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社団戦1日目振り返り
先週末に行われた社団戦1日目に参加してきたので、自戒を兼ねて対局のポイント図を振り返ります。
今期の私は大学将棋部時代の友人とのチームで、4部での参加です(1部~7部まであり1部が最上位)。昨年は3部での参加だったのですが、メンバーが増えて2チーム編成になりました。
1局目
初戦はとある会社将棋部のチームとの対局。お相手は知らないおじさんですが、なんか強そうな雰囲気。
相矢倉になり飛車先を交換させる指し方を選びました。
△8六歩から横歩を取られた局面。
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図から▲7七金△7五飛▲8六歩(図)が予定の対応で形勢は互角です。
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直後の△8五桂が怖いですが、▲同歩△同飛▲9七角でギリギリ耐えています。後手の銀が遊んでいるので悪くはないといった感じでしょうか。
少し進んで…
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ここから▲5四歩△同歩▲5三歩△同金▲7七桂が絶品の活用と思ったのですが、ソフト先生に聞くと単に▲7三歩が優るとのこと。こういった落ち着いた手が指せる大人になりたい。
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最終盤だけはうまく寄せることができました(詰みがあります)。
これでなんとか1勝。浅草まで来たかいがありました(朝イチの対局はあんまり勝てない印象)。
2局目
対局が終わってチームメイトにスコアを聞くと3-4負けとのこと。惜しい~
気を取り直して2局目。相手チームは将棋道場の生徒さん中心で、私のお相手は別の道場で一度当たったことのある顔見知りの男性です。四段くらいあると思います。
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お相手の四間飛車に対して私は天守閣美濃を採用。△8二玉が早いのを見て久しぶりに使ってみました(△8二玉に代えて△8四歩になっていると居飛車が大損なので)。
この▲6六歩には△6五歩が気になると思っていたのですが、軽く読みを入れて大丈夫と思ったので突きました。案の定△6五歩が飛んできます(四間飛車党って四間飛車に詳しいから余計にコワイヨネ)。以下▲6七金△6六歩▲同銀△6五歩まで進みます(ソフトは▲6五同歩△同桂▲8八銀と言ってきますがいまの人間には無理です)。
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ここで持ち時間20分の中、▲6六歩を突く前の段階でここまでイメージして、突っ張るならここで▲6五同銀、妥協するなら▲5五歩を用意していました。実際にやられるとは思っていなかったのでここで読みを入れますが、実際は難しい形勢のようです。
▲6五同銀△6六歩に▲同金!が自慢の対応。△同角に▲7四銀が味の良いい進出です。
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数手進んだ図、ここで▲7三銀不成△同銀▲6一飛成が詰めろになるのを見つけていけるかもと思いました。自玉は怖いですが案外詰みません(金銀桂を持たれると詰む)。
このあとも何とか攻め切って勝利。いままでは相手の自信満々の仕掛けに対してその読みを信用してしまって(ひよってしまって)負けることが自分の弱点と思っていたので、そういう意味では相手の読みより自分の読みを信用できたのが良かったかなと思います(たくさんプロの棋譜を見るなかで、定跡形でもすぐに自分の知らない形になるものと割り切れたのもプラスに働いたかも)。
チームは再び3-4負けで悲しかったです。
3局目
次の対局は大学OBのチームと。
両方の対局で秒読み切り替えまで戦って(ある程度の時間で秒読みが30秒→20秒に短縮される)いたので疲れていたのもあり抜け番を希望してみたものの、かなわずいざ着席。
後手番を引いて初手から▲7六歩△8四歩▲6八銀のオープニングだったのですが、1局目の序盤作戦(実際には後手)がうまくいっていなかったので雁木に。手なりで指していたらすごい作戦負けになっていました。
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ソフトは▲7九玉で矢倉側に200点程度と言いますが、もっと雁木側が悪そうです。そのまま棒銀の猛攻を受けたときに、反撃の形がないのが▲4六歩を突いた罪。先に▲3六歩の方が角の転換も桂の活用もあり良かったですね。序盤大事。
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この▲8八歩はひねり出しましたが最善の受けでした。粘っとけばなんとかなるもので、その後形勢は接近します。
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直前の▲2二歩△同金▲4四歩の突き出した絶好で何とか勝負に放ったと思ったのですが、20秒の秒読みに慌てて▲5二銀が直接の敗着になりました。丁寧に▲5六同銀で互角。とはいえ急なチャンスを前に心の準備ができていなかったという意味では直接の敗因は序盤によりありそうです。
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最後はぴったり詰まされました。チームも2-5負けで残念の極み。
続く4局目は相手が6人しかいなかったため不戦勝となりました。(チームは5-2勝ち)
ということでチームは1勝3敗となかなか思わしくない滑り出しとなりましたが、これも実力なので仕方ないです。そんなことよりも一緒に戦える仲間とお相手がいることに感謝ですね。なによりこの数年間の困難を乗り越えて前と同じように開催してくれた運営の皆さんに感謝です。
それから、今回は思うところがあって対局中に棋譜をつけるようにしてみました。チェスの大会の方式であり(フィッシャーモードの追加時間は棋譜をつけるためでもある)、また自分の研究会でも採用しています。大会でも、対局前に相手に一言言っておけば問題なさそうです(さすがに大会ではアプリでつけるのはNGでしょう)。
有段者は棋譜を思い出せるとはいえ、普通に忘れることもあるし、序盤の細かいところもソフトに訊きたいので書いたほうが安心です。私は「763426」みたいに数字だけでつけてます。「24dd」とあれば24歩同歩同飛の意味で、文脈だけでわからないところは「24hdgdk」→24歩同銀同金(ないし同桂ないし同角)といった要領。
また将棋を頑張ろうと思いました。