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ミュージカル『太平洋序曲』は帝国主義と加害の連鎖と「歴史」のお話。

※ネタバレを含みます 日生劇場で上演中、『太平洋序曲』を見てきた。 キャストが実力派揃いで、ソンドハイムの難解な曲たちをしっかり歌いこなせる布陣なので、それだけでもかなり見応え・聞き応えがあり、楽しめた。美しくミニマルな舞台美術も本当によくできていて、さすがのソンドハイム楽曲と不思議な雰囲気とで普段とは肌触りの違う観劇体験だった。 総じて、めちゃくちゃ良かったです。作品としては個人的にかなり好きな部類に入る。オチがゾワゾワ来る。 でも、内容としては、初見では完全に捉えきれ

    • 『キャバレー』(1972)がめちゃくちゃ良かったはなし

      昔の名作を映画館で期間限定上映する「午前十時の映画祭」で『キャバレー』が上映されていたから見に行った。 曲は何曲か知っており、Liza Minelli 主演であるってところまでしか知らず、本当にミリしら状態で見に行ったが、傑作映画すぎて好きな映画Top 5 に食い込んでくるかもしれないくらい衝撃的でした。 以下、ネタバレ含みますのでご注意を。 物語は1931年ドイツで始まる。少しでも歴史を齧っていればこの年号だけで時代背景はなんとなく察するだろう。 主人公はサリー・ボウル

      • なぜクリスを嫌ってしまうのか?ー『ミス・サイゴン』とアメリカン・ドリームの虚構ー

        はじめに2022年、『ミス・サイゴン』が遂に2020年中止になったリベンジを果たした!そして、30周年という節目に。おめでたい。 今まで2014年ロンドン版のDVDしか見たことのなかった私もやっと、初めて生で、そして初めて日本版で、見ることができました。 DVDで『ミス・サイゴン』を見てから、ずっとこの作品についてはモヤモヤがあった。これは私だけでなく、幾度もあらゆる人からこの作品が受けてきた批判だ。 クリス、まじでクソ男すぎん??? はいはい、またWhite Savio

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