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2022-06-07

PSGが13年ぶりに復活した場に居合わせた。それまでの疲労感がすべて昇華された感覚は忘れられない。PUNPEEが最高すぎたのはもちろんだけれど、SlackもGAPPERもSTUTSもBIMもoriginal loveも、PUNPEEのステージを盛り上げてくれた。トリとしてとにかく最高で、あれからこの日のプレイリストを飽きもせず繰り返し繰り返し聴いている。

「俺もおる」とDMが届いた。大学に入学してすぐにできた元恋人だった。当時かなり好きだったが、なにせ初めての彼氏なもので、彼の恋人としてどうあるべきか、最後まで苦悩していたように思う。青臭い自意識だった。わたしの根暗さと生真面目さが、彼の自由気ままさでフッ軽なところと次第に噛み合わなくなり、わたしは彼に別れを告げられた。その彼もフェスに来ているという。
別れてからもキャンパス内でたびたび見かける彼への気持ちにコロンを打つために、わたしは何度か賭けるようなことをした。わざと素っ気ないふりをしたり、気まぐれに届く連絡を無視したり、卒業式には、わざわざその時の恋人が贈ってくれた花束を持って「元気で」なんて言いながら写真を撮った。もうこれで終わりなんだ、と思いながら。
ようやく思い出になっただろうと思う頃に、ちぎれかけた糸はつながる。突然のフォローリクエスト、街を歩くと向かいから歩いてくる、偶然行きつけの美容院の近くに転職してくる。それが今回はフェスだった。もう恋人どうしではないけれど、同じ場所の少し離れたところで、同じ好きなものを見聴きしているのは不思議な感覚だった。

彼の中のわたしはハタチそこそこのまま止まっているだろうから、タバコは帰るまで吸わなかった。

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