ACL(前十字靭帯)を断裂した陸上選手
みなさんお久しぶりです!!
コロナウイルスであまり外に出られないのでこんな時にこそnoteだ!と思いましてパソコンに向かっております!!
今回は私が書くのは陸上短距離選手のACL(前十字靭帯断裂)、半月板の損傷の手術後について
です。かなり範囲が狭くなりますが、私自身陸上選手では珍しいね〜と言われ続け、ACLについて詳しい人が近くにいなかったことで不安だったり後悔していることがたくさんあります。だからこそ書こうと思ったんです。
後悔していること
私がACLの手術をしたのは2018年10月31日そこから今現在で後悔していること、、、それは術後、2〜4ヶ月のリハビリがしっかり行えていなかったこと、そして体重の管理できなかったことです。
手術でメスを入れることで低下した筋力、可動域や運動機能の回復をはかるのにこの期間がしっかりとすごせたかはとても重要になると思います。
パッと見でわかるくらいの左右差。
その頃の私は、陸上に対する意欲がとても下がっていて、リハビリに行くことを精神的に拒否していました。その時期ちょうど前の職場をやめて練習拠点を失っている時期でした。
次の練習拠点が決まり、引っ越したのは2019年2月末。その時の私の筋力や運動機能は普通にリハビリを続けている人の進行度よりかなり遅れていました。
手術から7ヶ月後でも左右の太ももの大きさの差が2cmある状態でした。
そこからもう一度リハビリをやり直し筋力や体重、運動機能を戻していったのですが、左右差はなかなか戻りませんでした。
体重管理に関しても、手術をしてからは一時的に体重がとても落ちます。病院食や筋力の低下によるものです。退院してからはしばらく松葉杖だったり怪我をする前より運動量が減るため、食事量や食事の質などに本当に気をつけないとブクブク太ります。私は一人暮らしだったのでなおさらそこうまく管理できなかったな〜。
病院のご飯美味しくなかったな〜(小声)
復帰した時期
手術をする前に病院の先生から言われたのは全治9ヶ月。
私が復帰したのは9月の半ば(手術から11ヶ月後)
2ヶ月遅れてしまいました。2ヶ月遅れて復帰したさいの100mのタイムは12.72。自己ベストが11.57の私にとっては屈辱的なタイムでした。
その年の10月末、シーズンラストの記録会でのタイムは12.27。少し戻ってきたと冬季練習に向けていいイメージを作ってシーズンオフを迎えたのを覚えています。
冬季練習について
その年の冬季練習。私にとっては思っていたより何倍も辛い冬季練習でした。
理由は2つ。
・寒さにより膝の痛みが強くなる。
・体力の低下により練習についていけない。やり切れない。
一番大きかったのは痛みとの戦いです。寒さで手術した部分の動きが著しく低下することで膝の周りの筋肉(ハムやふくらはぎ)にも影響が出たり、その状態で練習を続けることで全身の体のバランスが崩れてくるなどの問題もありました。
私の場合、手術後のリハビリの期間をうまく過ごせなかったことで冬季練習に入ってからもかなり左右で筋力の差があり、そこのトレーニングも続けながらの練習はメンタル的にも身体的にもキャパオーバーになることが多々ありました。
しかし、その5ヶ月の間に膝との付き合い方を見つけることで痛みや体のバランスをとっていけるようになってきたと思います。
怪我と付き合っていく
さて、ここからなんですが、
私はACLの断裂という怪我と向き合い陸上に向き合いここまでこれたのは、周りの人の助けがあったからだと思っています。
怪我をして復帰するまで、そして復帰してからも、怪我した本人1人と親密に付き合う人数は本当にたくさんいます。
そして私が怪我してからよく受ける質問は、友達(家族、チームメイト、選手)が大きな怪我をしたのですがどのようにサポートしてあげたらいいですか?
という質問です。
私も親、トレーナー、コーチ、所属先の会社、病院の先生の他にチームメイトや友達本当に様々な人の支えがあってここまで復帰できました。
怪我をしてから次の所属先が決まり、拠点が決まるまでの間、自分が何をしたらいいのか何を目指せばいいのかもわからず、家にいてもリハビリをする気にならずにいました。あの時自分が大学生で、ちゃんと練習に行く場所があれば…何度そう考えたか。
私の中で結構困ったのは陸上での症例が少ないため、ACLに関しての専門的な情報があまり入ってこなかったり、ケアの方法がわからなかったり、判断が遅れたりすることがあったということです。
自分でもっとしっかり調べればよかったと思いつつも、いろんな情報がある世の中でどの情報を選択すれば良いかわからず諦めてしまったこともありました。
怪我をした選手やそれを支えていく周り共々種目やスポーツ関係なく頼るというのも一つの手だと思います。
様々な選手を見た経験があるトレーナー、ラグビーやサッカーなどACLの断裂が多いスポーツの人の経験を聞くなどもいいかもしれません。
それを選手一人がするのはとても大変なことで情報の選択必要ですのでそれを相談したり一緒に整理していく人がいることも必要だと思います。
例えば、手術したことにより筋肉の滑りが悪くなって痛みにつながっている場合があることに対するケアの一つとしてインディバやカッピングなどという方法もあります。
手術をするということはその怪我と一生付き合っていくということだと、この怪我をしてみて感じました。
痛みと付き合いながら練習をしていく。怪我を自分の一部にしていく。これはきっととてつもなく大変なことです。
私もいまだにこの怪我がなければ。もうやめてしまいたいと思うこともあります。
そしてそれと同時に今支えてくれる人がいること、私に期待してくれる人、応援してくれる人がいることにとても感謝しています。
これからの私について
きっと私のこの文章を見て、メンタルが弱いと感じる人もいるかもしれないし、もちろん練習場所がうまく確保できない人でもしっかり自分に向き合いリハビリをして復帰する人もいるとは思いますが、私みたいに一緒に練習してくれる人がいないと継続できなかったりする人もいるはずです。私はこの怪我を通してそういった自分を見つめ直すきっかけにもなったし、
環境が無いと頑張れない自分にとてもがっかりしました。
今の自分は2021年にのびたオリンピックに出場し活躍することを目標に取り組んでいます。
2020年に出場することを目標にしていましたが怪我の復帰からの2020年までがあまりに短く自分の中で諦めている部分もありました。
1年伸びた分、自分に追い風が吹いていると思い、目標に向けて頑張ろうと思っています。
少しでも同じ怪我をした方の希望になれますように。
そして、現在世界で起きているコロナウイルスがはやく終息することを願っています。