「・・・今日だけなww」

「うん・・・w」

「いっつもリクト、町(新宿二丁目)出る時テンション下がるじゃんw だから今日だけw」

「・・・(〃ω〃)ありがとぉw」

(〃ω〃)(〃ω〃)(〃ω〃)(〃ω〃)(〃ω〃)

考えてくれてたんだ。

気付いてくれてたんだ。

見ててくれてたんだ。


満員過ぎる電車は、コウキを優しく、かつ大胆にしてくれたらしい。

実はこの時、僕らは心の中で同じ事を考えていたようだ。

(遅延。。ありがとう。)

同じ空間の右端と左端にいた僕ら。

そんな僕らの右手と左手。

僕らの手が出会えたここは。

世界中、僕らだけの場所。

ナイショ、ナイショのポケットの中(^^)






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