見出し画像

「毒母を看取る 3 -介護認定は夜間の状況がわかるものを見せればよかった-」

介護認定を受ける原因は
1.老齢による認知症や身体機能の衰えと、
2. 末期がんによるもの 
と2種あるのですが、母の場合は、2の末期がんでした。
もの忘れはありましたが認知症はほとんどなく、手術の後遺症によるせん妄が主な精神症状でした。ドアのところに誰かいると幻が見えたり、羽毛の入った布団で寝ると水鳥の群れ襲われる幻を見るなどして、夜叫んだりして近所の方に警察を呼ばれたこともありました。ほとんど夜間で、昼間はおとなしく、症状が出ないのです。

私は認定について油断していたところがあって、住んでいる都道府県によって認定の厳しさが違うのはデータからもわかるのですが、友人の夫(59歳)が要介護の認定が厳しいといわれる兵庫県で末期がんで申請したところ車いすがすぐに届いたので、家族が何も準備しなくても医者からの意見書に「末期がん」と書いてあれば車いすをレンタルできる=「要介護3以上」くらいは出るんだろうと思っていました。
後で、
友人の夫は第2号被保険者(若い現役世代)で、
母は第1号被保険者(年寄り)という大きな違いで扱いが異なることを知りました。

認定員の人が来るあの日に戻れるなら、夜中に叫んでいる様子を近所の人がビデオに撮っていたのでそれを見せたり、恐怖から暴れて食器棚を引き倒したり、食器をドアに叩き付けた後の写真などを見せるべきでした。

家に確認に来る認定員は役所の職員もいれば時給で働くバイト感覚の人もいて、うちに来た人はヒアリングというより自分の親の愚痴を話して帰られました。祖父のお下がりの介護用ベッドがなければ起き上がれないのは確認したはずなのですが、届いた結果は『要介護1』となり、驚きました。
昼間だったので奇声は発しないし、話かけられたら反応はできたのが敗因でした。
「お風呂なんかもう何年も入っていない、臭いが気になる時は親戚に来てもらって2人がかりでシャワーさせる」と言っているのに、認定後、お風呂に手すりをつける工事をする業者の人が来て、「いりません」と、帰ってもらうのに苦労しました。認定後の書類だけでも色々あって大変なところに余計な仕事が増えました。

<追記>
認定調査員の求人は、
<下記いずれかの資格や経験をお持ちの方>となっています。
1.介護支援専門員
2.保健師、看護師、准看護師、社会福祉士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士などの資格をお持ちであり、
介護に係る実務経験5年以上
3.認定調査経験が1年以上ある方

となっていますが、人材業経験者の私が推察するに、1番や2番の資格をお持ちの方がこの水準の時給の仕事に応募するとは到底考えられず、大半は3の経験を自己申告での採用と思われます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?